2021/11/02（火）UP
（最終更新：2021/11/02 18:40）

RENAとの再戦を控え、打撃を磨く

　11月20日、沖縄アリーナにて開催される『RIZIN.32』でシュートボクシング世界女子フライ級王者RENA（30=シーザージム）と対戦する、女子レスリングの元世界王者・山本美憂（47=KRAZY BEE/SPIKE22）が２日、公開練習を行った。

　山本とRENAは16年9月に対戦し、RENAがフロントチョークで一本勝ち。当時、RENAはMMA2戦目、山本はデビュー戦だった。今回5年ぶりの再戦となる。

　山本は公開練習で、息子のアーセンを相手にボクシングミット打ち。サウスポーに構え、素早く重みのあるコンビネーションを放っていった。

山本が、RENAに見事なテイクダウンを決める=16年

　山本は、RENAと5年前に戦った当時と比較して「MMA選手として成長しなければいけない部分は追いつくように練習してきました。全体的に上がっていると思います」と総合的に向上していると自信を持つ。
　RENAについても「お互いそうだけれど、試合間が1年ほど空いているので、だいぶ色んなことが成長していると思う。（RENAは）ストライキングだけでなく、MMAのオールラウンダー的な選手になってきているので、そこはストライキングもレスリングも全部潰していきたい」と全局面で上回っていくと語る。

　さらに「（RENAは）絶対にレスリング対策として、宮田（和幸）君の所へ行って練習している。一本を獲りたいというくらい練習していると思うので、それをどれくらい潰していけるかですね」とRENAのKO・一本狙いを5年間の成果で”潰す”。

■5年前のKIDとの約束、引退への思いも語る

ミットを持つのは息子・アーセン

　カード発表時、山本はSNSに「約束はちゃんと守るから!!」と投稿している。その意味を尋ねられると「あの時一番悔しかったのは、弟のKIDなので。負けた直後、リング降りる前から『やり返すぞ、次は絶対勝てるから』と言ってくれて」と、亡き弟・山本KIDとの約束の勝利だと語る。
「本人はここにいないですけど、試合の時に見てくれているし、一緒に戦っていると思うので」と、今もKIDと共に戦っているのだと言う。

前戦の計量、山本美憂（左）、RENA（右）=16年9月

　当時は「悔しがっていたKIDに対し、私自身は『何のこっちゃ』と。試合直後でぶっ飛んでいたので。でも家族が目の前で負ける所を見るとすごく辛いので、その気持ちもわかります」と家族の絆でリベンジに臨む。

　相手のRENAは「キャリア最終章へ向け負けられない試合」と語っている。現在30歳のRENAに対し、山本は47歳。”最終章”について山本は「明らかに引退に近いのは私のほうだと思う。一戦一戦全力で、これが最後だと思って戦っています」と常にリタイヤを考えながら戦ってきたと言う。

　実際の引退について山本は「私はそこがすごく不得意」と前置きながら「自分の中で満足した時」とする。「”やり切った”というよりも、MMAって色んな種類があるので、それをやり切るのは到底無理なので。自分の中で『ああもう本当に楽しかった。次の人生に行ける』と思った時。その時には思い切り笑顔でリングを降りてると思います」と自分の中の満足感に従うと語った。