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【月間ベストファイター・7月】吉成名高が世界初!ムエタイ3大タイトル制覇の快挙、最強の秘訣とは

■圧巻ヒジ打ちKOの衝撃が走る、名高がテクニックや技術解説

ヒザ蹴りを放つ名高(左)

 今回対戦したペットニポンは、蹴りとパンチで容赦なく仕留めにかかるムエマッド(ファイタータイプ)。戦績は75戦60勝13敗2分の強豪で、実際に対峙してレベルの高さを感じたという。

 相手が強豪であったことは間違いないが、名高の実力は想像以上だった。1Rから、プレッシャーをかける名高は強烈なローキックやヒザ蹴り。ミドルを返すペットニポンに、名高は左ボディからミドルをリターン。様子見のラウンドにも見えたが、早くも名高は手応えを感じていた。

「ローやヒザ蹴りが所々で急所に当たって、プレッシャーを感じていたと思います。相手の攻撃をもらわないように、スウェイで交わしつつ、自分だけコツコツ当てました。左のテンカオと奥足へのローキックで相手は嫌がっていましたね」

 名高のムエタイが、熟練の域に達しているからであろう。自身の打撃がヒットした感覚で、相手へどれほどのダメージが与えられたか察することが出来る。「当たった感覚で深く刺さったなというのは分かります。急所にあたれば効かせられますし、ダメージは与えられた」と、初回を終えた時点で認識した。

飛びヒザを繰り出すペットニポン

 2R、ペットニポンが前進してミドルキックを強打。その蹴り足を掴んで崩そうとした名高に対して、ペットニポンはバランスを取り、上から乗っかるような体勢を取った。名高言わく、「綺麗な技でしたし、ムエタイではポイントになりやすい」とのこと。技を受けた際に、相手の高い実力を感じ「倒すのは難しい」と長期戦も覚悟した。

 だが、名高に一切の焦りはなかった。冷静にインロー、ミドルを散らして様子を伺うと、咄嗟の判断で左ヒジ打ちをクリーンヒット。これに、ペットニポンがバッタリと倒れて衝撃ダウン。そのまま動くことは出来ず、名高が圧巻KO勝ちを収めた。

 ヒジ打ちは、1Rに数発放っていたが、ビッグヒットがあった攻撃ではなかった。にも関わらず、名高は瞬間的にヒジを選択してフィニッシュにつなげた。ヒジ打ちの前にはボディへのテンカオをクリーンヒット、その流れで強烈な左ヒジ打ちをお見舞い。ボディを効かせた上での、顔面へのヒジ打ちがハマったのだ。

ペットニポンがダウン

 そのKOシーンについて、名高は「ボディのテンカオと散らしは得意としている攻撃。普段のミットやサンドバックの動きが出たと思います。意識したというより、先に体が動きましたね。狙っていたというより流れです」と語る。幼い頃からの鍛錬が織りなす、まさに職人技だ。

 ヒジ打ちの感覚については「”抜く感じ”で当たりましたね。あんまりガツンと当たった感じではなかったですが、映像を見返すとめちゃめちゃ良い当たり方をしていたね。ヒザが効いていたので、ガードが下がったので、ヒジが当たったと思います」と振り返っている。

 特に進化した部分を聞くと「相手がプレッシャーをかけてきても、動じずに対応できるようになったことです」と話す。2Rの相手の積極的な攻めに対しても、冷静に対処しKOへ繋ぐことが出来た。最高の形でメインイベントを締めた。

▶︎次ページ:名高の強さの秘訣に迫る、ボクシング練習も開始

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