【UFC】ヘビー級タイトル戦、コーミエvsルイスを高阪剛が予想
日本時間の11月4日(日)に開催される『UFC230』から、WOWOW『UFC-究極格闘技-』のテレビ独占生中継が2年半ぶりに復活する。同番組で解説を務める、日本人UFCファイターの先駆けであり、現役総合格闘家である高阪剛が見どころを語った。
まず2年半ぶりにWOWOWでの放送が決まったことについて、高阪は「総合格闘技の最前線であるUFCで、いま起こっていることをテレビでリアルタイムに観られるというのは、凄く大きなことだと思います。WOWOWの放送がなかったこの2年半、 UFC自体にも、もちろんいろんな変化があったわけですけれど、総合格闘技の強さを最大限に突き詰めていくという、選手たちのその姿勢は変わらないので。常に技術革新が行われ、レベルが上がり続けている状況ですからね」と、日本の格闘技ファンにとって朗報だという。
今大会のメインカードはUFCヘビー級タイトルマッチ、王者ダニエル・コーミエ(39=アメリカ)vs挑戦者デリック・ルイス(33=アメリカ)。王者コーミエについて高阪は次のように評する。
「ひとことで言ってしまえば、『ヘビー級らしくないヘビー級』というのが、一番の強みだと思うんですよ。一昔前までは、ヘビー級の選手というと、体力や体格がものをいって、技術を超えた部分が大きい選手が多かった。 でも、コーミエというのは、身長180cmでヘビー級の中ではかなり小柄なので、その自分の体格と技術を使って、いかにして大きな相手を倒すのかということを、ものすごく考えている選手なんですよね。どうしてもフィジカルの部分では、相手にアドバンテージを取られてしまうけれど、試合中の力の配分や技術によって、相手のスタミナを奪うことで、フィジカルを封じ込めることができるんです」
コーミエはレスリング出身だが、打撃のテクニックが伸びているのが強さだと言い、「パンチの種類としては、前手のジャブ。左手のパンチがすごく伸びるんですよ。あれは、ほぼノーモーションで出しているので、対戦相手にとっては、すごく見えづらいはずです。あのパンチを身につけたことで、打撃でも先手を取れるようになった」と、ジャブが注目ポイントだとする。
対するルイスについては「コーミエが『ヘビー級らしからぬヘビー級』であるのに対して、ルイスは『ヘビー級らしいヘビー級』。細かい技術は、ある意味で度外視して、「当たれば誰でも倒せるよ」っていう、強烈な一発を持った選手です」と評する。
「穴はたくさんあるんですよ。この間のアレキサンダー・ヴォルコフ戦(2018年10月7日『UFC229』)では、早い段階からスタミナが切れて、かなり打撃もたくさんもらっていたにも関わらず、試合終了間際に一発で逆転TKO勝ちを奪ったように、たくさんある穴を埋めるだけの、得体の知れない力を持っている。ここが一番の魅力だと思います」
そして試合展開の予想としては「ルイスが、当日どういう仕上がりで臨んでくるのかによるでしょうね。ルイスって、試合によって仕上がりにずいぶんムラがあるんですよ。『ロクに練習してきてないんじゃないか?』って思う試合も、正直ありますからね(笑)。でも、もともと潜在能力が高いので、そんな状態であっても、一発で相手を仕留めてしまうような、そんな強さがルイスにはあります。
だからこの試合は、ルイスの意外性や、追い込まれたときの底力に注目したいですね。 MMAファイターとしての技術、能力ではコーミエのほうが全然上だと思うので。ルイスの方は、変にコーミエ対策なんか立てずに、本能で暴れてほしい。その方がいい結果が出るんじゃないか、なんて勝手なことをちょっと思ったりもしますよ(笑)」と、ルイスの仕上がり次第だと語った。
●編集部オススメ
・コーミエが初回KO勝ちで二階級制覇を達成、試合後はレスナーと一触即発に
・KO負け寸前のルイスが豪腕で逆転KO、ヘビー級の怖さ見せる
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