【ムエタイ】兄・友亮の大事故から2週間…大田原虎仁、ラジャで勝利
「スック・ワンギントーン」
2月17日(日)タイ・ラジャダムナンスタジアム
▼第4試合 112P契約※フライ級(50.8kg)の階級に当たる
○トラ・エクシディコンジム(大田原虎仁)
判定3-0 ※三者とも49-47
●ペットカロン・ルークソイ2(タイ)
タイを主戦場に活躍する“ムエタイブラザーズ”大田原兄弟の弟・虎仁(こうじ)が出場した。
2月2日、兄の友亮(ゆうすけ)が乗っていたピックアップトラックが横転するという事故が発生。事故時の衝撃で、頭部、腕、足などからの出血(計174針縫う大怪我)があり、一時は集中治療室で意識不明の状態が続いたが、そんな兄を虎仁は看病し今回の試合に挑んだ。
「いつもと変わりません。大丈夫です」と笑顔で答え会場入り。そして虎仁の後ろには、なんと2週間前に事故で生死をさまよった友亮の姿もあった。その友亮も「もう、大丈夫です」と笑顔で答えた。
試合は112P契約。昨年は45kg契約などでの試合も多かった虎仁だが、今年に入り大分体格も大きくなった。112Pといえば、フライ級(50.8kg)の階級に当たり、もう大人の体格になってきたことを意味する。虎仁は先週15歳を迎えた。
対戦相手のペットカロン・ルークソイ2(タイ)も16歳にして身長170㎝もある長身だ。もう既に70戦の戦績があるというから驚きだ。
1R、虎仁はローキックを当てに出た。ここにペットカロンはパンチを合わせてくる。開始後まもなく虎仁もガードが低く、このカウンターのパンチが顔面に入ってくるため冷や汗ものであったが、虎仁も直ぐにパンチを返し初回から近い距離での闘いになる。
2Rに入り、ペットカロンは無理に距離を詰めてきた。やはり身長で大きく虎仁を上回ってるからであろうか、組んで崩す作戦に出たようだ。虎仁も負けじとヒザを返す。ここまではイーブンといったところか。
3R、虎仁は組まれる前の距離でローキックを多数当てる。これが効いてきたかペットカロンの前進が若干弱まった。ペットカロンは組めずにいるのか、ここでミドルキックを連発する。
4R、試合前半からの首相撲が続く中、ペットカロンも疲れてきたのか虎仁の前進に合わせて、前蹴りや、長いパンチで下がって打つ間合いを作ろうと必死だ。その間もペットカロンのミドルキックは鋭く早く虎仁を襲う。だが、ここでも虎仁のパンチは止まず、ペットカロンの顔面への強打が続く。ラウンド中盤、虎仁がペットカロンをコーナーに詰め、顔面に右ストレートがクリーンヒットし、ペットカロンの顔が飛ぶ。
この一瞬の出来事であったが、それまで若干ペットカロンに分があった賭け率も、ここで完全に虎仁に傾いた。一瞬にして、虎仁優勢に差が開いてしまった瞬間だった。虎仁優勢を許してしまったペットカロンは、最終Rもなんとか逆転しようと必死に打撃を繰り出すが虎仁は捌いてパンチを当てながら終了ゴングを聞いた。
判定は三者49-47で虎仁。兄の大事故の逆境を跳ね返して判定勝ちをものにした。
レポート:写真=シンラパムエタイ・早田寛
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