【極真】大山倍達が建てた極真会館も築56年、取り壊し検討に流派を超え空手稽古
1964年(昭和39年)に極真空手の創始者・大山倍達(94年他界)が建てた地上5階、地下1階を有する極真会館(豊島区西池袋3-3-9)が解体されることが検討されている。『空手バカ一代』をはじめ、多くの劇画やテレビなどに登場し、数々の伝説的ヒーローを誕生させたが、すでに築56年、老朽化もある。
現在、この建物は大山氏の遺族が綺麗に管理しているが、普段は利用されていない。しかし記念稽古など、希望する団体には貸し出しており、解体が検討され始めた頃から、極真会館から1978年に独立した士道館(館長:添野義二)などが不定期に利用している。
6月21日(日)には極真系の団体である極真拳武會(初代会長:廣重毅※18年他界/現会長:金子雅弘)が記念稽古をした。金子会長はじめ、大山倍達の内弟子経験があり、アメリカでは大山茂氏の内弟子となった藤原賢治、気を練り達人と言われた堺貞夫らが先頭に立って稽古を開始した。道場の隅には廣重毅氏の遺影を持った夫人が稽古を見守った。
しかし、稽古とは言っても簡単な準備体操と正拳突き、前蹴りの基本稽古のみで、20分弱で終えた。
同団体の副会長を務める古賀裕和氏に聞くと「出席者は黒帯のみに絞りました。37名の参加で思ったよりも多く、本当は稽古したかったんですが、新型コロナの影響もあり、人との間隔が狭い中で稽古は厳しい。雑誌の方も来られていたので撮影用に簡単な基本稽古のみにしました。気合も控えて短時間で済ませました」という。
この撮影用の稽古以外はマスクを着用。大山倍達の内弟子だった藤原氏は極真会館への想いを語った。
「やはり寂しい、極真の総本部(当ビル)に思い入れがあり、内弟子になるとき電話で事務員にいろいろ聞いてたら、後ろで大山総裁(倍達)が聞いていたみたいで”くるなら来い!”とすごい迫力で怒っていた」という。遠い電話越しに大山総裁の迫力が伝わってきたとのことだ。そして「俺はこれから、ここに行くのかとドキドキしながら上京しました」と語った。
現在は解体が検討されるが、存続の願いも強く、建物や土地を買いたいと願い出るものもいると聞く。果たしてこの伝説の建物の行方はいかに。
●編集部オススメ
・大山倍達の孫は慶應卒の才女、自身の誕生日より祖父の命日「墓前に多くのお花で本当に感謝」
・極真の大会が始まって今日で50年、第1回王者・山崎照朝氏が語る極真ルール誕生秘話
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
TwitterでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!
Follow @efight_twitインスタグラムでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!