ブアカーオvs佐藤嘉洋は一番の武器を使う真の決着戦
あのゲーオに勝った唯一の外国人サルバドール初来日
元K-1世界王者ブアカーオ・バンチャメーク(旧名ポー.プラムック)を擁し、タイの国技ムエタイをより国際的な格闘スポーツにするために2013年に旗揚げされた『MAX MUAYTHAI』。第1回、第2回大会はタイで行われ、第3回大会は中国で開催。そして今回の日本・仙台大会が第4回大会となる。
『MAX MUAYTHAI』はパンチ、キックに加えてヒジ打ち、ヒザ蹴り、首相撲が認められるムエタイルールを採用し、通常の3分5Rではなく3分3Rで試合が行われる。延長戦はなし。
メインカードは、ブアカーオと佐藤嘉洋(名古屋JKF)の4度目の激突。両者は過去にK-1で対戦しており、ブアカーオが2勝(KO勝ちと判定勝ち)、佐藤が1勝(KO勝ち)。佐藤に喫したKO負けが、ブアカーオにとって唯一のKO負けとなっている。
しかし、今回の対戦はムエタイルールで行われるため、今までの試合とは全く違う内容になることが予想される。ブアカーオは元々ヒジを得意としており、佐藤は首相撲からのヒザ蹴りを得意としているからだ。つまり、お互いにK-1ルールでは封じられていた一番の武器が使える“真の決着戦”ということになる。
ブアカーオも首相撲は上手いが、首相撲勝負になれば身長で上回る佐藤が有利になることが予想される。上から押さえ込むように組み、ヒザ蹴りを入れて試合を有利に運ぶことが出来るかもしれない。気をつけるのは首相撲の組み手争いの際、ブアカーオがヒジを狙ってくるであろうことだ。しかし、佐藤はルンピニースタジアム認定スーパーウェルター級王者ガオランの眉間をヒジで切り裂いたこともあり、ヒジの勝負でも引けを取らないだろう。
ミドルキックで距離を取ってブアカーオがポイント勝ち狙いで来る可能性もあるが、今回の試合の見どころはズバリ、両者が首相撲で組んでからの攻防。またはどちらかが組む間際の攻防となる。クリンチではない、首相撲の技術の勝負に注目だ。
もう一つの見所は、『MAX MUAYTHAI』で毎大会行われているウェルター級(67kg以下)の4人トーナメント。これは4大会にわたって総勢16名によって争われ、各トーナメントの優勝者4名によって年末に決勝トーナメントが争われる『MAX MUAYTHAI』のメイン企画。
このトーナメントに、今回日本からはWBCムエタイ日本ウェルター級&NJKF同級王者の大和侑也(大和ジム)が出場。18勝のうち11がKO勝ちという高い攻撃力を持ち、兄貴分の大和哲也同様にパンチのコンビネーションを得意としている。欧米最強のムエタイ戦士として知られ、『MAX MUAYTHAI』と並ぶムエタイのビッグイベント『THAI FIGHT』の67kg世界トーナメントでも優勝しているファビオ・ピンカを破ったこともある実力者だ。
しかし、ほかの出場者も今回強敵がそろった。ファビオ・ピンカと同じジムに所属するディラン・サルバドール(フランス)は、マニアの間で来日が待たれていた大注目の選手。19歳の若さでサイヨーク(タイ=2008年から2012年にかけて欧州で無敵を誇った)をKOし、今年3月には、日本で旋風を巻き起こしているゲーオ・フェアテックス(タイ)と67kg以下契約、ヒジパットありのルールで対戦して勝利を収めている。ゲーオに勝った唯一の外国人なのだ。
GLORYでファビオ・ピンカから勝利を収めているアレスサンドロ・カムパグナ(イタリア)も22歳になったばかりと若く、188cmの長身を誇る。スリナムで行われたムエタイの8人トーナメントで優勝しており、戦績は32勝(14KO)6敗。今年4月にはアンディ・リスティと対戦して判定負けを喫しているが、この試合は70kg級で行われた。
そしてタイからは、ムエタイ最高峰の殿堂ルンピニースタジアムや、7チャンネルスタジアムで活躍中のジンリートーン・シートラーンフェリーが参戦する。ライト級以上の階級では他国の選手に負けてしまうことが増えてきているムエタイだが、今大会はタイにも衛星生中継されるためジンリートーンも気合いが入っていることだろう。
いずれも劣らぬ強豪ばかりとなった今回のトーナメント。大和が優勝を勝ち取れば、世界に名を轟かせることになるだろう。
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