3月30日(日)東京・後楽園ホールで開催される『RISE 98』にて、昨年3月17日以来、1年ぶりの復帰戦を行う吉本。RISEスーパーライト級のベルトを失ってからこの1年間は何をしていたのか? そして34歳にして“挑戦”したいこととは何か?(取材日:2014年3月21日)
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■第1章 不可能を可能にするためにやっている
ーー1年ぶりの復帰戦になりましたが、この1年間は何をされていたんですか?
「挑戦という意味でやったことがないことに興味があるので、海外での試合があればやってみたいと思っていたんです。言葉が通じない人たちに、自分の名前をプレーで覚えてもらおうというのがあって。言葉は通じなくても違う国の人たちに試合で感動を与えられたらいいなって考えていたんですね。
格闘家でも格闘家ではない人たちも、自分の周りで日本から海外でのチャンスをつかむ人たちが多かったんです。自分は柔道整復師(以下、柔整)になるための学校に通っていたんですが、その生徒さんたちも海外へ行って学びたいという人たちがいて。自分も触発されて伊藤さん(RISE代表)に海外での試合をお願いしていたんですが、それがかなわなかったんです。まだ諦めてはいませんが」
ーーでは、海外での試合のチャンスをずっと待っていたんですか?
「そうですね。いつでもいいように準備はしておけ、と言われていまして」
ーーそれで1年間は空きすぎではないですか?
「いつでも試合が出来るように、常にフルで練習していたら身体にガタがきてしまいまして(笑)。それで怪我をしていた時期もありました」
ーー海外での試合が決まらなかったので、今回はとりあえず国内でやろうという感じですか。
「それと柔整の国家試験が今年あったんです。それもあって勉強の追い込みもしていました。柔整の先生方にも、国家試験前は試験一本に集中してやったらと言われていたんですが、同じ3月に国家試験の合格と試合に勝つということがあれば人間的にも認められるかなって思って。それが今回のモチベーションになっています。
ただ、その国家試験の結果発表が試合の3日前なんですよ(笑)。かなり危険な状態です。もし不合格だったら試合まで引きずりますよ。まあ、名前を書き忘れていたりとか、解答欄がズレていたりしていなければ大丈夫だと思いますけれど」
ーーそれはヤバいですね。合格していることをお祈りします。でも、いつでも試合が出来るようにスタンバイはしていたんですね。
「はい、いつ試合が決まってもいいようにスタンバイしていました。昨年の夏に軽い怪我をしてしまいましたが、今はもう治りました。だから、この1年間は普通に休んでいたわけではなく、海外への挑戦をやってみたいと思いずっと準備はしていたんです」
ーー今回は国内での試合ですが、対戦相手は韓国の選手です。
「今回の自分のテーマは、1年と期間が空いてしまったのでもう一度自分の原点……僕は基本って言葉をあまり信用していないんですよ。基本って何だよって。
例えば野球でも、日本の野球とメジャーリーグの基本は全然違います。そこで基本って何だろうなって考えた時に、技術的なものではなく、自分が格闘技を始めた時や最初に何かに挑戦するという原点が、自分の基本だと思っています。
自分が格闘技を始める前って、やっぱり格闘家って別の人種だと思っていたんですね。“自分もああいう風に強くなりたい”というのが自分の原点でした。それが“挑戦”なんですよ。不可能を可能にするためにやっているわけで。格闘家ってそういう方が多いと思うんですよね。自分のコンプレックスを覆そうと思っていたりとか、自分のダメなところを克服しようとしたりだとか。それって不可能を可能にしようと思ってやっていることですよね。
僕は34歳になってもまだ格闘技をやらせていただいていますが、この年まで昔からやっている人は多くはないと思います。そういった意味ではこれも挑戦だと思うので、対戦相手に動かされることなく自分の中でしっかりと挑戦する気持ちを出してやっていこうと思っています」
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