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【UFC】まさかの結末！ピョートル・ヤンが“故意の反則”負けで王座陥落、新王者のアルジャメイン・スターリングが「ヒドイ終わり方、心が潰れそう」と無念の表情

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2021/03/07（日）UP

前日計量＆フェイスオフで火花散らす両者。バンタム級タイトルマッチ、ヤン（左）とスターリング（右）（©Getty Images／UFC）

WME-IMG
『UFC 259』
2021年3月7日（日・日本時間）米ネバダ州ラスベガス　UFC APEX

▼バンタム級タイトルマッチ
●ピョートル・ヤン（ロシア）
失格　4R4分29秒 ※故意による反則攻撃により
〇アルジャメイン・スターリング（アメリカ）
※これによりスターリングが新王者に

　ピョートル・ヤンは15勝1敗で昨年レジェンド・ファイターのジョゼ・アルドを破りバンタム級王者となった。過去に同じくレジェンドのユライア・フェイバーは降しているが、トップ5選手との対戦は今回が初めてであり真価が問われる一戦となる。

　挑戦者のアルジャメイン・スターリングは19勝3敗でランキング1位。レスリング出身で、前戦では元キックボクシング世界王者のコーリー・サンドヘイゲンを1Rリアネイキドチョークで破り今回の試合に繋げた。

　1R、スターリングは左右に構えをスイッチし、ジャブ・前蹴り・関節蹴りと手数多く攻める。じっくり見ている風のヤンにスターリングはさらに止まらず飛びヒザ、ジャブ・ストレートと攻撃を止めない。スターリングの蹴り足を取りテイクダウンするヤンだが、グラウンドには追っていかない。

　立ち上がったスターリングは再度の飛びヒザでヤンの頭部をかすめ、タックルでテイクダウン。しかしヤンはすぐに立ち上がりスターリングの背後につく。ここは離れる両者だが、ヤンが右ストレートでスターリングに尻もちをつかせる。ヤンはさらにカーフキック。スターリングはカニバサミで劣勢の打開を図るが、ヤンはグラウンドを上手く進めさせず、スタンドで背後につくと、リフトしてスターリングを頭から叩きつける。

　2R、スターリングの左ミドルにヤンは後退。しかし続けての蹴りでスターリングが転倒すると、ヤンはカカト落とし、ローキックと襲う。しかしここはレフェリーが立たせる。

　片足タックルに出るスターリングだが、ヤンは体幹の強さを見せ倒れない。金網に押し込み続けスターリングはさらにテイクダウンを狙っていくが、ヤンは対処して立ち続ける。スターリングが打撃に戻ってもヤンはガードして有効打を与えない。

　3R、変わらず手数の多いスターリングに対し、ヤンは手数こそ劣るがジリッジリッと進んでプレッシャーを掛けていく。ジャブ・ストレートが当たるとスターリングは一瞬ではあるが動きが止まる。組みに出てもスターリングはテイクダウンに至れず、逆にヤンが大外刈りでスターリングを倒す。立ち上がったスターリングは左ローを効かすが、ヤンが右カーフを当て返す。

　4R、スターリングが転倒して寝転がってもヤンは決してグラウンドに追っていかない。自分が優位と踏むスタンドでの勝負を徹底してスターリングに強いる。疲労がうかがえ、体がフラついてくるスターリング。ヤンもガードから狙う動きは変わらないがややスローダウンし疲れがあるか。ストレート、顔へのヒザととらえるヤン。しかしスターリングがしゃがんだところで顔へのヒザを打ち込み、これは反則となりインターバルがとられる。スターリングはダメージで立ち上がれず、試合終了が宣せられる。

　この攻撃は禁止されている３点ポジション（両手両足の４点のうち、３点が地についている状態）での膝蹴りとし、故意の反則と判断され、ヤンは失格でスターリングが新王者に。しかしスターリングは腰に巻かれたベルトをすぐに外し、セコンドに肩を貸されてオクタゴンを後にした。

　インタビューに応えたスターリングは「この試合は接戦でした。こんな形で勝ちたくはなかったです。本当にヒドい終わり方です。今は心が潰れそうな思いです。こんなことはありえません。ファンも楽しんでいたと思うし、こんな形で残念です。本当にごめんなさい」と無念の声を届けた。

▶︎次ページ（動画）は、勝利者コールで無念の表情を浮かべる新王者スターリング