【映画】『あゝ、荒野』ボクシング素人の菅田将暉がプロ並みの実力になるまで
寺山修司原作のボクシング映画『あゝ、荒野』の後編が21日(土)公開した。
前篇後篇と二部作公開中となり、10月7日から公開した前編を合わせると5時間にも及ぶ大作。後編は本格的なボクシングシーンが主となる。
主役の菅田将暉(すだ・まさき=24)は撮影半年前からボクシングのトレーニングを始め、主に筋肉で12kg増やした。
菅田にボクシングを教えたのは今回映画に出演している俳優の松浦慎一郎氏。松浦氏はボクシングトレーナーでもあり、これまでワタナベボクシングジムで元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志のチーム内山でトレーナーを務めた経歴を持つ。
その松浦氏に菅田のトレーニングを聞くと「最初は線が細く、ビジュアル的にプロボクサーに見えないので53~4kgしかなかった体重を、ボクシングとウエイトトレーニングと食事で12kg主に筋肉で体重をアップさせました」と言い、その食事内容もメニューを渡し実践させたと言う。
「とにかく食が細いので筋トレ終了後にプロテインはもちろん、日常生活でも基本は合間にプロテインを流し込む、あとは主にボクシングの練習後に焼肉屋などでバランスよく、たんぱく質と炭水化物、ビタミン、ミネラルなどしっかり食べる」とアドバイス。すると半年で筋肉でバキバキのボクサーのビジュアルが完成したと言う。
そこで実力の方はどうかと聞くと「最初は30分の練習でチアノーゼ(酸欠で顔や皮膚が真っ青になる)に。しかし、練習を積んで身体も大きくなり、世界戦などのレフェリーを務める福地勇治さんに見てもらった時に、『プロテストを受けられるよ』と言っていただきました。私もそう思いましたね」とボクシングレベルがプロ並みに上がったと言う。筋トレとボクシングの練習は撮影終了直前まで続けられた。
ボクシングジムの練習ではプロボクサーやおやじファイトの王者らとスパーリングを重ねた。菅田は「殴られないと殴られる気持ちはわからないからしっかり殴ってほしい」と自ら申告。菅田は殴られ、頭がクラクラする感覚を覚えたと言う。
「殴って来てくれなんて役者でそこまで言える人はなかなかいないですよ」と松浦は菅田の本気度を讃えた。ここまで役者が本気で取り組んだボクシング映画。映画ファンのみならず格闘技ファンも一見の価値ありだ。
映画ストーリー:主役の菅田演じる新次が、兄貴分の劉輝(りゅうき)を半身不随にした元仲間・裕二への復讐を誓う。裕二は刑務所から出て来て更生しボクシングを始める。その噂を聞いた新次が、裕二のいるボクシングジムへ乗り込み、裕二に殴りかかると一瞬でボディにパンチを合わせられ倒れてしまう。
ジムを出て再び道端で倒れる新次を、後に親友となる、吃音で赤面対人恐怖症の「バリカン」が「大丈夫か?」と声をかける。それを「片目」こと元プロボクサーの堀口が二人に声をかけボクシングジムに勧誘する。
新次は裕二に復讐を果たすためトレーニングに励む。また、バリカンは内気な自分を変えるためジムに入った。2人は寝泊まりしてトレーニングに励み、親友になるが、名を挙げていく新次との試合を望み、バリカンは突然他のジムに移籍する。その理由は何か。対戦では兄と慕っていたバリカンに裏切られた思いで立ち向かう新次だったが…。それぞれの想いが試合中に交錯する。果たしてその結末は。
写真=©2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ
●編集部オススメ
・伝説のボクサーを映画化、WBC会長「ボクシング映画史上最高のひとつ」
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
TwitterでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!
Follow @efight_twitインスタグラムでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!