2015年8月度MVP 那須川天心
【動画】那須川天心の強さの秘密とは!? 練習に密着 |
毎月イーファイトが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2015年8月のMVPは、8月1日(土)東京・大田区総合体育館で開催された『BLADE.2 JAPAN CUP -55kg』で、トーナメントを全試合KOで制して優勝した那須川に決定!(2015年9月9日UP)
PROFILE
那須川天心(なすかわ・てんしん) |
選考理由
1、「BLADEトーナメントを全試合KOで制覇」
2、「各団体の王者が参戦した中、圧倒的な強さを見せた」
3、「まだ17歳と無限の可能性を秘めている」
選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の各格闘技雑誌の編集長とイーファイトの全スタッフ
受賞された那須川選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムMVP記念インタビュー
圧倒的な優勝でも「まだまだこれから」
■優勝すると決めていたのでプレッシャーはなかった
圧巻だった。5人の王者を含む国内6団体から8名の選手が参戦した『BLADE FC CUP 2015 -55kgトーナメント』にて、那須川は全試合KO勝ちで優勝という離れ業を演じた。
打撃格闘技では、ヘビー級から階級が下になればなるほどKOが生まれにくいと言われている。特に65kgより下の軽量級は、重量級や中量級のような一発で相手を倒すパワーに欠けるため、スピードやコンビネーションなどのテクニック、あるいは手数で勝負する選手が多い。
ボクシングの世界タイトルマッチのように、3分12Rなどの長い試合時間があればコツコツとダメージを与えていき、最終的にKOすることも可能だが、キックボクシングは最長でも3分5R。短いラウンド数で相手が倒れるほどのダメージを与えきるには短い時間である。
ましてや、今回のような1日で1回戦から決勝戦までの3試合を戦うようなワンデートーナメントは3分3Rで行われることが多いため、よりKO決着が生まれにくい条件がそろっている。その中で、3試合全てKO、しかも各団体が自信を持って送り出した王者や王者クラスを相手にやってのけたのは驚異としか言いようがない。
多くの有識者や関係者が那須川の優勝を予想していたが、誰もが「ここまで圧倒的だとは思わなかった」と唸った。
昨年春、高校進学と同時にプロデビューし、わずか6戦目でRISEバンタム級王者に。まだ16歳ながらその圧倒的な強さから、今回のトーナメントでも絶対的な優勝候補と大会前から言われてきた。
「そう言われることにプレッシャーは全くありませんでした。優勝すると決めていたので“勝たなければいけない”という緊張も全くありませんでしたね。勝つ自信がありました」
那須川が特に重要だと考えていたのは1回戦。トーナメントの定石では、1回戦で重要なのはまず怪我をしないこと、早い時間で決着をつけて体力を温存することなどだが、那須川が考えていたのは「1回戦をKOで勝てれば、あとは勢いで進める」。つまり、優勝へ向けての弾みをつけるための試合だった。
1回戦の相手であるDEEP☆KICK 55kg級王者・鈴木真彦(山口道場)は、少年時代から空手を学び、アマチュアキックボクシングでも試合経験を重ねてきた“西の那須川”と呼ばれた選手。
「強い選手だとは聞いていましたが、自分の中に“大丈夫”との自信がありました。勢いをつけるためにKOは狙っていましたし、KOするのは早ければ早いほどいいと思っていました」
■「自分が最強? それはないですね」
鈴木を1Rわずか1分46秒、左フックでKOした那須川が準決勝で迎えた相手は小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺)。タイトル獲得歴はないが、10戦目でムエタイの世界王者を破るなどして7連勝していたホープである。
この準決勝で那須川は小笠原との打ち合いを挑み、強引とも思えるパンチを繰り出していった。見た目には競り合っている、または那須川が倒せず焦っているようにも見えたが……。
「パンチを当てているのは自分だし、このままいけば勝てると思っていました。僕的には競り合っている印象はなかったですね。でも、2Rに蹴りをブロックされて足を痛めてしまったので、これ以上悪化させたくないと考えてカウンターを狙う作戦に切り替えたんです。それで相手がパンチを打ってくるように誘いをかけたら、(罠に)ハマりました」
小笠原の右ストレートをかわした那須川は、目にも止まらぬ速さの左フック。この一発で小笠原はマットに沈んだ。
そして決勝戦は、同じ十代でシュートボクシングのチャンピオンである内藤大樹(ストライキングジムAres)との争いに。この試合は接戦が予想されたが、那須川は1Rに電光石火の左ハイキックでダウンを奪うと、左フックで2度目のダウンを追加。最後は矢のような左ストレートで内藤を吹き飛ばし、優勝を決めた。
「内藤選手は今までやってきた相手の中で一番強かったです。でも、最初のダウンを奪ったハイキックは狙った技ではなく、様子を見ようと思って蹴ったものです。試合中に、これをやったら当たるんじゃないかってひらめきがあって、やってみると実際に当たることが最近は多いんです」
高校2年生にして、国内の頂点に立った那須川。次の標的には、新生K-1で55kg王者となった武尊(たける)の名前をあげているが、「強ければ相手は誰でもいい」と那須川は言う。
「自分が最強? それはないですね。強い人は世界にまだまだいっぱいいます。フィジカルトレーニングをやるようになってから、かなり変わったと思います。でも、まだ始めてから1年くらいしか経っていないんですよ。これから先、今のトレーニングを続けていってどれくらい自分が強くなるのか楽しみです。まだまだこれからですね」
王者になったことでモチベーションが下がることなく、おごることなく、これからどこまで自分が強くなれるのか、その可能性を見てみたいという那須川。8月18日に17歳の誕生日を迎えたばかりの天才少年は、格闘技界の歴史を次々と塗り替えていく可能性に満ちている。
次回の試合は11月8日(日)東京・後楽園ホールで開催される『RISE 108』に出場を予定している。
関連リンク
・ゴールドジム Web site
・試合レポート「16歳・那須川天心が全試合KOで完全優勝、K-1王者に宣戦布告」
・【動画】那須川天心の強さの秘密とは!? 練習に密着
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