【JFKO】全日本フルコン空手4連覇達成の女子大生、菊川のプレッシャーとは
5月14日(日)エディオンアリーナ大阪にて、フルコンタクト空手のオリンピック種目化を目指して設立された、国内294流派・会派が加盟する全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)の4回目となる「全日本フルコンタクト空手道選手権大会」が開催された。フルコンタクト空手の国内最大級の統一大会でもある。
今大会には過去最多となる390名(男子296名、女子94名)がエントリーし、13日(土)と14日(日)の2日間にわたって男女それぞれ4階級のトーナメントで王座が争われた。
今回女子軽量級に出場し、前人未到の4連覇を果たした選手がいる。都内女子大に通う19歳の菊川結衣(芦原会館)だ。148cm、48kgの小柄な体からは想像できない威力ある突き蹴りの連打を得意とする。空手界、いや格闘技界でも彼女ほど小柄ながらアグレッシブな戦い方をする選手はなかなかいない。開始から試合終了まで手数が止まらず、ドスッ、ドスッとボディへのパンチの音が会場に響き渡理、徐々に相手の動きが止まりだす。
そんな彼女だが、この大会に挑む前にいつもとは違う強いプレッシャーがあったという。
それは大会2日目に行われる開会式での選手宣誓に菊川が選ばれたことだ。この大会は2日目の決勝トーナメントに進んだ選手のみが開会式の舞台に立てる。
約1ヶ月前に主催者からオファーがあり、「初日に負けてしまったら、選手宣誓は一体どうなるんだろう」という初日には絶対負けられないというプレッシャーがあったという。
高校2年の時からこの大会で優勝、既に3連覇を達成しており、出場選手の中では最も実績があったため、選手宣誓に選ばれるのも当然であろう。菊川の師である芦原会館の西山亨氏は「練習ではいつも通り、誰よりも強い集中力でミット、スパーリングで一切手を抜かず、良い仕上がりだったのですが、大会2日目に選手宣誓があるため、今回は初日には絶対負けられなかったことが強いプレッシャーになったようです。あと優勝して当たり前という見られ方や、4連覇への周りからの期待もプレッシャーに繋がっていますね」と語る。
初日は3試合あり、動きはいつもより固く3試合目では珍しく注意を1つ取られた。突きが相手の顔面に流れてしまったのだ。それでも本戦5−0で勝利し2日目につないだ。
2日目、選手宣誓が終わると固さが取れ、伸び伸びと戦い決勝に駒を進めた。
決勝の相手は一昨年のこの大会で、準決勝で対戦している新極真会の手島海咲だった。
本戦の判定は菊川に旗が2本上がるも既定の3本以上に達せず、延長戦へ突入、全く勢いが衰えることを知らない菊川は、左右の内股を蹴って強力な突きにつななぐ。手島も突きと下段で応戦していたが、菊川が回り込みながらの息をもつかせぬ連打で振り切り、判定5-0で4連覇を達成した。
試合後菊川は「これで慢心せず、今年7月、カザフスタンで行われる新極真会の世界ウエイト制大会に向けて頑張ります」と答えた。師である西山氏は「今回の大会は連覇中で守る立場ですが、7月の世界ウエイト制は初めてなので今大会のようにそこまでプレッシャーもないですし、チャレンジャーとして伸び伸びと戦ってきます」と語る。
日本軽量級最強の空手女子大生は大型選手の多い海外でどう戦うのか。日本のメダル候補として期待される。
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