【吉鷹弘の打撃研究室】連載第51回「外国人選手にも効力を発揮する元谷の打撃の秘密」の巻
打撃のスペシャリストである筆者が、話題の試合を題材に打撃技術を分析していく連載コラム。今回は8月23日にDEEPで行われた元谷友貴(CB IMPACT)vs和田竜光(吉田道場)のDEEPフライ級タイトルマッチを分析する。筆者が「世界にも通用する」と太鼓判を押す元谷の技術とは!?
■勇気とスピード、柔軟性が必要な動き
前回以上にスリリングな試合内容となった今回の試合内容には多くの観客が魅了された。
序盤、体軸の強さに勝る和田がジリジリとプレッシャー(圧力)をかけていく。元谷は右斜め前に頭をずらしながら、左フック→右ロングフック→左フック→右フックとすべてのパンチ(フック)の際に頭を相手の攻撃線(突き蹴りの軌道)からずらしながら、打撃で先手を取っていった。
さらに元谷はその和田の軸圧に抑えられて上体を伸ばされる前に、上半身・下半身をうまく連動させながら、左に回るサークリングを混ぜ合わせて右斜め前に頭をずらしながらの左ジャブ、左フックと果敢に攻め込んでいく。和田の右ストレートの攻撃線を完全にずらしているため、たとえクリーンヒットされたとしてもダメージを軽減することが出来たであろう。
相手の左ジャブに対しても、右手でパーリングしてからすぐさま左フックを返していく。パーリングからの繋ぎ、すなわち防御から攻撃への転換が柔軟で非常にスムーズであることからも相当、打撃の攻防のバランスワークに関する練習を積んできたのではないかーーと推測する。
さらに特筆すべきは、右ストレートが得意な相手にはなかなか出来るものではない相手の右ストレートのインサイドに頭と上体を入れながら何度も左フックを放っていったことである。
これをやるには相当な勇気とスピード、柔軟性が必要なのだが、柔軟でしなやかなバネを持ち合わせている素材抜群の元谷にとっては容易なことであったのだろう。余談だが、現役時代の私はインサイドへの頭のずらしを利用した攻防は好まず、アウトサイドばかり多用していたため、逆に狙い打ちされることが多かった(苦笑)。 ・・・
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吉鷹弘の「打撃」研究室 第51回 内容 |
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