【月間ベストファイター・5月】ボクシング特訓の成果で鮮烈な1R KO勝利を収めたぱんちゃん璃奈
■MIREY戦を振り返って
今回でMIREYとの戦いは2度目。2019年10月の初対決では、両者鼻血を出す激戦の末にぱんちゃんが判定勝ちを収めている。
「同じ相手との対戦は、これで3人目なんです。デビュー戦で対戦した川島えりさ選手とはアマチュア時代にやっていますし、4戦目の祥子選手とも2回。間違いなく、自分の方が成長しているという自信があるので、同じ相手に負けることは絶対にないと思っています。今回MIREY選手と再戦が決まった時も、絶対に差をつけないといけないと思いました」
試合は、まさに有言実行の展開となった。
開始ゴング直後から突進してくるMIREYに対し、前蹴りで突き放しパンチにつないでいく。ファーストコンタクトで、ぱんちゃんは何を考え、とらえていたのか。
「以前よりも相手は前蹴りの対策ができているし、一気に距離を詰める戦略も練ってきているなと感じました。ただ、スピードは以前と変わっていなかったので心に余裕が生まれ、いきなり攻め込まずに様子を見ようと落ち着くことができました」
さらに圧力をかけるMIREYが右ローを出した瞬間、カウンターの右ストレートをクリーンヒットさせ、リベンジに燃えるMIREYをわずか150秒で仕留めることに成功した。
タイミングも距離も測ったようにドンピシャの一撃。ただ、話を聞いていくと、そのフィニッシュは感覚的なものというより、いくつかの要素が重なった結果であることが分かった。要素のひとつ目は、ピタリとハマった戦略だ。
「相手が右ローをめちゃくちゃ狙ってくるのは、前回の試合や最近の試合を見ていても分かっていたので、鈴木会長からの指示で『右ローに合わせて速いワン・ツーを出すこと』を意識していたんです」
しかも、そのワン・ツーは3段階の速さを用意していたという。
「ずっと同じリズムだと相手に読まれてしまうのですが、リズムを変えると当たりやすくなる。最後に出したのは、3段階のなかでも一番速いワンツーでした」
KOにつながった右ストレートの感触についても、新鮮な驚きと発見があったとぱんちゃんは振り返る。「正直、あれでKOできるとは思ってもいなかった。当たった時は何かかすったような感覚だったからです。だから、MIREY選手の起き上がれない姿を見て『こういう感覚で倒れるんだな』と驚きましたね。今までみたいに力まなくても良かったんだなと。実は、延期後に追い込みを再開してパンチを打っていたら水が溜まってしまい、最後の1週間まで強く打ち込めなかったので、下にこすることだけを意識して打っていました。それが、力まずに打つことにつながったのかな」
“ケガの功名”で言えばもうひとつ、「相手に当てるナックルの位置」を修正できたことも大きかったという。
「痛めた小指に触れないよう、ナックルの中心部にしっかり当てる練習を続けていたんです。今までなら手数勝負をしていたかもしれない。ポンコツの拳だったからこそ意識をきちんとナックルに向けられたのだと思います」
“右ストレートの秘密”はまだある。
「手術して間もない頃、知り合いとの会話のなかで『試合中に右拳をケガした』という話をしたら『相手のおでこにパンチを当てるからケガをするんだよ。顎を狙うんだよ』と。それで初めて“顎だったのか”と気づいたんです!」
鈴木会長によれば「普段からジムでは『顎を狙え』と指導しているが、ぱんちゃんの頭には一切入っていなかったのだろう」とのこと。とにかく、さまざまな要素が絡んでの一撃だったことは間違いない。
■次戦について
インパクトのある勝ち方で復帰戦をクリアしたぱんちゃんだが、“戦士の休息”はごくわずか。7月18日(日)東京・後楽園ホールで開催される『KNOCK OUT 2021 vol.3』で、現NJKFミネルヴァ日本ライトフライ級王者・sasori(テツジム/PRIMA GOLD)との王者対決が決定したのだ。
ぱんちゃんは以前から他団体王者、とくに強打で話題のsasoriとの試合をSNSで熱望しており、今回はその願いが実現した形だ。「至近距離の打ち合いでは相手のほうが強い。自分の攻撃だけをいかに長く当てられるかを考えている」というぱんちゃん。相手の試合動画を見ながら、今は戦略を練っている最中だ。
「sasori選手と戦った選手はみんな、自分の攻撃のあとにsasori選手の勢いに巻き込まれている。だから、攻撃を当てたらもう一度技を出すなど、打ち終わりに気を抜かなければ、難しい相手ではないと思っています。私は塩試合をするタイプですが、sasori選手のおかげで間違いなく面白くなる試合になると思うので、そこは安心しています(笑)。気持ちの面でも、もちろん負けません」
注目の王者対決だが、“女子最強”を目指すぱんちゃんにとっては「まだ道半ば」の思いも強い。
「私から見て強いと思うチャンピオンは何人かしかいません。全員クリアして、『日本では相手が見つからない』というところまで行ったら、海外で試合することも考えています。今回は私が日本でトップだということを知らしめる大きなチャンス。だからこそ、絶対に落とせません」
ケガや大会延期など、立ちはだかる壁を乗り越えるたびに驚きや発見、気づきを経験し、すべてを成長につなげてきた。10戦10勝と無敗記録を更新しながら、自分自身にひそむ未知の可能性を探るぱんちゃん璃奈の冒険の旅は続く。
■受賞のコメント
まさか自分が選ばれるとは思っていなかったのでめちゃくちゃ嬉しいです。ファイターとして、こういう賞をいただけて光栄です。
■サプリメントについて
普段はマッスルテックさんのサプリメントのHMBとプロテインを毎日飲んでいます。HMBは疲労回復や軽減の効果があるので、やばいと思った時でもさらに追い込めるようなパフォーマンスができます。
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