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【シュートボクシング】宍戸大樹、引退試合で壮絶に散る

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2016/04/03(日)UP

ムエタイのヒジ凶弾を何度ももらい、最後はマットに沈んだ宍戸(左)。壮絶に散った

シュートボクシング協会
「SHOOT BOXING 2016 act.2」
2016年4月3日(日)東京・後楽園ホール

▼第7試合 メインイベント エキスパートクラスルール ウェルター級
○ジャオウェハー・シーリーラックジム(タイ/シーリーラックジム/MAX MUAYTHAIスーパーライト級王者)
TKO 3R 1分14秒 ※レフェリーストップ
●宍戸大樹(シーザージム/SB東洋太平洋ウェルター級王者)

 18年間に渡って、激戦に次ぐ激戦を繰り広げてきた宍戸大樹の引退試合。ジャオウェハーとは昨年9月に対戦し、3分5Rを戦っても決着が付かず、延長戦で宍戸が勝利した。再戦は宍戸の希望により、ヒジ打ちありのルールで行われた。

 ゴング前から鳴り響く宍戸コール。1Rが始まると同時に左へ大きく回り込む宍戸。ロー、ジャブ、ミドルを放ち、バックハンドブローを繰り出す。ジャオウェハーは薄笑いを浮かべながら距離を詰め、接近するとヒジを叩きつける。宍戸もヒジを繰り出すと、終盤はヒジの打ち合いに。

 2R、後ろ蹴りを連発する宍戸は縦ヒジでカットに成功。ジャオウェハーが流血してドクターチェック。しかし再開後、ジャオウェハーのヒジが宍戸の額を切り裂き、宍戸が大流血。ドクターチェックが2度入り、宍戸は蹴りを中心に反撃を試みるがジャオウェハーの左右のヒジで追い込まれた。

 3R、宍戸は起死回生のフロントチョークに捕らえるが、ジャオウェハーは宍戸を投げるようにして脱出に成功。宍戸は飛び蹴り、後ろ蹴りで反撃を試みるが、ジャオウェハーのロー、右ストレート、振り抜く右ヒジをもらいさらに流血がひどくなる。

 そして右ヒジをまともに喰った血だるまの宍戸はついにフラつきながら力尽きるようにダウン。ここでレフェリーストップとなった。

 試合後、医務室で左目の上を8針、頭頂部を6針、額を7針と合計21針縫う長い治療を終えた宍戸は、「ヒジありで何試合かやりましたが自分が切られたのは初めてです。引退しても立ち技を極めるためにヒジを勉強したいのでいい経験になりました」と語り、「思い切り行ってやられたのでスッキリしました」と完全燃焼に笑顔を見せた。


10カウントゴングを聞き、18年間の選手生活に別れを告げた宍戸

●宍戸大樹引退セレモニー

 多くの関係者や交流のあった選手、ジムで教えている子供の生徒たち、そして3人の愛娘から花束を受け取るなどのセレモニーが行われ、最後は恩師シーザー武志会長からこれまでの労がねぎらわれた。

 シーザー会長は、「男の引き際というんですか。こういう風に男らしく散るものだな、と改めて思いました。去る時の美しさ。負けたかもしれませんが、最後まで戦い抜いた勇気。私は(入門から)19年間彼を見てきて、教えてよかったなと思います。

 宍戸の今後の人生はシュートボクサーをどんどん育ててもらいたいと思います。彼の傷は生涯残るが、それを見るたびに“あの時、頑張ったんだ”と人生の励みになると思います」と宍戸にメッセージ。

 そして最後にマイクを持った宍戸は、「終わってみて皆さんに対して感謝の言葉しかありません。20歳から東京に出てきてシーザー会長という親父に面倒をみてもらってここまで育ててもらいました。自分はSBを続けてきて本当によかったと思います。

 悲しみ、悔しさ、寂しさ、それ以上に大きな喜びもすべてSBで経験させてもらっています。SBで人生の半分を過ごしてきました。これから恩返しをして、あとに続く後輩たちに自分の経験を伝えていきたいと思います。SBを見に来てよかったと思ってもらえる大会、選手を作っていきたいと思います。自分に20年近く付き合っていただきましてありがとうございました」と挨拶。

 宍戸は10カウントゴングを聞き、大きな拍手に送られてリングを降りた。生涯戦績は58勝(24KO)24敗。

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