【ムエタイ】石井一成、ラジャでの賭け試合で勝利
「スックワンギントン」
2015年9月17日(木・現地時間)タイ・ラジャダムナンスタジアム
▼第2試合
○イッセイ・ウォーワンチヤイ(=石井一成/エクシンディコンジムJAPAN)
判定
●パンポン・ソーワリサッター
8月3日、パンポンとの試合に僅差で敗れた石井が再戦に臨んだ。前回、石井は試合中盤にパンチのラッシュでパンポンをKO寸前まで追いつめるも、後半に粘ったパンポンのヒザ蹴りの猛攻に涙をのんだ。あまりにも好試合の接戦だったため、試合直後にプロモーターから賭け試合としての再戦を提案された。ムエタイでは勝敗判定が接戦だった場合、次の試合では賭け試合としての再戦が組まれ、興行を盛り上げる。今回の石井一成の賭け試合は14万バーツ(約45万円)というなかなかの値段で、ギャンブラー達にとっても話題の一戦であった。
リングインし、日本人の石井が試合前のワイクルーの締めにパンポンを弓で打ち最後は刀で切りつける動作に会場がドッと湧く。1R、ローキックを得意としていた石井だが、この試合ではミドルキックの攻防から始まった。
2R、距離感をつかんだ石井はミドルの合間にローキックも放ち攻撃を上下に散らす。ここまでで、石井のミドルキックも多数決まっていたものの、2R終了時点で賭けレートは2-1でパンポンがリード。
3Rに入り、組みにくるパンポン。パンポンは前試合で組んでからのヒザ蹴り連打で判定勝ちを収めている。今回も同じ流れを作り判定勝ちにもっていく作戦だろう。石井は組むまでの距離が近づいた瞬間に右のパンチをヒットさせる。大きなパンチが当たり、パンポンが顔を背けたところで、石井は回転の速い連打をコンパクトにヒットさせる。石井のパンチが2、3発連打で当たると、ここでギャンブラーの声援も飛び、場内が沸く。3Rの石井の優勢で、それまでパンポン側にあった賭け率も石井有利4-1と、一気に石井逆転の状態につけた。
4R、パンポンとの首相撲合戦が続く中、石井はパンポンのしつこい組み技の中で何度か倒されてしまうものの、その間にミドルやパンチを小まめに当て石井有利の賭け率を守りぬいた。
5R、石井は自信の有利を保つために、前蹴りやジャブでパンポンの前進を遠ざけて判定勝ち。賭け金14万バーツを勝ち取った。今回は4Rでのパンポンの首相撲での挽回が危なかったが、石井のこれまでの試合実績や、前回の惜しかった試合内容などから、石井が試合終盤まで安定した優勢を守り抜くだろうという期待も含まれており、そうしたギャンブラー陣営からの信用、すなわち‟賭け率”を得て判定勝ちができたといえるだろう。
外国人選手がタイ国内で判定勝ちするのが難しいといわれている理由に、賭け率を味方につける事などの理由があるが、試合全体を通して多くのパンチを当てパンポンの動きを止めた事はもちろんだが、特に最終R、むやみやたらな攻撃を展開せず、出るところは出て引くところは引くという頭を使った試合運びが出来る日本人選手は数少ないといえるであろう。
そういう意味でも、今回の石井の判定勝利は貴重な一勝といえるだろう。賭け試合に勝利した石井は「前回負けた相手とすぐリベンジマッチができてものすごく気合が入ってました。賭け試合でプレッシャーはあったけど自分の戦いができました。10月29日のラジャダムナン出場も決まったので次も絶対勝ちます。応援ありがとうございました!」とコメントした。
Photo & Text 早田寛 Hiroshi Soda
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