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【ボクシング】井上拓真と対戦の王者ウバーリ「チェスのように先を読みヒットさせる」

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2019/11/01(金)UP

公開練習でミットを打つウバーリ

 11月7日(木) さいたまスーパーアリーナにてWBSSのバンタム級決勝戦(井上尚弥vsドネア)の前座として行われる『WBC世界バンタム級タイトルマッチ』で、尚弥の弟で暫定王者・井上拓真(23=大橋)と対戦する正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(33=フランス)の公開練習が都内ジムにて行われた。

 ウバーリは今年1月に元WBAバンタム級スーパー王者でWBC世界同級2位のルーシー・ウォーレンと『WBC世界バンタム級王座決定戦』を行い3-0の判定勝利で正規王者となった。続く7月には初防衛に成功し、今回が2度目の防衛戦だ。

 練習前の会見で「いろんなタイプの選手や、拓真と似たタイプの選手ともスパーリングを重ねてきた。きつい練習を重ねてきたのであとは試合に臨むのみだ」と語る。ウバーリはフランスと日本の時差調整を兼ね3週間カザフスタンでキャンプ。カザフと日本の時差は3時間だ。そこで拓真タイプのボクサーらとスパーリングを重ねてきた。

チェスのように先を読むとウバーリ

 戦い方のイメージとして「私は相手に合わせ臨機応変に変えていく。前に出ながらでも引きながらでも当てることができる。チェスにように先を読んで相手の出方に応じて戦うことができる」と自信。
 そしてKOのイメージを聞くと「重要なのは勝つことであってKOにこだわっている訳ではない。パンチがクリーンヒットしKOできたらそれはそれでいい。ベルトも私にとってご褒美的なものであって、こだわってはいない。勝つことに重きをおいている」と勝ちへのこだわりを語った。

 ウバーリのトレーナーのアリ・ウバーリ氏は「彼はインテリジェント(知的、高知能)なボクサー。状況によって合わせていけるのだ。勢いに任せるのではなく、常に状況から判断すること。今回、拓真選手の長所、短所を対策してきた。軽くは見ていないがウバーリの方が優っている」と断言した。

ミットで得意の左ストレートを出すウバーリ

 KOにこだわっていないというウバーリだが、戦績は16勝(12KO)無敗と75%の高いKO率を誇る。サウスポーからの踏み込んでの左ストレート、そして回転力のあるパンチの連打が特徴的。

 アマチュア時代の戦績は400戦以上、2度(北京、ロンドン)オリンピックに出場し、07年の世界選手権では銅メダルを獲得している。
 会見後、シャドー、パンチングミットを軽く1Rずつこなし、早々と練習を切り上げ、敬虔なイスラム教徒の彼は、都内のモスクに礼拝に向かった。

 視察に訪れた大橋会長は「体幹がブレない、腹筋に血管が浮き出ていて馬のような凄い筋肉。ドネアとはまた違った強さを持っている。手数の選手、おそらく持久戦になるのでは」と語った。

▼連打でKO勝利するウバーリの動画 (Nordine Oubaali vs Luis Melendez)

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