2022/02/04（金）UP
（最終更新：2022/02/04 12:41）

山口裕人は松本芳道とOFGで殴り合った（21年5月）

　2月16日（水）新宿FACEにて開催されるRISEのオープンフィンガーグローブ（OFG）大会『RISE FIGHT CLUB』の公開練習が、3日、リモートで行われた。
　練習を公開したのは、OFGの代表的なファイターでもある山口兄弟（裕人＆侑馬）。裕人は東修平（AACC）と、侑馬は木村“ケルベロス”颯太（心将塾）とそれぞれ対戦する。ともに独立して、道化倶楽部【ピエロクラブ】を立ち上げたばかりだ。

【動画】山口裕人が松本芳道とOFGで壮絶な殴り合い

　公開練習も新しいジムで行われ、OFGを着用してのマススパー2分1ラウンドが繰り広げられた。OFGはグローブが薄いため、マススパーといえどもタイミング良く当たってしまうと危険だ。二人は笑顔を見せつつも、より慎重に拳を交換した。

OFGを着用して公開練習を行った山口裕人（左）と侑馬

　練習が終わると、『道化俱楽部』の看板の前でインタビューを実施。ジム設立には、もちろん費用がかかるが、「たくさんの方々のお力を借りてスタートすることができました」と裕人。さらに、「設備や道具を送っていただいたり、みなさんにグッズを購入していただいて、それを費用に充てさせていただきました。その意味では、みなさんのジムといってもいいかもしれません」と続け、侑馬も看板を振り返りながら感慨深そうな表情を浮かべて頷いた。

　ミット打ちなどの練習は二人で行うことが多いが、スパーリングは出稽古で補うようにしてきたという。侑馬は、シュートボクシング世界王者の海人とも練習をしているようで、那須川天心と武尊が対決する6月に開催予定のメガイベントで野杁正明との対戦をSNSを通じて後押しした。「とくに僕が推薦したわけではないですが、海人選手と練習している中で『勝てる日本人は想像できない』とメッセージを送っただけです」と侑馬。トップクラスの選手たちと練習できていることが、自信につながっているのだろう。

　そして刺激を受けたのは、山口道場時代から仲の良い鈴木真彦がバンタム級タイトルマッチで拳剛をKOで沈めたことだという。侑馬はセコンドに就くことはできなかったが会場へ応援に駆け付けた。目の前で鈴木が、「今年から山口兄弟がジムを辞めて自分たちのジム、ピエロ倶楽部を立ち上げたんですけど、山口兄弟はずっと兄貴分なんで、これからも背中を見せていただきたいと思います。2月にオープンフィンガーグローブだけの試合があるのでそちらにも足を運んでください。そして今年みんなで格闘技界を盛り上げていきましょう」とマイクで激励した。裕人は、ライブ映像を見ながら涙したそうだ。　

鈴木真彦は、拳剛をマットへ沈め、山口兄弟へエールを送った

　今度は、自分たちの番。バトンを渡された山口兄弟は、それを強く思っているはずだ。対戦相手については、二人とも特別に研究をしていないという。それは余裕から出た言葉ではなく、自分たちの力を信じているからなのだろう。裕人は言う。「東選手の試合を見ましたが、前に行って打ち合うことだけしか考えていない印象を持ちました。賢くないですね、僕と一緒で」と苦笑した。ケルベロスと対戦する侑馬は「でかいですね。あんなに大きな選手と対戦するのは、初めてですね。でも距離を詰めてしまえば、リーチ差とか関係ないので、やることはいつもと同じです」と気にしていない。

　今回のOFG大会の成功は、山口兄弟にかかっていると言っても過言ではない。だが、二人のコメントを聞く限り、成功する可能性は高そうだ。