2014/12/31（水）UP
（最終更新：2015/01/01 16:09）

▲内山（右）がWBA世界スーパーフェザー級9度目の防衛に成功

ワタナベジム
「BOXING THE BEST OF BEST 大晦日トリプルタイトルマッチ」
2014年12月31日（水）東京・大田区総合体育館

▼WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ　3分12R
○内山高志（ワタナベジム/WBA世界スーパーフェザー級王者）
TKO　9R終了
●イスラエル・ペレス（アルゼンチン/挑戦者同級8位）
※内山が9度目の防衛に成功。

　4年連続で大晦日のメインイベントを務める年末ボクシング興行の主役、“KOダイナマイト”こと内山高志の9度目の防衛戦。昨年の大晦日は、挑戦者の金子大樹（横浜光ジム）に10回にダウンを奪われたものの、見事なリカバリーを見せて大差判定勝ちで8度目の防衛に成功して以来、1年ぶりのリング登場だ。対する挑戦者のイスラエル・ペレス（アルゼンチン）はシドニー五輪出場の経験もあるボクサーで内山と同学年の35歳。記者会見の席上では「5R以内にKOする」と王者を挑発していた。

　1R開始早々から内山のリズムに乗った左ジャブが連打で決まる。さらに右ボディを放つと、“ドスン”という鈍い音が響いて会場が一気に盛り上がった。ダイナマイトと形容される内山のパンチは、ペレスの連打を一発で弾き飛ばす威力と説得力がある。3R終盤には左ボディを連打してペレスはロープまで後退。効いているのは明らかだ。
　4Rになるとペレスはそれまで以上にガードを固め、内山はその間を縫って左ジャブを当てにいくが、なかなかガードを崩せない。
　6R、内山は左ジャブから右ストレートをかぶせ、左ボディ、右アッパーと波状攻撃。ペレスもその連打を耐えて左右のボディブローで応戦する。何とか相手のディフェンスを崩したい内山は右をフェイントにして左ボディを2連打。ペレスもボディブローを返すがこれがローブローになり減点が取られた。

　一気に試合が動いたのは8R終了間際。粘るペレスをコーナーに詰めて、左右の連打で追い込んで“あと一発でKO”という見せ場を作ると会場は大興奮に包まれた。このラウンドでペレスは右目の上をカット。これは内山の的確なヒッティングによるものだ。そして9R、このラウンドも終了間際にコーナーに詰めて右ストレートから左右のフックでKO寸前に追い込む。辛うじてゴングに救われたペレスだが、続く10R開始を待たずに試合を棄権。レフェリーが両手を高く交差して内山のTKO勝ちがコールされた。

　9度目の防衛に成功した内山は「相手のディフェンスが巧くて中盤までは厳しかったが、終盤にKOできるだろうとセコンドと話していたら次のラウンドで相手が棄権しました。1年ぶりの試合で、もっとスカッとした試合をお見せしたかったのにすみません」と試合内容を振り返ったが、終わってみれば内山の横綱相撲。1年間のブランクについても「1年間はヒマでしたが、練習は休まずやっていたので今日もいつも通りのボクシングができた」と自信のコメント。次の試合については「（WBC同級王者の）三浦隆司選手は前回対戦した時よりも強くなっていると思う。（自分のパンチを）もっと磨いて頑張りたい」と王座統一戦に意欲を見せた。