【新日本キック】石井宏樹が王座陥落!江幡睦も奪取ならず
新日本キックボクシング協会
「MAGNUM 31」
2013年3月10日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第12試合) ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級タイトルマッチ 3分5R
○エークピカート・モー.クルンテープトンブリー(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級3位・挑戦者)
TKO 4R2分25秒 ※セコンドからのタオル投入
●石井宏樹(藤本ジム/ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王者)
※エークピカートが新王座に就く。石井は3度目の防衛に失敗。
石井が3度目の防衛戦に臨む。石井がムエタイの最高峰である2大殿堂王座のひとつ、ラジャダムナンスタジアム王座を奪取した4人目の日本人となったのが2011年10月2日。その後、2012年3月11日には外国人(タイ人以外)では初の防衛に成功する快挙を達成し、同年9月15日には2度目の防衛に成功している。今回の防衛に成功すれば、念願であるタイでの防衛戦が計画されているという。
挑戦者のエークピカートは78戦63勝(12KO)14敗1分の戦績を持つ21歳の選手。昨年11月と12月にはKO・TKO勝ちを収めている、身体が頑丈でパワーがあるファイタータイプ。
1R、石井は左へ回り込みながらジャブを放って右ローキックを蹴りつつ、エークピカートに左ミドルキックを蹴られるとすぐに左ミドルを蹴り返す。石井がジャブを当てて回り込み、距離を取った戦いをするのに対し、エークピカートは右フックを振りながら前へ出る。ラウンドの最後にエークピカートはオーソドックス(左手と左足が前の構え)からサウスポースタイル(右手と右足が前)に切り換えた。
2Rも石井は回り込みながらのジャブとワンツー、エークピカートが近付いてくると左ミドル。エークピカートは強そうな左右フックを振り回して入り込み、石井はそれをかわしてパンチとヒジ。
石井のペースで試合は進んでいるように見えたが、ラウンド終了間際に石井が左の縦ヒジを放った直後、エークピカートが右ヒジ!
石井は倒れるが、レフェリーはスリップと判断。石井が立ち上がって試合続行となるが、すぐに左ヒジをもらってダウン!
石井は足元がおぼつかず、深いダメージは明らかだったが何とか立ち上がってラウンド終了のゴングを聞いた。
3R、石井はジャブ、ワンツー、左ミドルと距離の長い攻撃で離れて戦い、エークピカートが入り込んで来るのを防ぐ。
しかし、エークピカートはパンチが届かないと見るや左インローを連発し、これで石井がバランスを崩して膝を着いてしまうシーンが目立つようになる。左右フックからのアッパーを放つ石井だが、首相撲で崩される場面もあり、エークピカートのペースに。
4R、左右フックとヒジ、そしてローで前に出るエークピカート。石井もパンチのコンビネーションで応戦し、ヒジも放つ。しかし、エークピカートはプレッシャーを強めて前進、石井をコーナーへ追い込んで左ヒジの強打!
場内からは悲鳴が沸き起こる。口から血を流しながらもパンチで立ち向かう石井だったが、エークピカートの左ヒジ強打が炸裂! 石井は意識を失って倒れ、大の字に。
レフェリーがカウントを数える中、石井のセコンドからタオルが投入され、エークピカートのTKO勝ちが決まった。石井は大の字になったまま、しばらく起き上がることが出来なかった。
タイトルを奪取したエークピカートは「相手は強かった。これはタイのベルトでしょう? 取り返すことが出来て凄く嬉しい」と初のベルト獲得を喜び、「いつでもリターンマッチは受けるよ。(もうひとつの殿堂ルンピニースタジアムの外国人王者ダミアン・アラモスについては)機会があれば試合してもいい」と堂々たるコメント。
一方、敗れた石井は「やりづらさはなかったんですが、圧力があって一発一発のパワーがあった。自分に火がつくのが遅かった……」と試合を振り返り、「今後のことは落ち着いたら考えます。今は何も言えません」と語った。
▼メインイベント(第11試合) ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級タイトルマッチ 3分5R
○マーナサック・ピンシンチャイ(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者)
判定3-0 ※49-48、49-48、49-47
●江幡 睦(えばた・むつき/伊原道場/日本フライ級王者/挑戦者)
※マーナサックが防衛に成功。
日本フライ級王者で17勝(11KO)1敗1分の戦績を誇る江幡が、ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王座に初挑戦。ムエタイの軽量級は層が厚く、強豪選手がひしめいていることから“神の階級”と呼ばれている。日本人はもちろん、タイ人以外の外国人が王座に就いたことはムエタイ500年の歴史上一度もない。軽量級日本最強の男・江幡が史上初の快挙を達成するのか!?
王者マーナサックは94勝(11KO)29敗6分と129戦のキャリアを持つ30歳のベテラン選手。タイでフィームーと呼ばれるテクニックで勝負するタイプだ。
1R、江幡がローキック、ヒジ、ボディブロー、左右フックといきなりエンジン全開で攻め立てる。江幡の猛進に下がり続けるマーナサックはカウンターの前蹴りで2度江幡を転倒させ、江幡は不敵にニヤリと笑う。マーナサックは左フックを狙い、江幡はかなりの攻撃を繰り出すがパンチは空振りが目立つ。
2R、マーナサックのパンチで2度仰け反った江幡だが、右の縦ヒジでマーナサックの頭部をカットして流血に追い込む! ドッと沸く場内。江幡はさらにヒジを叩きつけ、ローとパンチで攻めるが、マーナサックは左ミドルを的確に当てていく。
2分過ぎにはマーナサックが首相撲からのヒザ蹴りも繰り出す。ミドルキックと首相撲での優勢を高いポイントにする傾向がある、タイのジャッジ(タイトルマッチのためレフェリーと3人のジャッジはラジャダムナンスタジアムの公式審判団が務めた)にこれがどう響くか?
3R、マーナサックの左ミドルに強い左ローを返す江幡。しかし、マーナサックはさらに左ミドルを蹴り返してくる。首相撲では江幡が抑え込まれる形となり手が出ない。
強いローと縦ヒジの連打で江幡が優勢に見えるが、マーナサックの左ミドルをもらいすぎている。ラウンドが終了すると、マーナサックはガッツポーズ。
4R、江幡のパンチに対し、巧みに左ミドルと前蹴りをカウンターで合わせるマーナサック。江幡を近付けさせない場面も。江幡も左ミドルにフックを合わせる場面があったが、圧倒的にミドルを蹴られてしまう。マーナサックは江幡の左ミドルはスネでブロックして左ミドルを蹴り返す。
江幡はパンチとヒジ、そしてローで倒しに行く。マーナサックは下がって待ちのスタイルでカウンターのミドルキック。首相撲でも江幡を抑え込む。
5R、逆転KOを狙う江幡はヒジの連打をマーナサックの頭部に叩きつける! マーナサックの頭部からの流血がさらに酷くなり、顔は血で真っ赤に染まる。
江幡は“切ったぞ”とアピールするが、タイ人レフェリーは続行(日本人レフェリーならほぼ確実にドクターチェックを入れるくらいの流血だったが、タイでは目の近くなど明らかに危険な箇所でなければ止めることはない)。
パンチとヒジで倒しに行く江幡にマーナサックはミドルを蹴り続ける。首相撲で江幡を崩す場面もあり、試合終了。判定は3-0でマーナサックが防衛に成功した。江幡の快挙達成はならなかった。
江幡は「特別に強さは感じませんでしたが、自分が甘かったです。日本とタイの違いはいろいろありましたが、倒せなかった僕が悪い。倒せなかったのが敗因です」と試合を振り返り、「また挑戦したいので、次は誰が相手でもいいから勝って復活します」と、早くも気持ちは再挑戦へ向かっていた。
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