2014/12/31（水）UP
（最終更新：2015/01/01 08:47）

▲ロセル（左）をロープに詰めた田口（右）

ワタナベジム
「BOXING THE BEST OF BEST 大晦日トリプルタイトルマッチ」
2014年12月31日（水）東京・大田区総合体育館

▼WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ　3分12R
○田口良一（ワタナベジム/挑戦者同級8位）
判定3－0　※116-111、116-110、117-109
●アルベルト・ロセル（ペルー/WBA世界ライトフライ級王者）
※田口が王座奪取に成功。ロセルは王座防衛に失敗。

　ワタナベジム所属の3選手が揃って大晦日のリングでタイトルマッチを行う、その初陣を飾って登場したのは世界初挑戦で“つよかわいい”がトレードマークの田口良一。王者アルベルト・ロセル（ペルー）はペルー初の世界チャンピオンだが、田口が身長で13センチ、リーチで13.8センチも上回っており、前日には当初36歳とされていた年齢が実は“3歳サバ読み”の39歳だったことが発覚。来年1月25日の誕生日を迎えると40歳にもなる王者に対して、挑戦者・田口は「引導を渡さなければいけない。自信は120パーセント」と必勝を誓っていた。

　両者オーソドックスの構えから左ジャブで牽制するなど、お互い手の内を探り合う静かなスタート。田口はリーチの差を生かして左ジャブを連打してロセルの出鼻を挫く。試合中盤の5R、田口は足を止めてワンツーから左ボディの連打で攻勢。さらに右ボディから右アッパーを繰り出す。ロセルのパンチは大振りで懐の深い田口には当たらず空振りが目立つ展開。ラウンド終盤には王者をロープに詰めて連打を仕掛けるなど優勢に。

　迎えた8R、ロセルをロープに詰めた田口が強烈な左ボディを叩きこむと、王者はたまらずダウン。何とか立ち上がったロセルだが表情から疲労は明らか。田口は大きなポイントを奪い、その後の展開を有利に進める。9Rにも再びボディでダウンを奪って試合を決定づけた。

　結局、終始前に出てプレッシャーをかけ続けた田口がロセルの反撃を封じて3－0の判定で新チャンピオンとなった。王座奪取に成功した田口は「（自分がチャンピオンになって）信じられない。ベルトはすごく重いです。ボディがもっと当たると思っていましたが、最後はKOで決めたかった」と喜びを語った。これで世界一“つよかわいい”ボクサーになった田口だが、「次の相手から暫定王者など本当に強い相手との対戦になるので負けないように頑張りたい」と長期政権を誓った。