【訃報】前田日明と戦ったドン・中矢・ニールセンが死去
かつて前田日明と新日本プロレスで異種格闘技戦を戦い、日本の総合格闘技ブームのルーツとなった、日系三世の元キックボクサー、ドン・中矢・ニールセン(米国)が8月15日、バンコクにて亡くなった。58歳だった。
死因について、弟のジョン・ニールセンに取材をしたところ「脚が感染症にかかって、それが非常に悪化したんです。血液に毒素が入って腎不全になってしまいました。それで脚の手術を受けたのですが、手術中に心臓発作が起こって昏睡状態となり、再び心臓発作を起こして亡くなりました」とのこと。
ニールセンは1986年10月9日に両国国技館で前田と対戦し、激闘の末、5R逆片エビ固めで一本負けしたが、この一戦で前田は“新・格闘王”と呼ばれることになり、その後、立ち上げた新生UWFが一大ブームを巻き起こした。前田戦後は、藤原喜明や山田恵一と対戦してKO勝ち。佐竹雅昭とも激闘を繰り広げ、佐竹もこのニールセン戦をきっかけにスターとなった。
1993年に、ニールセンは選手を引退。引退後はタイのバンコクでカイロプラクティック院を開いて活動。多くの人を癒してきた。
昨年も親戚を訪ねて日本を訪れていたニールセン。
「いつか前田にも会いたいね」と話していただけに、今回の逝去は残念でならない。
弟のジョン氏は「兄は日本で前田と闘ったことで素晴らしい体験ができた。日本のファンをとても愛していた。このことを日本のファンのみなさんに伝えてください」とメッセージを送った。(文・稲垣収、写真・ゴング格闘技)
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