【Krush】山陰対決は鳥取・武尊がフルラウンドの打ち合い制す
グッドルーザー
「Krush.28」
2013年5月12日 (日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第9試合) Krush -58kg級初代王座決定戦 3分3R延長1R
○武尊(たける/チームドラゴン)
判定3-0 ※三者とも29-27
●寺戸伸近(Booch Beat/ISKA世界バンタム級王者)
※武尊が初代王座に就く。
Krushの-58kg級初代王座決定戦は、トーナメントを勝ち上がったベテランの寺戸と新鋭・武尊で争われた。
寺戸が島根県出身、武尊が鳥取県出身ということで“山陰対決”と話題を呼び、それぞれの県のご当地キャラが応援に駆けつけたり、山陰地方の地元新聞に大きく取り上げられたりと出身県を巻き込んでの盛り上がりとなった。
1R、回り込みながら左インローを蹴り続ける武尊に対し、寺戸は右ストレートを狙う。寺戸もローを蹴ってのパンチ。
そのままの展開でラウンド終了かと思われたが、武尊が残り1分で突如としてパンチでラッシュを仕掛ける。打ち合いに強い寺戸も待っていましたとばかりにフルスイングで打ち合うが、武尊が飛び込むような右フックでダウンを奪う! 寺戸が立ち上がってすぐにラウンド終了。
2R、寺戸は逆転を狙って最初から右フックを放って前に出る。武尊が左ハイキックを繰り出せば、寺戸は飛びヒザ蹴り! これがヒットして寺戸が一気にラッシュを仕掛けるが、コーナーに追い詰められた武尊も負けじと打ち合う。
両者激しく打ち合う中、武尊は楽しそうに笑いながらパンチを打ち、パンチをもらう。寺戸のパンチとヒザ蹴りで武尊は大量の鼻血を出すが、それでも正面からパンチで打ち合い、ヒザ蹴りも返す。
両者のフルスイングの打ち合いに、場内は大興奮。大歓声に包まれる中、最終ラウンドのゴングが鳴った。
寺戸はボディと顔面へパンチを打ち込み、さらに飛びヒザ蹴り。逆転KOを狙うが、武尊もパンチで打ち合い、ヒザ蹴りをカウンターで突き刺し、後ろ蹴りを放つ。
ラスト1分でまたも両者が足を止めての打ち合いとなり、武尊がクリーンヒットを奪って寺戸をコーナーへ追い詰める。左右フックで追い込む武尊に寺戸も必死の反撃。壮絶な試合となった。
フルラウンドの打ち合いを制したのは、1Rにダウンを奪った武尊だった。勝ち名乗りを受けた武尊は男泣き。マイクを持つと「生まれてから今まで、僕に関わってくれた全ての人に感謝します」と感謝の言葉を述べた。
試合後には、「5回くらい途中で意識が飛んで、ダウンしたのかと思ったことが何回かありました」と試合内容をほとんど覚えていないと告白。
「Krushは僕にとって夢の舞台だったので、そのベルトを獲れて嬉しい。21年間生きてきて、最高の幸せです」と語った。
そして、「僕はKrushでデビューしてKrush以外の試合を知りません。初代王座決定戦でグダグダな判定で勝ってもダメ。Krushではクラッシュする試合をしないとチャンピオンとして認められないと思いました。僕にはKrushの戦い方が身についているから、Krushの戦いをして世界王座を獲りたい。これからもクラッシャーでありたい」と、最後まで打ち合った理由を明かした。
▼セミファイナル(第8試合) スーパーファイト -61kg契約 3分3R延長1R
○卜部弘嵩(チームドラゴン/Krush -60kg級王者)
KO 3R2分24秒 ※パンチ連打
●アントニオ・カンパーニャ(イタリア/WAKOイタリア・ライト級王者)
Krushの-60kg級王者・卜部が今回迎え撃つのは、ISKA(キックボクシングの世界タイトルを認定する団体)とK-1 WORLD MAX世界王者ジョルジオ・ペトロシアンのマネージャーが推薦した、WAKOイタリア・スーパーライト級王者カンパーニャ。戦績は21勝10敗2分で、身長は卜部の169cmを11cmも上回る180cmの長身選手だ。
1R、卜部が圧力をかけながら前へ出ると、カンパーニャはローからパンチ。ロングリーチからのパンチを繰り出すのに対し、卜部はローを蹴ってボディブローにつなげる。
卜部がパンチを出しながら懐に入っていくと、カンパーニャは強気に連打で打ち合う。そしてクリンチで卜部の動きを封じる。
2R、卜部のロー、右ミドルに対して必ず蹴り返してくるカンパーニャ。卜部が追ってカンパーニャが下がる展開だが、卜部がコーナーに追い込むとカンパーニャは連打を出してすぐにバックステップでコーナーから脱出。卜部は追い詰めることが出来ない。
3R、パンチで追い込んでいく卜部にカンパーニャは再三クリンチを仕掛け、レフェリーから何度も注意を受ける。右ローを執拗に蹴り返してくるカンパーニャに対し、卜部は後ろ廻し蹴り、左ミドル、そしてパンチ。
卜部の右ハイキックが決まり、続いて後ろ廻し蹴り、さらに飛びヒザ蹴り。カンパーニャは後退してロープを背負う。そこへ卜部がパンチのラッシュ!
打ち返すカンパーニャだが、卜部の右フックを何度ももらってフラフラとなり、レフェリーはスタンディングダウンを宣告した。カウントが数えられるが、カンパーニャはコーナーに背もたれしたままでファイティングポーズをとらず、卜部のKO勝ちとなった。
▼第7試合 スーパーファイト -64kg契約 3分3R延長1R
○木村ミノル(Fighting Kairos/マイウェイジム)
KO 3R1分50秒 ※左フック
●梶原龍児(チームドラゴン/初代Krush -63kg級王者)
初代Krush -63kg級王者・梶原とK-1甲子園出身の木村の一戦は、「発表して一番反響が大きかった」(宮田充Krush代表)という。
4月1日に行われた記者会見では、木村が「胸を借りるつもりはないし、本当に壊しに行く。これはFighting Kairosとチームドラゴンの戦争。チームドラゴンを潰します!」など挑発的な発言を連発し、最後は梶原と額を押し付けてのフェイス・トゥ・フェイスでにらみ合うなど、不穏な空気が流れた。
1R、間に出る木村に梶原はバックステップで回り込んで距離を取る。リングを何周かすると梶原はリング中央に陣取り、ローの蹴り合い。木村がボディを打てば、梶原もボディを返す。梶原がコンパクトなパンチを当てると、木村は大きなフックを振り回す。
2R、梶原がパンチを出していくが、木村は回転の速いパンチを連打で出す。梶原が一発で終わるところ、木村は2発、3発と放ち、その連打が当たり出す。
そして、梶原のパンチに木村が右フックを返してダウンを奪う。梶原は右目上から流血し、ドクターチェックが入る。
仕留めに来た木村に梶原も打ち合いを挑み、ショートパンチをヒットさせて場内が沸く。木村は逆転を狙う梶原の気迫に気押されたか、クリンチを多用。
3R、パンチで逆転を狙って攻める梶原だが、一発の梶原に対して木村は左ボディからの左フック、左フックの2連発と一発で終わらず2打目で当てにいく。そして、梶原が入ってくるところに木村が身体を引きながら左フックを合わせ、梶原が後方へ吹っ飛ぶようにダウン。ダメージは大きく、レフェリーは木村のKO勝ちを宣告した。
Krushの代表選手である梶原を破った19歳の木村は、「僕はKrushのチャンピオンになってグローリーの世界チャンピオンになる。強い相手と当てて欲しいです。全員ぶっ倒していきます!」と高らかに吼えた。
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