【ボクシング】中国ボクシング界の英雄ゾウに失明騒動
2017/12/25(月)UP
31日に大田区総合体育館で行われるボクシング3大世界戦の一角、木村翔(29=青木)対五十嵐俊幸(33=帝拳)のWBO世界フライ級タイトルマッチには、前王者ゾウ・シミン(36=中国)の存在感が根強く、勝者との再戦は必至と見られてきたが、そのゾウに21日、突然の失明危機騒動が起こり、日中のボクシング界に、影響を与えようとしている。
国営『新華社通信』を含めた多くの中国マスメディアは、同日、ゾウの左眼が「突発的な失明の危機にある」と報じ、ゾウは、妻のラン・インインさんと共に、飛行機で上海に移動。市内の上海長江病院で緊急治療を受けたことが広まった。その後の報道では、ランさんが中国版ツイッター『微博』で「人生最悪の日です」とコメント。
木村対五十嵐の勝者が、次にゾウと再戦はかなり難しそうだ。
ゾウは、2014年6月の試合後にも、網膜裂孔の治療を受けている。 24日の報道では、医師がゾウの左眼について「現在は視力0.1」と報道。日本のボクシング関係者には「完全な失明までにはいたらぬ網膜剥離から、手術である程度の視力まで持ち直したのではないか」との推測が多いが、病名など、具体的なことについてはほぼ未発表だ。
ゾウは世界選手権の3度優勝やオリンピック連覇など、アジア史上最高の結果を五輪ボクシング界で残し、2013年1月、米国大手のトップランク社との契約でプロに転向。2016年11月にWBO世界フライ級王座を獲得した。
しかし今年7月、圧倒的有利と見られていた木村戦で11回TKO負け。全盛期とは比にならぬほど精細に欠いていたため、木村も「本気で仕上げてくる(次の)再戦でこそ、自分が試される」と語っていた。今回の報道を受けてからは「ボクサーでなくとも目は大事。順調な回復を祈りたい」とコメントしている。
五十嵐もまた、2004年アテネ五輪の出場を目指していた時代、ゾウには2度、苦杯をなめさせられており、再戦への意欲や戦友の意識が高かったことは言うまでもない。
最低でもアジア屈指の英雄が今後の生活に支障をきたさぬまでの回復を祈りたい。
(善理俊哉)
(善理俊哉)
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