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【UFC】サンピエールが4年ぶり復帰戦で劇的一本勝ち、二階級制覇を達成

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2017/11/04(土)UP

ナマユナスのアッパーを被弾するヨアナ

▼女子ストロー級タイトルマッチ 5分5R
○ローズ・ナマユナス(25=アメリカ/同級4位、挑戦者)
KO 3分03秒
●ヨアナ・イェンドジェイチェク(30=ポーランド/王者)
※ヨアナが6度目の防衛に失敗、ナマユナスが新王座に就く。

 ヨアナは2015年3月に王座を獲得し、今回が6度目の防衛戦。キックボクシング仕込みの正確無比な打撃を武器に、2012年のプロデビューから14戦全勝と無敗を維持する。対するナマユナスは2014年12月の初代王座決定戦に敗れて以来、約3年ぶりのタイトルマッチとなる。寝技を得意としており、戦績は7勝3敗。

 試合前のフェイスオフ(対面)では、ヨアナがナマユナスに顔を思い切り近づけて挑発するなど、いつになく闘志を剥き出しに。会場が沸く中、試合がスタートした。

 1R、互いにワンツー&ローで様子をうかがう展開から、徐々にヨアナが手数を増し、細かいパンチ連打から前蹴りやハイにつなげる。だが、ナマユナスも序盤から強烈な左ローを蹴り、パンチも打ち合うなど積極的に打撃戦に応じる姿勢を見せる。

 すると、ナマユナスの右ストレートでヨアナがダウン。ナマユナスは無理に追撃にはいかず、立ち上がったヨアナをケージに追い込むと渾身の左フック。ガードの外側からアゴを打ち抜かれて崩れ落ちたヨアナに対し、ナマユナスが鉄槌を連打したことろで、レフェリーが試合を止めた。

 衝撃的な結末に騒然とする会場。ヨアナはプロ15戦目にして初黒星を喫すると共に、KO負けで王座陥落となった。一方、ナマユナスは終始落ち着いた試合運びで、強打の女王をパンチでマットに沈め、涙の初戴冠を果たすことに。

 ナマユナスは「最高、何も考えられない。メディアでいろいろなことを書かれたけれど、私は世界一を目指して戦ってきただけ。自信を持って、王者になれることだけを信じてトレーニングしてきた」と目に涙を浮かべながら喜びを口にした。また、絶対女王と呼ばれたヨアナをKOでフィニッシュしたことについてコメントを求められると、「私は普通の人間だし、特別なことは何もやっていない」と謙虚に語った。


ダウンしたガーブラントに鉄槌を降り落とすディラショー

▼セミファイナル バンタム級タイトルマッチ 5分5R
○T.J.ディラショー(31=アメリカ/元UFCバンタム級王者/同級2位、挑戦者)
KO 2R 2分41秒
●コーディ・ガーブラント(26=アメリカ/王者)
※ガーブラントが初防衛に失敗、ディラショーが新王座に就く。

 ガーブラントは11戦全勝と無敗の戦績を誇り、このうち9勝がパンチによるKO・TKO、さらに1R決着が7回という超ハードパンチャー。昨年12月にドミニク・クルーズから判定勝ちで王座を奪取した。今回が初防衛戦。

 対するディラショーも2014年5月にバンタム級王座に就き、2度の防衛に成功した実績の持ち主。昨年1月の3度目の防衛戦で、クルーズに判定負けし王座から陥落している。戦績は14勝3敗で、KO・TKO勝ちが6回、一本勝ちが3回という内容だ。

 そんな両者はチーム・アルファメールの同門であったが、ディラショーが2015年に同ジムを離脱して新たにエベレーション・ファイトチームに加入。ディラショーはガーブラントを含めたかつてのチームメイトらとの関係を悪化させ、UFCの選手育成番組「ジ・アルティメット・ファイター」(通称TUF)で共にコーチを務めた際には、何度も一触即発の事態に陥るなど遺恨を残していた。

 1R、ディラショーはフェイントやスイッチを多用する独特な動きからハイやロー。ガーブラントは蹴り終わりをパンチで狙いながら、一気にパンチ連打で仕掛けて右ハイでディラショーにケージを背負わせる場面も。ガーブラントの打撃の鋭さが際立つ。

 接近戦からディラショーも右ミドルをヒットさせ、直後にガーブラントがバックハンドブローを返すと、スリリングな攻防に会場がどよめく。終了間際にガーブラントは右フックでディラショーをダウンさせ、上から鉄槌を連打。ディラショーはピンチに陥るが、ここはラウンド終了のホーンに救われる。

 2R、ディラショーのハイをかわすと、ガーブラントはどうだと言わんばかりにジェスチャーを交えて挑発。だが、ディラショーはフェイントから左ハイをクリーンヒットさせ、ガーブラントを後方へ吹っ飛ばす。

 ガーブラントはすぐに立ち上がるが、ダメージから動きが落ち、打ち合いに応じたところで、ディラショーの右フックを被弾してダウン。鉄槌連打を打ち込まれ続けるガーブラントの様子を見て、レフェリーが試合を止めた。

 だが、直後に勝利の雄叫びを上げるディラショーに対し、立ち上がったガーブラントが詰め寄り、レフェリーが割って入る場面も。ガーブラントはディラショー陣営に対しても怒りを露わにする様子も見られたが、最後は両者が握手を交わして健闘を称えた。

 約1年10カ月ぶりに王座返り咲きを果たしたディラショー。マイクを向けられると「(試合後に)少し興奮してしまった。ガーブラントは素晴らしいファイターだし、尊敬している」とコメント。試合については「右をもらって倒れたが、持ち直すことができた。今日は蹴りから組み立てようと思っていて、そうした中でハイが当たったんだ」と振り返った。

Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images

●次ページ:ウェルター級屈指のストライカー対決

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