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【UFC】元王者マイケル・ビスピンが現役引退を表明「今が決断の時なんだ」

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2018/05/30(水)UP

引退を表明した元UFCミドル級王者マイケル・ビスピン

 世界最高峰の総合格闘技団体『UFC』で、イギリス人として初めて王者に輝くなど活躍したベテラン選手マイケル・ビスピン(39=イギリス)が、現役引退を決断した。

 5月28日(月・現地時間)ビスピンは自身のポッドキャスト番組『Believe You Me with Michael Bisping』の冒頭で、「残念ながら試合のお知らせではない。俺が正式に引退するというお知らせだ」と切り出し、「プロ選手として15年ほどの長旅だった。そのうちUFCには12年。永遠に続けることはできないんだ」と引退を表明。

ガステラム(左)にKO負けしたビスピン(右)。この試合後に目に異常をきたしたと言う

 引退の大きな理由は目の異常で、「ケルヴィン・ガステラムとの試合後(昨年11月)、俺の“健康な目”に問題が起こったのさ。試合後にクラブでパーティーに参加していたんだが、真っ暗なところにいるにもかかわらず、目の端の方で何かが光るのを感じ始めたんだ。その後、病院で診てもらって硝子体剥離(しょうしたいはくり)だと言われてね」と説明した。

 硝子体剥離とは、本来は目の奥にある網膜と密着した状態である硝子体(眼球の中を満たすゼリー状の組織)が加齢とともに変質し、濁りなども生じて網膜から離れてしまうもの。ビスピンは「医者からは網膜剥離や網膜裂孔を引き起こす場合もあるから注意した方が良いと言われたんだ(ビスピンは2013年に網膜剥離を患い、手術を受けたことがある)。その後、ロンドンで引退試合をするという話しもあったんだが、それも無くなって、たぶん結果的には良かったんだろうと思う」と話した。

2016年6月、ビスピン(左)はロックホールド(右)にKO勝ちし、約1年半越しのリベンジを果たすとともに自身初となるUFC王者の栄冠を手にした

 さらに「他にもいろいろあるんだが、昨夜『Journeyman(ジャーニーマン)』という映画を観てね」と続ける。この映画は、試合中のダメージにより身体の麻痺や記憶の喪失、著しい人格の変化などの後遺症が残ったボクシング王者が懸命に生きる姿と、それと向き合い献身的に支える妻の葛藤や愛を描いたものだ。

 この映画も今回の決断に影響したと明かすビスピン。「素晴らしい映画だからおススメする。でも、とても悲しいところもあって、それから考えさせられたんだよ。これ以上、何をするつもりなんだ? ベルトも獲ったし、勝ち星もたくさん積んだよ。自分が目指してきたことは成し遂げたんだ。自分のことを死に馬とは言わないが、これ以上、鞭を打つことに意味があるんだろうか? 自分ももう40歳だ。今が決断の時なんだ」と話した。

 そして、いつものサバサバとした口調で「素晴らしい妻には特に感謝している。子どもたちと親にも。そしてイギリスはもちろん、世界中で自分を支えてくれた人たちにも。よくやったぜ。素晴らしい選手生活だったよ。みんなありがとう」と感謝の言葉を述べると、収録スタジオにいたスタッフたちから拍手が起こった。

▶︎次ページ:マイケル・ビスピンの軌跡を振り返る

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・引退宣言のヘンダーソン惜敗、ビスピンが逆転勝利で王座防衛

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