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【ボクシング】ドーピング陽性の尾川堅一、王座剥奪「もう一度リングに」

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2018/04/19(木)UP

記者会見で質問に答えるIBF王座剥奪の尾川(右)と帝拳ジム・浜田会長(左)

 ボクシングの帝拳ジムは19日会見を開き、IBF世界スーパーフェザー級王者・尾川堅一(29=帝拳)が、ネバダ州コミッションから6ヶ月間の試合資格停止処分とタイトル剥奪処分を受けたと発表した。

 昨年12月9日、米ラスベガスでプロボクシングIBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチに勝利し、新王者となった尾川。米国で日本人選手が世界王座を獲得したのは36年ぶりの快挙だった。しかし、その尾川に試合前(12月5日)のドーピング検査に陽性反応を示したことを今年1月19日、帝拳ジムが発表していた。 
 ドーピング検査は限られた機関からの認定のラボでしか作業ができないため、混み具合や輸送日数を入れると検体の調査に数日から数週間かかってしまう。

 1月時の発表によると尾川はラスベガスに到着後、WADA(世界反ドーピング機関)による尿検査を12月5日の午前8時ごろと試合当日の12月9日に受け、試合当日のサンプルは陰性だったが、試合前(5日)のサンプルは陽性を示したと試合を管理するネバダ州コミッションから報告を受けていたとのこと。

 今回の発表によるとIBF王座を獲った試合は無効試合となり、浜田代表は「王座獲得は無かったことになるのではないか」とコメント。
 また、ファイトマネーの減額は本来なら30%減のところ20%に。ネバダ州に限っての出場停止は通常1年のところ半年のみとなり、6月9日に解除される。処分が比較的軽くなった原因は摂取物などの資料提出等でドーピング陽性に対する調査に協力的だったこと、試合の4日前の検査では陽性だったが、試合当日は陰性だったことが上げられた。

深々と頭を下げる尾川と帝拳ジム関係者

 帝拳側では、摂取した食事・サプリの内容を検査したが、どれも陽性反応を出したテストステロンを誘発する成分が見つからなかったとのこと。あえてその中でも疑わしいものがあるとすれば、尾川の使用していたアトピーの塗り藥に微量ながら入っている副腎皮質ホルモンの影響が考えられるということだ。

 イーファイトが薬剤師に取材したところ、「副腎皮質ホルモンが微量ながら入っている皮膚薬はあるが、塗ると体にも吸収されるので、テストステロンを上げる可能性が十分ある。塗り薬であっても使用はやめたほうがいい」との見解だった。

 今回の処分を受け、浜田代表は「全プロ選手、全トレーナーに対し、食べたものや薬・サプリを全部リストにして書くことにする。塗り薬や入浴剤なども徹底する」と再発防止につとめるとのこと。

 尾川は「認識の甘さがあったことは事実。許してもらえるならリングにもう一度立ちたい。アメリカの舞台で勝てたことは忘れられない一瞬だった」と復帰を希望する。
 ジム側は尾川の進退を「ネバダの裁定に従い、反省する所はして、リングに上げたいと思っている」とした。

 
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