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【ムエタイ】ハプニング勃発も東北キッズ王者が揃ってKO勝ち

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2013/04/01(月)UP

▲タイ・プーケットで勝利したドラゴンボクシングスタジアム認定30kg級王者・佐藤太陽(左)と35kg級王者・佐高仁(右)

 4月1日(月・現地時間)タイ・プーケットにあるパトンスタジアムで開催される『MONDAY SUPER FIGHT』に、ドラゴンボクシングスタジアム(以下DBS)認定30kg級王者・佐藤太陽(DRAGON GYM/11歳)と35kg級王者・佐高仁(DRAGON GYM湯沢/12歳)の2選手が出場し、DBSより試合レポートが届いた。

 大会当日20時、佐藤、佐高らDBSキッズ王者たちがスタジアム入り。21時からの試合に向けてバンテージを巻いてタイオイルを塗っていると、数人の子供を含むタイ人たちが控室を取り囲む。日本のキッズが珍しいのではなく、体格の違いで騒いでいる様子。当初の対戦相手エッガチャート(タイ)はひと回り大きい佐藤を見て戦意喪失状態。野次馬を無視していると次から次へと子供を連れて来ては、佐藤と並べて勝手にマッチメークする始末。まるでムエワット(野外でのお祭りの試合で大会当日に対戦相手が決まる)のようだった。

 対戦相手が二転三転し、試合そのものが成立しなくなるかもしれない異常事態の中、周りの喧騒を無視してシャドーを繰り返していた2人の日本のキッズ達は驚くほど冷静だった。この時点で試合開始時間の21時を少し過ぎていた。

 最終的にはプロモーターが登場し、佐藤の対戦相手はエッガチャートよりもひと回り大きいチャカトーン・スンギラークークー(タイ)に変更。佐高の対戦相手も長身のヨックカウ(タイ)から同体格で11戦のキャリアを持つルンチョン・エーガサンジム(タイ)に変更となった。

 そして第1試合だった佐藤が対戦相手の準備の為に第2試合に変更になり、第2試合だった佐高が第1試合に繰り上がった。試合直前での対戦相手の変更は日本では考えられないことだが、タイではよくあること。結局第1試合が始まったのは30分遅れの21時半からだった。

 パトンスタジアムの満員の外国人観光客は30分待たされてもお構いなし、ビール片手に大盛り上がり状態。そんな中、ムエタイデビュー戦の佐高がリングイン。対戦相手のルンチョンは線が細いが手足の長いタイ人特有の体型。佐高のぎこちないワイクルーが終わり試合開始。両方共に1Rから手数が多く、ルンチョンのパンチと左ミドルと佐高の右ローが交差する展開。スピード、パワー共に佐高が上回っている印象だがルンチョンも鋭い打撃を返す。

 2Rに入ると、佐高の左ミドルと首相撲からのヒザが目立つようになり、ルンチョンは佐高の打ち終わりにミドルキックを返す。佐高の首相撲からのヒザが連打で入りルンチョンがたまらずダウン。立ち上がったルンチョンに再び首相撲からのヒザで佐高がダウンを奪い、そこでレフェリーが試合を止めた。内容的には佐高の圧勝だった。タイ人相手にパンチ&ローではなくヒザ蹴りで勝利した佐高は関係者から「スピードもあり打撃センスがいい」と高評価を受けていた。

 第2試合の佐藤はムエタイ2戦目で落ち着いた表情でワイクルーをこなす。対戦相手のチャカトーンは12戦して12勝無敗のプーケット期待の星。身長こそ佐藤よりも低いものの足も腕も太く、頑丈そうなムエマッド(パンチの選手)体型の選手だった。

 1Rから佐藤の前蹴りと左ミドルが冴えるが、チャカトーンのパンチ&ローキックも当たり打撃戦に。後ろ回し蹴りや顔面前蹴りなどの大技を見せる佐藤に満員の外国人観光客も大喜び。2Rでパンチからの左ミドルで佐藤が優位に試合を運ぶが、チャカトーンはお構いなしに前に出て来る。そこに佐藤は前方回転しての浴びせ蹴りと飛びヒザ蹴りを連続で繰り出す。小さな子供の大人顔負けの熱いファイトにパトンスタジアムが沸きあがる。

 3R、前蹴りと左ミドルでチャカトーンを突き放していた佐藤が初めて組みに行く。佐藤のヒザが多く入るが、チャカトーンの力が強く体勢を崩すことは出来ない。ならばとパンチに戦法を切り替えて、カウンターの左ストレートを当てる佐藤。この左ストレート1発でチャカトーンがぐらつき涙目に。ここで3R終了。インターバルでDRAGON GYM佐藤亮会長はパンチからのテンカオを出すように指示をする。4R前に出る佐藤はミドルキックからのパンチ連打でチャカトーンからダウンを奪う。立ち上がったチャカトーンを佐藤はパンチ連打で無敗のチャカトーンをKO。佐藤は前回の判定負けの雪辱をKOで果たした。

 この日のパトンスタジアムはDBSキッズたちのKO勝ちの流れで激しい試合が続出し、8試合中7試合がKO決着という大荒れの興行となった。前回の遠征での全敗から3ヵ月、苦しい練習を経ての今回の遠征は全勝で、しかもKO勝ちという結果に喜びと驚きを味わった。東北のキッズたちでは初の本場ムエタイのリングでの勝利という快挙を成し遂げた。試合前のタイ側の揺さぶりにも動じずに、暑いタイのリング上でKO勝利した東北のキッズ王者たちのこれからに期待したい。

 そして試合後、佐藤は2,000バーツ(約7,000円)、佐高は3,000バーツ(約10,000円)という破格のファイトマネーが手渡された。しかもプロモーターからチャカトーンとの再戦を申し込まれた佐藤。プーケット地区では敵ナシのチャカトーンが日本人に負けた事が納得いかないらしく、何と20,000バーツ(約70,000万円)の賞金マッチでの再戦でどうか、という話だった。DBS側は即決でOKし、夏休み中の8月5日(月・現地時間)PK-1興行で佐藤とチャカトーンの再戦が賞金マッチで決定した。この興行には佐高も出場する予定。

PK-1
「MONDAY SUPER FIGHT」
2013年4月1日(月)タイ・プーケットパトンスタジアム

▼第2試合 29kg契約
〇佐藤太陽(DRAGON GYM)
TKO 4R1分32秒
●チャカトーン・スンギラークークー(タイ)

▼第1試合 36kg契約
〇佐高 仁(DRAGON GYM湯沢)
TKO 2R1分15秒
●ルンチョン・エーガサンジム(タイ)

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