2022/03/22（火）UP
（最終更新：2022/03/22 18:13）

風音は公開練習で蹴りを見せずにパンチのみを披露した（C）RISE

　4月2日（土）に開催される『RISE ELDORADO 2022』で那須川天心（TARGET/Cygames）とバンタム級（-55kg）で対戦する風音（TEAM TEPPEN）が公開練習を行った。風音は、「できるだけ（手の内は）見せたくない」としてドラム型の大きいミットへパンチを叩き込み、蹴りを使わずに最小限の動きのみを披露した。

【動画】奇跡の番狂わせを起こした風音、志朗戦で見せた鬼のパンチ連打

昨年の『DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント』で風音は、決勝で志朗を破っての優勝となった

　同門の天心との試合は、我々が思っている以上にシリアスだ。風音はSNSで批判を受けて、「多すぎて笑っちゃうくらい来ている。みんな同じようなコメントばかりで、面白くない」という。ファンイベントでは那須川弘幸会長とともに、今回の試合について「茶番でも何でもない」と何度も主張した。最近のSNSでも「これは企画じゃない」と風音が反論。どうやら緩い同門対決と一部のファンから勘違いされて、批判を受けているようだ。

　対戦が決まってから、風音は天心とは一度も会っていない。天心はTARGET SHIBUYAを練習拠点に変えているため、風音とはバッティングしない。ファンイベントやスチール撮影時は、スタッフが気を遣い時間をズラしていたため、直接の顔合わせはないそうだ。「対戦が決まってから、純粋に勝ちたいという気持ちしかありません。絶対に勝つ。何が何でも勝つという気持ちです」と風音は言う。禁断の同門対決は、どこかで気持ちが緩めば、綻びが出てしまう。そういうギリギリの極限の中に身を置いていることが、風音の言葉から伝わってきた。

　YA-MANが公開練習時に「風音は天心に判定だと勝てないことが分かっているため倒しに行くと思うけど、逆にKOされる可能性は高くなる」と風音の敗北を予想したが、これに対しても「みんな予想が一緒なので、べつに何とも思わない」と受け止めている。那須川会長からは、とくに具体的な心の持ち方を指導されることはないというが、「2人で練習していく中で、自然とお互いの気持ちが高まっている」と明かす。特別な相手ではあるが、一人の敵、そういう認識なのだろう。

風音は、打倒天心を真剣に考えて猛特訓を積んでいる（C）RISE

　これまで、どんな思いで過ごしてきたのか。迷うことなく風音は、「ワクワク感が大きいですね。この選手に勝てば、見える世界が変わる。勝ったらどんな景色が見れるのかと思うと、ワクワクします」と即答した。どんな景色になりそうなのかを聞くと、「想像もつかないですね。これまで40何人ができなかったことなので。最後の最後で、僕がそれを成し遂げたい」と風音は初めて笑みをこぼした。また、「確実に気持ちの面で成長しています。技術もそうですけど、殻を破ったと思う」と力強く宣言した。

　天心との禁断の同門対決は、もちろん茶番ではなく、ガチンコの大勝負。昨年の『DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント』で風音が見せた、奇跡の大番狂わせの再現になるかもしれない。

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