【UFC】ヌルマゴメドフが完封勝利でライト級新王者に輝く
▼セミファイナル 女子ストロー級タイトルマッチ 5分5R
○ローズ・ナマユナス(25=アメリカ/UFC女子ストロー級王者)
判定3-0 ※三者とも49-46
●ヨアナ・イェンドジェイチェク(30=ポーランド/元UFC女子ストロー級王者/現UFC同級1位、挑戦者)
※ナマユナスが初防衛に成功。
ヨアナは2015年3月からUFC女子ストロー級で無敗の絶対王者に君臨していたが、昨年11月の『UFC 217』で迎えた6度目の防衛戦で、ナマユナスにキャリア初のKO負けを喫し、王座から陥落した。今大会は立場を入れ替え、新王者ナマユナスの初防衛戦というかたちでのダイレクトリターンマッチとなった。
1R、ヨアナはキレのある左ジャブを細かく突き、右ストレートや右ローにつなげる攻め。対するナマユナスは出入りのフェイントから右オーバーハンドや左ボディストレートを伸ばす。徐々に近い距離でのコンタクトが増えると、ナマユナスが打ち合いの中で右フック、離れ際に左ストレートをヒットさせる。
2R、ナマユナスのプレッシャーを前に後退し始めたヨアナは、パンチからローを返すも距離が遠くヒットしない。ナマユナスが間合いを詰めて左右フック連打を振るうようになると、ヨアナはガードを強いられる展開が続く。
3R、開始早々にヨアナは打ち合いを仕掛けるが、ナマユナスの右フックを被弾して後退。その後はナマユナスの一発の威力に対し、ヨアナが手数で対抗するという展開に。すると終盤、やや勢いが落ちたナマユナスの顔面をヨアナの左右フックが捉える。
4R、押し返し始めたヨアナはワンツーや左ジャブからの左インローと右ローを積極的に放つ。手数こそ少ないナマユナスも、時おり右フックをカウンターで返し、ヨアナを脅かす。
5R、ワンツーで前に出たヨアナを左右フック連打で迎え撃つナマユナス。ヒットを許したヨアナはいったん距離を取るが、ナマユナスの鋭い踏み込みに反応できず、たびたび右フックと右アッパーの強襲を受けてしまう。ヨアナは右目が大きく腫れ上がり、鼻からも出血。ナマユナスは終了間際にタックルから足を掛けてテイクダウンを成功させ、試合を決めた。
試合が終わると、すぐに抱き合って健闘を称え合う両者。ヨアナは母国の国旗を掲げようとケージによじ上るが、すぐに両手で顔を覆って涙する。一方、あまり感情を表に出さないナマユナスは、セコンド陣から声をかけられると息を切らせながら微笑みを浮べた。
ナマユナスがジャッジ全員から支持を受けての判定勝ちを収め、ヨアナを返り討ちにするとともに初防衛を果たした。マイクを向けられたナマユナスは、「あまりテクニカルなところが見せられなくてごめんなさい。彼女(ヨアナ)は間違いなく世界トップのキックボクサーだけれど、私はパット・バリー(K-1でも活躍した元UFCファイターで、ナマユナスの交際相手でもある)と練習しているから大丈夫。ヨアナは前回、減量がきつくて、それが試合にも影響していたと思うけれど、今回は私の方が上だとしっかりと示すことができたわ」と、勝利の喜びを語った。
▼フェザー級 5分3R
○ザビット・マゴメドシャリポフ(27=ロシア/元ACBフェザー級王者)
判定3-0 ※29-28、30-27、30-27
●カイル・ボフニャク(31=アメリカ)
マゴメドシャリポフはロシアのビッグプロモーション『ACB』でフェザー級王者として活躍。昨年9月からUFCに参戦し、2戦連続で一本勝ちを収めている。MMA通算戦績は14勝1敗で、その実力はUFCフェザー級でもトップクラスとの呼び声が高い。
対するボフニャクは2016年1月からUFCに参戦し、現在までに2勝2敗の戦績を残している。今年1月のブランドン・デイヴィス戦で判定勝ちを収め、今大会で強豪を相手に連勝を狙う。
1R、早々からガンガン間合いを詰めてパンチを飛ばすボフニャクに対し、マゴメドシャリポフはバックステップとスウェーでかわしながら前蹴りやロー。さらにバックスピンキック、手をマットに着きながらのハイ、飛び上がっての二段蹴り、ハイからの飛びヒザ蹴りと、マゴメドシャリポフの大技が目立つ展開となるが、ボフニャクも下がらずにパンチを果敢に返していく。
2R、ボフニャクの突進を捌いて背中を取ったマゴメドシャリポフは、そのまま持ち上げての投げでテイクダウンに成功。しばらくトップをキープすると、マゴメドシャリポフは無理をせずに立ち上がる。以降の打撃戦はマゴメドシャリポフが左ミドルや顔面ヒザ蹴りをヒットさせるなど優位に展開した。
3R、闘志を衰えさせることなく果敢にパンチを振るうボフニャク。しかし、試合巧者のマゴメドシャリポフは、人差し指を立てて自身の優勢をアピールし、この挑発に反応したボフニャクがパンチで前に出たところでタックルを合わせて、テイクダウンを奪う。
マゴメドシャリポフがしばらくトップをキープするが、ボフニャクも攻めを許さず、再び両者はスタンドに。すると、ここからボフニャクが息を吹き返し、攻め疲れたマゴメドシャリポフを左右フックで反撃。マゴメドシャリポフもケージを背負いながら打ち返し、両者は試合終了までノーガードで激しいパンチの応酬を繰り広げた。
試合が終了すると、観客はスタンディングオベーション。ボフニャクとマゴメドシャリポフも抱き合って健闘を称え合った。ボフニャクの闘魂を制したマゴメドシャリポフが判定勝ちを収め、無傷の3連勝をマーク。両者のファイトは混乱の大会に輝きをもたらした。
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