【ボクシング】亀田興毅がポンサクレックKOして現役続行宣言、ロマゴンとやりたい
協栄ボクシングジム
「TFC 東京ファイトクラブ vol.2 ~ラスト亀田興毅~」
2018年5月5日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント スペシャルマッチ バンタム級(53.5kg以下)
〇亀田興毅(協栄ジム/元世界三階級王者)
TKO 2R 12秒 ※レフェリーストップ(参考記録)
●ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ/元WBC世界フライ級王者)
世界三階級制覇・亀田興毅が一夜限りの現役復帰を果たし、スパーリング形式のラストマッチ(非公式戦)を行った。相手のポンサクレックとは2010年3月27日に拳を交えている。WBC世界フライ級正規王者だった亀田とWBC世界フライ級暫定王者のポンサックレックが王座統一戦で対戦し、ポンサックレックが判定勝ち。これが亀田の初黒星となり王座から陥落した。
亀田興毅は父・史郎氏を先頭に、亀田一家による亀田トレインで入場。俳優の市原隼人から花束が贈呈され、リングサイドには多くの芸能人の姿も見られる。
1R、サウスポーの両者はお互いに右ボディを攻め合う。亀田の左フックがクリーンヒットし、ポンサクレックの足がフラつく。しかし、ポンサクレックはステップを踏んで体勢を立て直した。
2Rも右ボディで攻める亀田。亀田が踏み込んでの右フックからの左ストレートでダウンを奪い、ポンサクレックは立ち上がろうとするも足がもつれ、レフェリーがストップ。亀田はコーナーに登り、勝利の雄たけびをあげた。
ポンサクレックはマイクを向けられると「亀田選手のスピードに対応できなかったです。8年間のブランクは大きいということが分かりました。1Rで亀田選手の本気が感じられました。(最後の左は)速くてシャープなパンチでした。もう自分は年だと感じました。まだ続けて欲しいですね。あのパンチは現役でも通用します。また世界チャンピオンになれます。前回よりも精神的にも強くなったのかな。前に会った亀田選手とは全然違いました。大人になりましたね」と、亀田を称える。
感涙にむせんだ亀田は「どんなもんじゃい!」と叫び、「デビューした時からずっと亀田とKOはセットだと言ってきて、最後に自分が負けたポンサクレックと決着がつけられて。ポンサクレックがこの試合を引き受けてくれたことを本当に感謝しています。自分が負けたことが全ての原因ですが、あの試合で全ての歯車が狂ったので、どこかにあの時に勝っておけばよかったと悔いが残っていて、かなうのであればもう一度拳を交えたいという気持ちがありました」と話す。
亀田は客席にいた父の元へ行き、抱き合う。史郎氏は「最高です。俺も正直怖かった。でもここまで仕上げてきたのはビックリしている。雪辱をきっちりやってくれてほんまに嬉しく思っている。こいつはやる時はやる男やと思いましたね」とコメント。
リングに戻った亀田は「リングに上がったのは2年半ぶりですが、正直きついこともあって。引退したときは日本で試合が出来なくなって、経済的にも苦しいことがあって。でもボクシングが大好きなんですよ。どこかで未練もあったし、あの時にもっとボクシングに集中できる環境があればもっと出来たのにってどこかで悔いが残っていました。最後に尊敬しているポンサクレックと戦えて、本当に嬉しく思っています。今日一日、最高です。3カ月半しかなかったけれど強くなっている実感があった。最後の最後なのに自分の中で嬉しい感じで幸せやなって。この状態で(身を)引くのがカッコいいかなって思う」と語った。
インタビューの最後には涙をこらえて言葉が出なくなった亀田。そして引退の10カウントゴングが鳴らされたが、途中で亀田は「ちょっと止めてもらえますか」とゴングをストップする。
「すいません、往生際が悪いですけれど、自分にはボクシングしかないんですよ。初めに2人戦いたい相手がいてると。その中でポンサクレックと出来て嬉しいんですが、もう一人、どうしても戦いたい相手がいます。自分に嘘は付けない。凄く申し訳ないんですが、その選手とだけ。それで花道を飾りたいなと。軽量級で全階級を通じてナンバーワンになったと言われるローマン・ゴンサレスという選手がいて、どうにか拳を交えたい。皆さんの力が必要なので、実現できるように力を貸してください。ゴンサレスと拳を交えることが出来れば引退します。実現できなければ静かに引退していきたいと思います」と、引退を撤回して元WBC世界スーパーフライ級王者のロマゴンことローマン・ゴンサレス(30=ニカラグア/帝拳)との対戦をぶち上げた。
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