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【K-1】人命救助の小宮山「肘でレンガの破壊はあるが車のガラスは初」

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2017/07/14(金)UP

地元警察、消防からもらった感謝状を見せる小宮山

 7月12日(水)に炎上する事故車両から負傷者2名を救い出した格闘家・小宮山工介(K-1ジム北斗会館代表)の記者会見が14日(金)、都内ジムで行われた。

 事故当日、小宮山は徳島市で少林寺拳法の先生に会うため現地に向かっていたが、その移動中、事故現場に遭遇。トラックと乗用車が衝突し、炎を上げている状況だった。当時の様子を小宮山はこう振り返る。

「トラックを運転していた男性が車内に閉じ込められていた。ドアロックが故障していて開かない。周囲に窓を破れる物も無かったため、とっさの判断でヒジ打ちが出ました。足や拳ではなく、ヒジが硬いという認識があったので、割れるイメージが頭に浮かんだんです」(小宮山)

 トラックのドアガラスとはいえ厚さ3~5mmある強化ガラス。ハンマーを使っても簡単には割れない。記者から「割れる自信はあったのか」と問われると、「割る自信というより、『割らないといけない』という気持ちがありました」と小宮山。

 現在、『K-1』で活躍している小宮山だが、格闘家の原点は空手である。実家は長野県で空手道場を開いており、自身も5才から空手を始めた。ジュニア時代から全日本大会を含む数々の大会で優勝し、「天才空手少年」とも謳われた。そんな小宮山だが、「過去、ヒジ打ちではレンガなどを破壊したことはありましたが、(車の)ガラスには打ったことがない。回して打つような『回し打ち』のイメージで振り抜くと一発でバリーンと割れたんです。そのスペースから運転手さんを出しました」と、ヒジ打ちを打つ際、助走はつけず、溜めをつくってから振り抜いたようだ。

「自動車が爆発するという恐怖心はもちろんありました。ヒジ打ちをする際、頭の奥では『怪我をして試合に出られないかもしれない』という気持ちもありましたね。でも自分で心を落ち着かせて、いつもの力を出そうと。救助した方が命に別状がなく本当に良かったと感じています」(小宮山)

 現在小宮山が主戦場としている『K-1』ではヒジ打ちが禁止されている。「今回は反則技を使ってしまいましたね(笑)」と笑う小宮山だが、その右腕に残った傷はまだ痛々しい。「まだ腕にはガラス片が3つくらい入っているようで、今後しっかり治療をしていきます。最初は『切り傷が残ったな』くらいに感じていたのですが、みるみる血が出てきてしまって結局10針ほど縫いました。はやく治して、強い相手と戦いたい。僕が見せたいのは格闘家としての姿なので、はやくリングに上がりたいです」と語る小宮山。

車の強化ガラス破壊時のヒジ打ちを実演する小宮山

 『K-1』での復帰戦は当初9月18日(月・祝)を予定していたが、この日までに傷が完治するかは微妙な状況。大事をとって11月23日(木・祝)大会まで復帰戦は先延ばしになる可能性がある。小宮山は現在のコンディションについて「すごくいい状態。窓ガラスを割れるくらいコンディションはいいんです(笑)。それぐらい仕上がっている。1日も早く万全なコンディションで皆さんに試合をお見せしたい。(K-1関係者の方を向いて)強い相手をセッティングしてください」と笑顔で話した。

 幼少時代から仮面ライダーとウルトラマンに憧れてきた小宮山。一躍自らがヒーローとして注目される小宮山の今後の試合が楽しみだ。

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