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第15回 3・18米田貴志VS国崇を技術的に予想するの巻

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■一見、玄人目から見ても凄いローには見えない

▲上体を固めず柔らかく用いる米田は、パンチのクリーンヒットをもらっても抑制する能力を持ち合わせている。

 NJKFの真王杯55kgトーナメントで見事優勝した米田(OGUNI)。米田は優勝候補の一角・藤原あらし(SVG)を見事なヒザ蹴りで倒して真王杯を制した。

 米田の武器は何といってもバンタム級とは思えない恵まれた体(177cm)と、そこから繰り出される柔らかい左ローだろう。多少間合いが離れていても対戦相手の奥足(ヒットポイント)まで容易に届いてしまう。

 一見、玄人目から見ても凄いローとは思えず迫力こそ感じない。だが 対戦したほとんどの者がローを効かされ敗北を喫している。この真王杯でも存分に左ローを活用し、その効力を再認識させられた。

 試合を観て解るように米田は右利きサウスポーである。当然の如く、右足が利き足なので左ローの際に右足の踏み込みも自然と強い。

 踏み込んだ軸足が強く、蹴り足(この場合は左足)が利き足ではない場合、蹴り足に力みが生じにくく、無駄な力が働きにくい(蹴りの本来の威力を効率よく 発揮するには「踏み込んだ軸足主導で蹴り込む」のが最も良い)。それゆえ、米田の左ローはエネルギー分散せず、効率よく蹴り足に重さが無駄なく伝達され る。

 また、その無駄のないローを幾度となくコンスタントに蹴りこんでいくため、相手にとっては 逃げ場がない=蟻地獄のような攻撃といえるだろう(心理面でジリジリ追い込んでいく典型的なフルコンスタイル)。しかも、米田はフルラウンドを通じてロー の威力・スピードを衰えさせないのだ。これは相当の練習量を日々こなし、練り上げている証拠だろう。

■米田には体を固めたパンチの効く状態が少ない

 ローキックという攻撃手段は特に奥足の左ローに固執しすぎると、経験上パンチの返しやカウ ンターを狙い撃ちされる恐れがあるのだが、米田はそんな不安のかけらすら全く見せず蹴り続け、ローを出し続けている。決して優れたディフェンスワークの持 ち主ではないにも関わらず、ローを自信をもって出している。何故か?

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