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ジム、道場のオンライン指導は実は意外と簡単、LINEかZOOMか、必要な設備を紹介

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2020/04/26(日)UP

人気のテレビ電話ツール、右は指導する先生、左は生徒さん※左右はスマホで見える画面を合成してあります。

 4月8日に緊急事態宣言が出され、武道、格闘技の道場、ジムも5月6日まで臨時休業するところがほとんどだ。
 そんな中、オンライン練習に力を入れ、好評を得ているジム、道場をよく聞く。

 空手の場合、子供に人気で、親も礼儀のために習わせたい習い事の上位に常に入る。オンラインでは、ミットやスパーリングはできないが、基本稽古、形稽古などはできる。特に形は、およそ3ヶ月に1度ある昇級審査で必要で覚えなければならず、帯が上がるたびに覚える形の種類が変わるので、コロナ外出自粛とはいえ、審査に向け、先生は生徒に指導が必要になる。

■LINEビデオ通話を使ったオンライン指導例

LINEビデオではパソコンの場合、1画面に16名までが表示される。42型テレビに映し出した場合、1マスあたりはちょうどいい大きさかもしれない。

 大阪府箕面市にある空手道場『正援塾』では、緊急事態宣言が出た4月8日に即オンライン指導に切り替えた。
 オンラインツールはLINEビデオ。LINEでできる無料テレビ通話ツールだ。※注:LINEライブではありません。

 多くが使われるビデオ会議アプリZOOMは、スマホにダウンロードが必要(パソコンは不要)のため、親御さんたちが馴染みにくい可能性もあるからと、ほぼ全ての利用されているLINEを選んだ。
 参加のしかたは、この道場のLINEのグループに入るだけ。私も承認をもらいグループに入らせてもらうと、オンライン映像で先生の正拳突きに合わせ、「エイ! エイ!」と子供たちの元気な掛け声が響いてくる。参加者側のマイク設定をオンにしてもらっているため、道場に生徒さんたちの声が響く、活気はみんなが道場にいるときのようで一体感がある。※会議ソフトは声や気合を出した生徒さんが画面に大きく出ないように設定が必要。

スマホで見える先生の指導(縦表示の場合)

 先生は、道場でWEBカメラをパソコンにつなぎ配信しているが、生徒や私もスマホで見ており、先生を映し出すモードと、生徒(お友達)を映し出すモードが変えられる。お友達は1画面にiPhone4名、アンドロイド6名まで映し出される。もっと多い場合は切り替えができる。

 先生側は、パソコンの画面のため、一気に16名まで映し出すことができる。それ以上は画面を切り替えて動きをチェックする。「Aちゃん、もっとしっかり突きましょう」「Bくんはもっと足を高く上げて」と細かく口頭指導する。手取り、足取りはできないが、その生徒に例を見せながら、生徒もやってみせ、指導は進んだ。そして最後に正座して、道場訓を全員で読み上げ、礼をして終了だ。オンラインながら練習はみんな楽しそうだ。

スマホで見える生徒さんたちの映像

 師範の若槻昌高さんは「オンライン練習の目的は技術向上はもちろんですが、子供たちの心のケアにもなっていると思います」と言う。
「現在新型コロナウイルスの影響で、学校にも行けず友達にも会えない状況です。そんな中でスマホを通してでもみんなで1つの事に取り組む一体感を味わえる場になってほしいと思っています。大人でも自粛でフラストレーションがたまるので子供はもっとだと思います。」と身体だけでなく、心のケアにも役立つと話し、この趣旨を親御さんに伝えると概ね8~9割の方に賛同してもらえたとも話した。
 指導は40分に短縮、月謝は2割引きとしたが、理解は得られたとのこと。

 ひとつ気になったのは先生の動きはスムーズだが、モードを切り替え生徒さんを映した時に、生徒さんによっては動きがカクカクしていたこと。これは生徒さんのほうの通信状態によるものであるとのことだった。

■ZOOMを使ったオンライン指導例

海外の道場から10人あまり招き、指導をする古賀さん

 川崎市にある極真拳武會の元住吉道場ではビデオ会議ソフト『ZOOM』を利用する。『お部屋でKARATE』と言い、初級者向けと中級者以上向け、それぞれ50分で行っている。配信者(ホスト)はZOOMアプリをダウンロードし、設定。生徒はスマホにZOOMアプリをダウンロードし、先生から送られてきたURLをクリックするだけで参加できる(パソコンの場合はアプリ不要)。40分まで無料で、それ以上(3人以上参加者がいる場合)となると1日中使用できるコースとなり、ホスト側に月額2000円の契約が必要になる。

指導する古賀さん(パソコン画面)

 開始5分前に生徒は指定されたZOOMのURLにログイン。先のLINE同様、スマホ画面に映った先生の号令に合わせながら、稽古をするといった具合だ。
 オンライン稽古は好評で、師範の古賀裕和さんは1回の参加人数について「大体は20人から30人の間ですね。だんだん増えている状態です」といい、「先日はチリ、ウルグアイの皆さんも一緒に稽古しました」と来日しなくても空手が学べるのもメリットだ。ZOOMでのPCでの表示はLINEの16名に対し、25人まで表示することができたり、LINEよりも音がクリアと評価されメリットがある。稽古が終わればコミュニケーションタイムとして参加者同士でみんなで楽しく話す。そこで稽古の質問にも答える。希望者にはオンラインで個人レッスンもするという。

▶︎次のページは会議ソフトはLINE、ZOOM、スカイプは? 意外と簡単だった必要な配信設備も説明

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