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イーファイト2014年試合動画 読者が選んだベストバウトNo.1は大和哲也vs野杁正明

eFightの試合動画
試合レポートと同時にアップする速報動画では、KOシーンはスーパースロー再生。

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2014年にイーファイトがお届けしてきた速報動画約60試合の中から、アンケートで読者が選んだベストバウトNo.1は、2月16日の『NJKF 2014 1st』で行われた大和哲也vs野杁正明に決定! この激闘を名キックボクサー・鈴木秀明が徹底分析し、両者の高度なテクニックをスーパースロー再生で解明する。

※大和哲也vs野杁正明の2014年ベストバウト動画(ノーカット)

解説者PROFILE

鈴木秀明(すずき・ひであき)
Suzuki Hideaki
1976年1月1日、愛知県出身
第16代全日本キックボクシング連盟フェザー級王者、初代NJKFフェザー級王者、IWM Jr.ライト級王者
通算戦績 18勝(9KO)6敗3分
ローキックを武器とし、キックボクシング界で活躍。強豪ムエタイ戦士を撃破し、“90年代、打倒ムエタイに最も近づいた男”と称される。
現キックボクシングジム・ストラッグル会長


■手を伸ばす大和、ブロックする野杁、両者の腕の使い方に注目

 ベスト1にふさわしい試合。ヒジ打ちがあるルールの醍醐味ですね。2月の最初に行われた試合でしたが、2014年のベストバウトはこれで決まりだな、と思ったほどでした。いま見返してみても凄くいい試合ですね。

 全体的に見て欲しいのは、大和選手の戦い方が全ラウンドを通して変わらないことです。以前は身体が前に出て行くような打ち方のパンチで攻めていたのですが、今は相手に攻撃を出させて隙を突いてのパンチとヒジで攻めています。自分からガンガン攻めるのではなく、ジリジリと相手を潰すように攻めています。逆に野杁選手はサウスポーに構えたり各ラウンドでいろんなことをやっています。その違いを見てください。

 1Rの探り合いを経て、2Rは一気に間合いが近くなっています。最初に野杁選手が大和選手をヒジでカットするシーンですが、大和選手は組んできた野杁選手をすぐに離してヒジを打とうとします。その時に野杁選手が組んだまま回り込んで逆に右ヒジを入れたんです。本来なら、大和選手は左腕を上げてディフェンスするべきでしたが、出来ませんでしたね。一気に攻めようとした大和選手の一瞬のミスです。

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野杁が大和をヒジでカット

 しかしその後、大和選手がダウンを奪います。まず右ヒジを横から打ってブロックさせ、正面のブロックに隙間が出来たところへ縦ヒジを入れてダウンを奪いました。野杁選手がその前に飛び前蹴りを顔面にヒットさせたのは見事でしたが、まだ着地していないところで大和選手が攻めてきたので野杁選手は冷静ではなかったと思います。そこへ2発も叩き込める大和選手は凄い。

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大和がダウンを奪う

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 この試合の大きなポイントは、野杁選手がヒジをブロックしようとしているところです。ムエタイにおいてヒジはブロックするのではなく、打たせないのが基本。ブロックするとどうなるかと言うと、大和選手がやっているように、ブロックの上から片手で押されて崩される、または押されてブロックをずらされヒジを入れられてしまいます。

 相手の腕を抑えてずらしながら打つ、これがヒジのテクニック。ブロックにぐっと手を押し当ててからボディを打つのもやっています。また、相手の腕を抑えるので相手のパンチやヒジを封じることも出来る攻防一体のテクニックです。このテクニックを大和選手は試合の随所で使っているので見てください。ブロックしている野杁選手、手を伸ばしてブロックを抑える大和選手の違いがよく分かります。

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ブロックしている野杁、ブロックを抑える大和

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■大和のムエタイルールでの戦い方と野杁の天才的テクニック

 しかし3R、野杁選手は戦法を変えます。それまではパンチから入って行くところを受けられて逆に返される展開でしたが、このRからはブロックしたまま近付いてハイキック、前蹴りで攻めています。この前蹴りも普通に上げて蹴るのではなく、一度ヒザを上げて足を折りたたんでから蹴るので、短い距離からでも顔面、ボディに打つことが出来ます。

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野杁の前蹴り

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 大和選手は対角線の攻撃を上手く使っています。左レバーブローと右ヒジという自分の得意技を生かしていますね。右縦ヒジを打っておいて左レバーを打ったり、その逆もやります。野杁選手はブロックしているので対角線の攻撃が見えにくかったでしょうね。

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大和の対角線の攻撃

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 4Rの最後に、野杁選手が凄いのは左前蹴りからの左ヒザ蹴り。普通ならこんなに速く打てるはずがない。普通は前蹴りを蹴ったら、軸足はそのままか前に踏み込みますが、この時の野杁選手は軸足を引き寄せて蹴っています。これなら狭いスペースでもヒザを出せるし、一瞬速い。なかなか使えない技です。

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野杁の左前蹴りからの左ヒザ蹴り

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 また、2人の構えの違いも見て欲しいです。大和選手は顔を少し引き気味にしています。この方が視野が広いので相手の攻撃が見えますし、顔が遠くなるので相手の攻撃が当たりにくくなります。相手の攻撃を待って打ち返す構え方ですね。ヒジが得意な選手はよくこの構えを使います。

 対する野杁選手はやや前傾姿勢に構えています。こっちの方がパンチのコンビネーションが打ちやすいです。

 野杁選手の非凡な才能と大和選手のムエタイルールにこだわって勝ってきている強さが見えましたし、2つの魂のぶつかり合いもある、本当にいい試合でした。大和選手は芯が通った同じパターンの戦い方をしている。それが大和選手の凄いところ。ちなみに大和選手はこの戦い方をサゲッダーオ戦でもやっています。敗れたとはいえ、野杁選手は技の豊富さ、倒すプロセスが試合の中で自然に出ているのが凄いところだと改めて思いました。

※大和哲也vs野杁正明の2014年ベストバウト動画(ノーカット)

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