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【訃報】道場破りも撃退、極真空手の猛者・岸信行氏逝去

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2018/04/24(火)UP

大山倍達氏の直弟子としてアメリカで空手を広め帰国後は自らの空手道場で武道家としての人生を貫いた

 2018423日(月)早朝、岸空手を主宰する岸信行氏が逝去。69歳だった。

 1971年から『少年マガジン』誌上で連載が始まった『空手バカ一代』で極真空手は空前の大ブーム。岸氏はその作品にも登場した黄金期を支えた猛者の一人として知られる。後に映画『地上最強のカラテ』(1976年作品)にも登場。極真の初期の大会に出場したこともあるが、勝ち上がったものの怪我での棄権もあり入賞を逃した。しかし道場での強さは大山倍達館長にも認められており、極真への道場破りは岸氏が担当し撃退、無敗を誇ったという。

 極真会館の総本部内弟子を経て指導員を務めた後に1974年に渡米。20年近くのアメリカでの空手修行と指導を経て帰国後、極真会館から独立。生まれ故郷である山形県新庄市で岸空手道場を開設した。

15年の佐藤勝昭氏の全日本大会で偶然撮影された1枚。右から佐藤勝昭氏、そして今年他界した岸氏と佐藤俊和氏。岸氏が役員として動き回っている

 武道としての空手を追求し、毎日早朝に道場の雑巾掛けから始めるなど、自然のリズムと歩調を合わせた稽古と生活をして、いち武道家として進化を目指してきた。長い髭を蓄え、修行に向き合う姿勢や風貌から空手仙人とも言われた。

 1975年開催の極真・第1回世界大会王者である佐藤勝昭氏(72)は岸氏と極真時代からの深い付き合いを続けてきた一人。
 佐藤氏が主宰する団体が「ポイント&K.O.全日本空手道選手権大会」を毎年春に開催しており、岸氏は役員として参列、2007年の同大会では、至難である裏拳による湯呑み割りを演武で披露したが、今年3月の同大会には療養中のため参列を見合わせていた。

16年の佐藤勝昭氏の大会にて。佐藤氏の突きを真剣な眼差しで見つめる岸氏(左端)。

 今回の訃報にあたり佐藤勝昭氏は「昨年から体調を崩して、病名は大腸癌ということでした。延命治療はせず末期癌と戦い、410日に山形に会いに行ったのが最後になってしまいました。この日は3時間ほど面会して、20日ぐらい食事が出来ない状態でしたが、幕末から明治にかけて日本を創った三舟である山岡鉄舟、勝海舟、高橋泥舟のようにありたいと正座して語りました。今日が最後のお別れになるけど勝昭先生はまだやるべきことがあるから次は天国で会おうと。岸先生の奥様のパトリシアさんは、岸先生の空手と教えを守っていくと気丈にしておりました。最後まで武人・岸信行とその奥様でした」と故人を偲んだ。

 今年に入り、極真空手の創始者・故・大山倍達氏の高弟たちが次々と他界しており、関係者を悲しませている。1976年に開催の極真空手第8回全日本王者である佐藤俊和氏も今年の23日に70歳で他界、418日には極真内弟子出身で緑健児ら3人の世界王者を育てた廣重毅氏も70歳で他界しており、岸氏の69歳での訃報と続いた。

 奇しくも岸氏が他界した翌日の本日424日は岸氏の極真空手の先輩にあたる芦原英幸氏の命日(1995年=50歳没)、426日は師である大山倍達館長の命日(1994年=70歳没)にあたる。極真レジェンドがまた一人姿を消した。創始者、高弟たちを偲び冥福を祈りたい。

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