2014年3月度MVP ISAO
毎月イーファイトが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2014年3月のMVPは、3月30日(日)横浜文化体育館にて開催された『PANCRASE 257』で、修斗世界ウェルター級王者・弘中邦佳にTKO勝ちし、王者対決を制したパンクラス・ライト級王者ISAOに決定!(2014年4月5日UP)
PROFILE
ISAO(いさお) |
選考理由
1、「修斗世界王者との王者対決を制す」
2、「ビッグマッチのメインイベントでTKO勝ち」
3、「まだ25歳と若く世界での活躍が期待できる」
選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の各格闘技雑誌の編集長とイーファイトの全スタッフ
受賞されたISAO選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムMVP記念インタビュー
「常に勝負しにいく気持ちを持ち、常に仕留めようと考えています」
■ここで勝負を仕掛けなければ、このままどうにもならない
パンクラスと修斗。日本総合格闘技界の老舗であり、これまで幾度も戦いの火花を散らしてきた両陣営の王者同士が激突した。
ISAOは2008年4月にプロデビューして以来、14勝1敗2分とこれまでにわずか1敗しか喫したことがないパンクラスのエース。2012年4月にパンクラス・ライト級王座を奪取し、初防衛にも成功している。
弘中は2001年10月に修斗でデビューしたベテラン選手で、世界最大のMMA(総合格闘技)大会であるUFCを始め、DREAM、ZST、パンクラスなど様々な団体に参戦。2011年7月に修斗世界ウェルター級王座を獲得し、これまで2度の防衛に成功している。
勢いのあるISAOか、それとも経験豊富な弘中か。日本人ビッグネーム同士の対戦は、横浜文化体育館に4,010人の観衆を集めて行われた。
「王者対決ということで、負けたら自分のベルトを失うくらいの気持ちで挑みました。最初は物凄いカードだなって思っていたんですが、練習して試合が近づくにつれてそこまでプレッシャーにはならず、最後はただ倒したい気持ちだけが強くなって試合に挑むことが出来ました」と、試合前の心境を振り返るISAO。
1Rと2Rはほぼ互角。一進一退の静かなる攻防が続いた。
「打撃なら打撃だけでやっていたら展開が見出せないと思ったので、組みにいったり、蹴りを出したり、いろんな技を散らして勝負したのが最後の3Rにつながったと思っています。理想的には打撃でのKOか関節技による一本での完全決着と考えていたんですが、最悪でも判定で競り合って勝てればと考えていました」
最終3R、ISAOはパンチ、蹴り、タックルを駆使して前へ出た。
「1、2Rはドローだったので、ここで勝負を仕掛けなければこのままどうにもならない。3Rは全部出し切ろうと思いました。1、2Rはあまり無理をせず、勝負する瞬間を探していました。1、2Rでも勝負できる場面があったらもちろん行くつもりでしたよ。でも、その“勝負”できる時が3R目だったのかなと思います」
弘中にテイクダウンを奪われたISAOだが、すぐに立ち上がってローキック、ハイキックと蹴りで弘中をコーナーへ追い詰め、左ストレートと右フック。弘中が崩れ落ちたところで顔面にサッカーボールキックを連打してTKO勝ちを収めた。
「蹴りで散らしてパンチでいったのは少し覚えていますが、どうやって勝ったのかは分かりません。思い切って勝負にいったのが最後に当たって倒れたのかなって思います。最高の一言です。とりあえず勝って嬉しいのもありましたが、安心感の方が大きいですね」
■賢くないと勝てません。考えてやらないと上は目指せない
ISAOは2010年4月の初黒星を最後に、これで11戦負けなし。この勝負強さはどこからくるものなのだろうか。
「自分でも分かりませんが、常に勝負しにいく気持ちを持ち、常に仕留めようということは考えています。最初から判定勝ち狙いというよりも、最低でも判定で勝てることを考えつつ、常にどこか仕留められる場面があれば仕留めにいくことを意識しています。
初黒星以降は考えながら練習するようになって、試合も考えながらできるようになりました。冷静さと集中力が毎試合カギかなって思います。何も考えないで何時間も練習しても、ただ時間が過ぎる練習なので、常にどうしたらいいか、こうやったらうまくいくんじゃないか、と考えながら練習して追い込むようにしています」
普段は仕事を持っているが、「試合の1カ月前から練習に集中できる環境を作っていただいています」という。追い込みの時期は昼に2時間、夜に2時間の1日合計4時間の練習をする。特に重要視している練習は何かと聞くと、「全て大事なので全てです」との答えが返ってきた。
「教えてもらったことは自分で試してみて、自分が使えそうな技はどんどん使って自分のものにしていきます。考えないと意味のない練習になってしまうので、常に何かしら意識してテーマを持って練習します。ガムシャラにやる練習も大事ですけれど、常日頃は意識して練習していますね。追い込みの時は疲れた状態でも動けるように、最後はガムシャラになるかもしれませんが、そういう時に気持ちを強くしてスタミナを付ける練習をやっています」
今後のことについては、「今はまだ試合が終わったばかりなので余韻に浸っています」と考えてはいないと言うが、「チャンスがあれば外国人ともやりたい」という。
「視野は広げていきたいですね。海外での試合にも憧れはありますが、そのためには自分自身を見直さないと。海外にはデカイ人しかいないので、身体の作りから考えていかないといけません。慎重になっている? いえ、賢くないと勝てませんから。ちゃんと考えてやらないと上は目指せないので、常に考えています」
パンクラスを盛り上げていくことを第一に考えたいと言うISAOは、「昔から先輩方が作ってきてくれたものなので、パンクラスに対する気持ちは変わらないと思います」とパンクラスへの愛を持っている。
1993年の旗揚げから船木誠勝、鈴木みのるらが作り上げた第一次パンクラス黄金時代。第二の黄金時代を迎えられるかどうかは今後のISAOの活躍にかかっている。
関連リンク
・ゴールドジム Web site
・試合レポート「ISAOがパンクラス×修斗の王者対決でTKO勝利」
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