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【1月・ベストファイター】Krush王座戴冠の加藤虎於奈に決定、夢は兄レオナの引退試合で「殺し合うように戦いたい」その理由とは

■東京オリンピック柔道日本代表・向翔一郎との切磋琢磨「次も絶対勝てよ」

 加藤の所属するTEAM TOP ZEROSには、柔道で東京五輪90kg級日本代表の向翔一郎(むかい・しょういちろう/25=ALSOK)が練習に訪れている。向井はキックボクシングを練習に取り入れていることもあり柔道界の“異端児”とも呼ばれている。実際に、SNSでもキックボクシングのジムでのミット練習でパンチやキックを放つ動画を度々アップしている。

 向とは「いつも練習していますね。いつも一緒にスパーリングとかもバチバチにやっています」との言葉通り、練習仲間だ。今回のタイトルマッチでは、向が遠征のため、2週間の隔離生活となりセコンドに付くことは出来なかったが、以前の試合では実際にセコンドでサポートして貰っている。練習の中で、「次も絶対勝てよ」とお互いの勝利を誓い合っている。

 柔道の技術として、向からは”足払い”を伝授された。「足の内くるぶしの上のあたりを蹴ったら痛いよって言われて、コツンと蹴られたんですけど、痛くて。これは良いと思いましたね」と加藤。現在、格闘技界では、足のふくらはぎに、ピンポイントで蹴り込む”カーフキック”が流行しているが、それに続く”新技”となるかもしれない。山際戦では出さなかった技だが「今後の試合で使う時が来るかもしれない」と話した。

■加藤の見据える21年「テーマは”Krush王座”の防衛と”K-1王者”になること」

 前半のインタビューで、山際戦では無理に倒しに行かない作戦があったことを明かした加藤。だが、今後については「倒すのがチャンピオンです。攻めるチャンピオン、そして倒せるチャンピオンになりたいです。(これまでは)倒すタイミングで倒してやろうと思っていたが、今後はバンバン攻めて倒して、負けないチャンピオンになりたい」と自らアグレッシブに戦い、KOを量産するファイターを目指すと宣言。

 王者となった加藤はこれまで以上の活躍を見据えており、今年の目標は2つ語ってくれた。

昨年11月の松岡力戦、加藤がダウンを奪う

 1つ目はKrush王座の防衛だ。タイトルを獲得した後のリング上で、松岡力に再戦を呼びかけた。加藤は昨年の11月に松岡から2度のダウンを奪うも、松岡が反則である首相撲のように抱え込んでの膝蹴りを加藤のアゴに放ちダウンを奪ったことで試合途中ながら松岡が反則負けとなった。松岡とは試合が終わって、食事をする機会もあり、松岡からは「虎於奈と戦って引退する」との言葉もあった。それを聞いて、加藤自身も「完全決着だなと思っています。しっかり勝って、終わらせてあげたい」と引退の介錯人となることを宣言。

 2点目は、K-1の世界トーナメント制覇&王座戴冠だ。新型コロナウイルスの影響で、外国人選手が来日出来ない中、今後のトーナメントが開催される時期が読めない中でも、「K-1の67.5kgは今は空位なので、K-1世界トーナメントを開催してもらえればしっかり勝ちに行こうかなと思います」とK-1世界王座戴冠への熱量は、日に日に高まっている。

 K-1ウェルター級(-67.5kg)は、まさに群雄割拠で、元K-1スーパーライト級王者・野杁正明やスーパーライトから階級変更した元K-1スーパーライト級王者・安保瑠輝也などの強豪選手が揃う。その中で、加藤は野杁との対戦に興味があるという。「野杁選手は、この階級だとどの団体の中でもトップだと思います。だからチャレンジしてみたい」との思いから、更なる強敵に挑む構えだ。

10連続KO勝利中の木村ミノル(右)との対戦にも興味

 また、現在は1階級上となるが、K-1スーパー・ウェルター級王者・木村ミノルとの対戦も、自ら興味があると打ち明けた。自身がデビュー戦を迎えた頃に、木村と遊んでいたことがあり、加藤がKrushのタイトルを獲った際には「良い試合だったよ」とのメッセージを貰ったという。その木村に対しても、加藤は「戦ってみたいです。リングと私生活は違う。リングの上だとしっかり倒しにいかないとと思います」と割り切った上で挑みたいとしている。

 更なる強豪撃破に向けて、加藤は”フィジカルトレーニング”を行う予定だ。「これまで体幹やフィジカルトレーニングは全くやってこなかった。前回の(山際戦の)最後の時に、苦しい場面があったりして必要性を感じました。(海外の強豪選手との戦いを見据えて)体で押し負けないようにしたい」と語った。

■加藤が初受賞の喜びを語る

 今回、加藤はベストファイター初受賞となる。その心境を聞いてみると「凄いありがたいです。めちゃめちゃ嬉しいと共に気が引き締まった」との喜びを語った。

 なお今回受賞した加藤には、イーファイトより記念の盾と、ゴールドジムからアルティメットリカバリーなどのサプリメント3種類が贈られる。

(取材=堀内芳啓、構成・編集=イーファイト編集部)

▶︎次のページ(動画)は加藤が山際からダウンを奪った試合シーン

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