2013年12月度MVP 森井洋介
毎月イーファイトが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2013年12月のMVPは、12月1日(日)東京・ディファ有明にて開催された『ビッグバン・統一への道 其の十五』において、大物日本人対決を死闘の末に逆転KO勝ちで制した森井洋介に決定!(2014年1月1日UP)
☆この試合の動画(完全ノーカット)はこちら
PROFILE 森井洋介(もりい・ようすけ) 1988年7月30日、長野県上田市出身 身長170cm 体重58.97kg 藤原ジム所属 ※詳細は選手名鑑へ→ |
選考理由
1、「歴史に残る死闘を展開して逆転KO勝ち」
2、「国内トップ同士の対決を制する」
3、「観客を大いに興奮・感動させた」
選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の各格闘技雑誌の編集長とイーファイトの全スタッフ
受賞された森井選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムMVP記念インタビュー
「感動してもらえる試合が出来て、凄く嬉しかったで」
■絶対に俺には負けないって気持ちが戦っている最中にも伝わってきた
まさに“死闘”だった。2013年も数多くの名勝負が繰り広げられて来た格闘技界ではあるが、内容の壮絶さという意味では森井vs駿太は群を抜いていた。
森井は“ミサイル・パンチャー”の異名通り、強烈なパンチが武器。常に小細工抜きの真っ向勝負を挑むことで、名勝負製造機とも呼ばれている。一方の駿太は長きに渡って日本キックボクシング界を牽引し、ムエタイのトップ選手とも互角に渡り合うテクニックに加えて倒しに行くスタイルで、数々の名勝負を残してきた。
この2人が戦うのだから、いい試合にならないわけがない。前評判は高く、森井自身も「ここ2~3年、日本人と試合をしてもパッとしない相手でしたが、駿太選手は自分が挑戦する立場になれる上にいた選手。自分がどれだけ強くなったのかを確かめられることで、モチベーションはかなり高まっていました」と意気込んでいた。
1Rが始まるとすぐ、森井はパンチで駿太に襲い掛かった。
「技術は全部、駿太選手の方が上だと自覚していました。1Rから崩していかないと技術面で負けてしまうので仕掛けていったんです」
しかし、百戦錬磨の駿太は森井のパンチにカウンターを返し、強烈なミドルキックとローキックを放つ。森井は相手のペースに持って行かれたことに気付く。
「1Rで自分がペースを握ったかに思ったんですけれど、2~4Rで自分のペースから駿太選手のペースに持っていかれました。やはり上手いですし、絶対に俺には負けないって気持ちが戦っている最中にも伝わってきました。駿太選手もここ最近は戦績があまりパッとしていなかったじゃないですか。それで多分、自分との試合に懸けて来たなっていうのがビンビンと感じられました」
真正面からの打ち合い、強いローの蹴り合い、両者とも下がらずに全てのラウンドで激しい攻防を繰り広げる。駿太の右ミドルで森井の右わき腹は真っ赤に腫れ上がり、駿太の左足も森井のローで真っ赤に。そして4R、駿太のヒジ打ちで森井は顔を3カ所もカットされて流血に追い込まれる大ピンチを迎えた。
「切られてドクターチェックになった時に“また血が出たらドクターチェックをしないでそのままストップになるからな”とレフェリーに言われたので、“次はもうない”と覚悟を決めました。ポイントも絶対に取られていると思っていたので、もう倒すしかない、と」
幸運にも切られたのは4ラウンド後半で、ドクターチェック後、間もなくラウンド終了。勝負は最終ラウンドに持ち越された。ここまでの採点は駿太が2ポイントリードしており、森井が勝つためには最低でも2度のダウンを奪わなければならない。それも再び出血する前にだ。
■絶体絶命の大ピンチで練習していた技が初めて出た
駿太にしてみれば勝利は目前。防御に徹底して逆転の一発をもらわなければ勝てる状況だった。しかし、駿太は守りに入らず攻め、森井も打ち合いに応じる。その瞬間、森井がクルッと回転してヒジを叩きつけるバックハンドエルボーを見舞い、駿太がダウン。
「バックハンドエルボーの練習はしていましたけれど、試合に向けての練習中もこれを狙っていこうというのはなかったです。あの瞬間にパッと頭に浮かんで、浮かんだ瞬間にはもう出していたって感じでした。練習しておいてよかったな、というのがありましたね。引き出しが出来ていて、その場で対応できたのかなって感じでした。試合で使ったのはこれが初めてです」
ダウンを奪ったと思ったのもつかの間、駿太はすぐに立ち上がっていた。「でもファイティングポーズはとれないだろうと思っていたのにとったので、次で倒さないとヤバイと思っていきました」と、森井は一気にラッシュを仕掛ける。駿太も必死の反撃。そこで森井の凄まじい左フックが駿太を打ち抜き、駿太がバッタリと倒れる。
「多分、駿太選手は立っているのがやっとの状態だったと思うんですが、それでも打ち合って来て。ようやく左フックが当たった感じでしたね。あれはドンピシャのタイミングで当たった一発でした。“もう立ってくるな!”と思っていましたね。あれでもし立って来たら、まだやるのかよって心が折れかけたかもしれません」
逆転KO勝利した瞬間は「嬉しすぎて頭の中が真っ白になりました」という。それ以上に嬉しかったのは「感動したと言ってくれるお客さんが凄く多かった」ことだ。自分的には課題がいっぱい残った試合だったんですけれど、試合に関しては感動してもらえる試合が出来て、凄く嬉しかったです」と喜ぶ。
試合後、森井はマイクを持ち「2014年の目標は3つあります」と切り出した。「ひとつは全試合倒して勝つこと。二つめはゲーオとやりたい。三つめは2年前に負けた梅野(源治)選手にリベンジ。来年もキックボクシングを盛り上げていくので見に来てください!」と語った。
ゲーオは日本人を相手に7年間無敗を誇るムエタイの超強豪。梅野は国内トップのキックボクサーだ。「ゲーオには日本人がまだ誰も勝ってないので、そこを一番にいただきたい。梅野選手には負けたままでは男として情けないのでやりたいです」
森井は「いろいろあって、もう辞めようかなって思っていた時期もありました」と言うが、「駿太選手とああいう試合が出来て吹っ切れた。今は凄く充実しています。2014年も感動してもらえる試合をしてファンの人に喜んでもらえるように、一戦一戦気を引き締めてやっていきます」と語った。
関連リンク
・ゴールドジム Web site
・試合レポート「森井が駿太との死闘を逆転KOで制する、梅野とゲーオに宣戦布告」
・この試合の動画(完全ノーカット)はこちら
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