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【レスリング】文田が世界初優勝、日本男子34年ぶりの金メダル

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2017/08/23(水)UP

「2017年レスリング世界選手権」
2017年8月21-26日 フランス・パリ

文田(左)が終始自分のペースで試合を動かし、2-1の判定で初優勝に輝き、日本男子勢に34年ぶりの金メダルをもたらした。

 21日にフランス・パリで開幕したレスリング世界選手権。60カ国から一堂に会し、初日と2日目はグレコローマンが行われた。

 大会2日目となる22日には優勝候補の呼び声が高かった59kg級の文田健一郎(日体大)が5試合を危なげなく勝ち上がり、下馬評通りに金メダルを獲得。世界選手権ではフリースタイルとグレコローマンあわせて1983年以来34年ぶりとなる金メダルを日本男子チームにもたらした。

優勝を決めた文田

 文田は得意のそり投げといった大技を封じられるなど、研究されたためにこれまでのようなポイントを重ねる試合はできなかったが、プレッシャーをかけ続け、相手のパッシーブを誘うなどして勝ち上がった。ヤマ場と思われた準々決勝戦、2015年の欧州王者で今年のロシア王者のステバン・マリャニャン(ロシア)との一戦は、文田を恐れたマリャニャンが、グレコローマンで禁じられている脚への攻撃をするなど反則が続き、コーションが2つ付く展開で4-2の判定で勝利。

金メダルを手に取る文田

 決勝は、5月のアジア選手権決勝で2-1の判定で下したミランべク・アイナグロフ(カザフスタン)との再戦。今回もなかなか胸を合わせてくれず、大技は不発だったが終始自分のペースで試合を動かし、2-1の判定で勝利した。
 試合後、文田は「3年後の東京五輪で金メダルをとりたい。リオ五輪銀メダリストの太田忍(ALSOK)先輩と切磋琢磨していきたい」と今後の抱負を語った。

 大会初日の21日は71kg級の泉武志(一宮グループ)がメダルを期待されていたが、準々決勝で昨年世界2位のダニエル・カタラガ(モルドバ)に1-11のテクニカルフォールで敗退。11位に終わった。

 75kg級の屋比久翔平(ALSOK)は初戦で元世界王者のハッサン・アリエフ(アゼルバイジャン)を破り、続く3回戦では敗れたものの、元世界王者で五輪メダリストのキム・ヒョンウ(韓国)と途中まで互角の戦いを見せるなど善戦。成長を見せた。

屋比久(右)1回戦で元世界王者を破る大金星をあげ田が3回戦敗退

 80kg級・前田祐也(鳥取中央育英高校職員)、98kg級・奈良勇太(日体大)、130kg級・園田新(ALSOK)は一回戦敗退。66kg級の高橋昭五(警視庁警察学校)と85kg級の松本篤史(警視庁警察学校)は初戦を突破したものの、いずれも敗者復活戦にまわれなかった。

 松本慎吾監督は「59kg級は金メダルを取るという明確な目標があった。今回は通過点です。東京五輪までには他の階級でも金を取れるように強化していくのが私の使命です」と語った。順位別に得点を加算するチームスコアでは15位だった。

 明日23日から24日まで女子レスリングが行われ、金メダルの量産が期待される。24日にはオリンピック金メダリストの川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)と土性沙羅(東新住建)が出場し、世界選手権では初となる金メダルを目指す。25日からはフリースタイルで、こちらも金メダルが期待されている。
(写真・レポート=保高幸子)

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