昨年末、元PRIDEの榊原信行代表が中心となって旗揚げされた『RIZIN』が、4月17日(日)愛知・日本ガイシホールで『RIZIN.1』を開催する。フジテレビでの格闘技地上波放映を復活させ、大きな話題を呼んだ年末大会に続き、RIZINは2016年どんな戦いを見せてくれるのか。今後の構想を榊原実行委員長に聞いた。
PROFILE 榊原信行 Nobuyuki Sakakibara |
■フジテレビと格闘技をブームアップしていこうという手は握れている
ーーまず年末の『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015』を振り返っていただきたいのですが、RIZINの開催が日本格闘技界にどのような影響を及ぼしたとお考えですか?
「客観的な判断は付きにくいですが、フジテレビの視聴率は7.3%という及第点をいただける数字を取りましたし、格闘技界にまたスポットライトが当たるためのきっかけにはなったのかな、と思います。
ただ世の中にはいろいろなことがありますから、一過性のもので終わらず、どう点を線に変えていくかは地道な活動が必要だと思っています。
ひとつのキックオフをするきっかけ、格闘技に関わる人たちにもう1回やろうと思ってもらえる動機付けは出来たのではないかと思っています。それに加えてお客さんの反応やテレビの数字などの結果に対しては、一様に評価はいただけているので、これをさらに確固たる地位と実力にしていくための地道なチャレンジがここから始まるのではないでしょうか」
ーー日本のみならず世界からも、MMAのみならず他の格闘技からも参戦したいとの申し出があったようですね。
「嬉しいことに多いですね。国内からもたくさんの選手たちから次はぜひ出たいとの声をいただいています。今回の加藤久輝選手もそうです。ベラトールとの契約下にあるけれどもぜひ出たいとの強い要望がありましたし、海外に行ってもいろいろな選手からチャレンジさせて欲しいとの声をかけられました。
嬉しい反応としては、年末のGRAND-PRIXで準優勝したイリー・プロハースカ(チェコ)は、フュージョンという新しいチェコのプロモーションで戦っているんですが、そこでRIZINルールを採用したいとのことで、先日行われたフュージョンの大会でRIZINルールの試合が組まれました。
今年秋から始まるGRAND-PRIXへ向けて、選手たちが日々RIZINのGRAND-PRIXで活躍するためのチャレンジをしてくれると、そういう広がりが出来ると面白いなと思っています」
ーー視聴率の件ですが、一部報道でフジテレビは及第点だったとのことですが実際はどうだったのですか?
「その通り、及第点です。実際、フジテレビ側も喜んでいました。前年は3.3%だったのがいきなり倍増しているわけです。それも、10年前にPRIDEではそれなりに視聴率が取れていましたが、なんの実績もないRIZINが7%以上の数字を取ることが出来たわけですから、それは喜びますよね。
そういう意味では今年1年、フジテレビ側がRIZINとともに格闘技をブームアップしていこうという手は握れています。これが4~5%だったら、そういうチャンスすらもらえなかったと思います。だから結果はまずまず、胸をなでおろしているというか。
ただ、ここからがスタートですから。昨年末7%だったものをこの1年、大みそかにシーズンピークを持ってくるために点を線にして磨いていって、国民の皆さんの期待感を得てどう10%に届く数字に上積みしていくかというところだと思います」
ーー4月17日に愛知・日本ガイシホールで開催される『RIZIN.1』からナンバーシリーズが始まるわけですが、年末のGPへ向けてロード・トゥ・大みそかがテーマになっていくのですか?
「それもありますが、あまり大みそかに捉われるのもよくないと思っています。年末にやってみて意外にも高い評価を得られたのは、ニューカマーである選手たちの試合なんです。
RENAを筆頭に山本アーセン、クロン・グレイシー、GRAND-PRIXの中で活躍した各国の選手たち。まだ海外にはこんなにアグレッシブで素晴らしい選手がいるんだという期待感も見せられたので、そういう選手たちが1回だけでなく2回、3回と繰り返し出て行くことで多くの人たちの認知度も高められるし、人気を積み上げていけるのではないかと思っています。
ロード・トゥ・大みそかの意味合いを込めつつも、意識が高くRIZINという舞台にふさわしい選手たちの試合をなるべく繰り返し組めたらいいなと思っています」
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