【極真会館】松井館長が大会のオープン化を加速、JFKO王者・魚本選手の出場はあるか!問題の”試合判定”とは!?
極真会館が8月23日(土)、24日(日)の2日間にわたり、真正会と共同開催する『2025年オープントーナメント全日本体重別空手道選手権大会』の記者会見が15日、都内で行われた。
オープントーナメントとしての今後の対応、さらに現在話題となっている他団体JFKO(全日本フルコンタクト空手道連盟=新極真を中心に約360の流派団体が加盟)の全日本軽量級2連覇、魚本尚久真選手(うおもと・しょうのしん/魚本流)の今後の出場の可能性に関して言及した。
【魚本選手の参戦意向はWFKO世界大会の試合判定から】
日本軽量級トップの実力を持つ魚本選手。JFKOの実績のほかに18年のKWF極真の国大大会では現在ONEで活躍している秋元皓貴に上段回し蹴りで一本勝ちし優勝している。
その魚本選手が今年5月31日、6月1日に開催されたJFKOの国際団体WFKO(世界フルコンタクト空手道連盟)主催の第1回世界選手権に出場。順当に勝ち上がるも、準々決勝戦でジョージア選手に対し反則が重なり、まさかの判定負けとなった。
反則の内容は一般にはなかなか理解しにくいものだ。手を開いて相手の道着に触れた程度のもので反則の「掌底」注意が2度。さらに相手の回し蹴りを捌いた瞬間に追加で注意。これは相手の足を捌いた手が1秒ほど相手の足を持っていたためだ。道着や手足の掴みは注意対象だ。しかしこの捌きは通常の範囲内であろう。
この程度で注意となるのは、かなり厳しいと言える。2013年設立のJFKOはフルコンタクト空手をオリンピック競技にすることを目標に設立されたが、複数の団体が参加しルールを決めた結果、JFKOの統一ルールは中心団体である新極真会よりも厳格なものとなった。さらに2019年に設立されたWFKOは活動履歴が浅く、当初は20年5月に初の世界大会が開催される予定だったが、コロナ禍で中止に。今年ようやく初の世界大会が実現した。
そして魚本選手の準々決勝では、主審を含む5人の審判のうち4人が外国人であった。この統一ルールを外国人審判が完全に理解していなかったという声もある。記者が現場で見たところ、審判の判定基準、特に注意に対する基準にばらつきがあるように感じた。通常、「注意1」を与える前にマイナスポイントとならない口頭注意がある競技は多いが、この大会の場合はそれがなかった。そのため注意の差がダイレクトに選手に響く。
また魚本選手が放った足払いで綺麗に倒しての下段突き。これは技ありとなるほどの美しいものだったが、審判団は取らず無効にした。結果、注意が重なった魚本は判定負けを喫してしまった。このルールでは注意2が重なると技ありに近い扱いとなるので、技ありを取らない限りほぼ負けとなる。
試合後、取材関係者によると、魚本選手はなぜ注意を取られたのか理解できていなかったという。またWFKOの緑健児会長は魚本選手の足掛け下段突きが技ありとならなかったことを試合当日に指摘。結果は規定通り覆らなかった。
試合から3週間後の6月24日、魚本は自身のインスタグラムに極真会館の松井館長との2ショットをアップし、「楽しいひと時をありがとうございました。まだまだこれからも頑張ります」とコメントを添えた。魚本は極真会館に出場するのか。確かに極真会館では上記のように注意を取られることはなく、魚本の足払いからの下段突きは確実に技ありとなるので活躍も期待できる。
WFKOの緑会長は大会1か月後の7月4日、魚本流本部を訪れ、足掛け下段突きが技ありとならなかったことは適切ではなかったと正式に認め、「男子軽量級 最優秀選手賞」を授与した。魚本の動向はどうなるか。
会見で松井館長は魚本流側から接触があったとし、真正会の内田本部長とともに魚本流本部を訪問したという。松井館長は会談の内容については先方に了承を取っていないので詳細は話せないとしたが、「魚本流自体は古くからうちとは交流がありましたし、しばらくの間は少し疎遠になっていましたが、たまたまご連絡をいただいたので状況説明として今度の体重別はどうなっているのか、といった感じです。単純に今回の大会についてのご説明で伺いました」と説明した。魚本側からは極真会館の体重別への出場に興味を示した打診だったようだ。
【オープントーナメント、他団体選手の受け入れも視野、問題点も】
この8月の全日本体重別は、魚本との会談時にはすでに出場申し込みを締め切っており、出場するなら来年の全日本体重別となる。極真会館は今後さらに他団体選手の受け入れを進めたいとしているが、課題もある。
松井館長は「基本的にはオープンですから。お互いに尊重できる状況の中で出てこられる選手については門戸を広げたい。基本的に、全日本選手権や今回の体重別選手権もそうですし、うちが開催している極真祭や国際親善大会、これってかなりの人数が集まるわけですよね、国際親善大会だと2000人。そうすると物理的に1日で消化するのはなかなか難しいんですよ。特に選手もそうですが、審判の人たちの集中力もね。そこで一生懸命やっている選手たちに、納得のいかない判定を下すわけにもいかない」と出場人数の多い大会には物理的に限界があるとし、「難しいとなれば、やはり会場を分けるとか、日程を分けるとか、人員を分けて対応せざるを得ない」と語った。
【魚本選手や他団体選手が出る場合は?】
そこで全日本大会や全日本体重別は大会の3か月前などに真正会の全日本大会および体重別大会を開催することを検討しており、そこの上位数名が極真の大会へ出場可能となる。全日本は誰でも出場できるわけではなく、全国の予選対象大会で勝ち上がった者や推薦選手が出場するが、極真会館の国際空手道連盟入りが発表された真正会の大会も極真の全日本の予選大会と認定され、この真正会が他団体選手の予選の役割を担う。もちろん、極真の選手も全日本の出場権を狙い真正会の大会に出場していくという。
松井館長に魚本選手が出場した場合、真正会の大会からになるのかと聞くと「今回の大会もそうですが、体重別の大会だけで行うわけではなく、(同日に)いくつかの大会を同時開催する関係で、特に国際親善大会とか極真祭のような老若男女が集まる大会と同時開催する場合は、試合の中身も含めてクオリティを高めるために、一種の人数制限、上限が必要になる」とし、現在の方向としては真正会の大会を経てという形になるようだ。
しかし、見ず知らずの団体でも無差別に出場できるわけではなく、しっかりと協調できる関係(内政不干渉)を確認した上での出場許可となり、「そういう形で、もし来年、魚本選手が出ていただけるのであれば」と出場を歓迎した。
真正会は正道会館の本部長だった中本直樹氏が設立した団体で、松井館長の極真会館とは友好関係を築き、22年より共同開催で全日本体重別を行ってきた。しかし23年7月に病気のため中本氏が急逝。以降、共同開催を見合わせていたが、中本氏の3回忌が済み、今年8月より復活することとなった。この共同開催の『2025年オープントーナメント全日本体重別空手道選手権大会』は極真会館の『第40回全日本ウェイト制空手道選手権』を兼ねる。今後、真正会が他団体の裾野を広げる役割を担うが、その動向にも注目が集まる。
【動画】問題の”不可解判定”魚本の準々決勝
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