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チェチェン共和国・首長の息子がTKO勝利も、ネットで物議「こいつとはやりたくない」【海外MMA】

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2022/12/28(水)UP

デビュー戦で1RTKO勝利したチェチェン首長の息子・アリ チマエフのインスタグラムより

 12月24日(土・現地時間)ロシア・モスクワで開催された総合格闘技イベント『ACA 150』で、デビュー戦の青年がパウンドアウトで1ラウンドTKO勝利した。彼の名前はアリ・カディロフ(16)で、チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長の息子だ。このTKO勝利に、ネットや専門メディアなどで疑惑のレフリングと、物議を醸している。

【動画】この問題のTKOシーン、過去にも”疑惑”のレフェリングが

 試合でアリは、入場の際にもチェチェン国旗にカディロフ首長の顔が大きく描かれた旗を持たせて入場。首長は独裁者としても知られている。
 相手は17歳の青年でこちらもデビュー戦。ライト級戦として行われた。

 試合が開始すると、序盤はアリはステップを使っては回るも、次第に詰めてはフックをヒットさせ優勢に。
 そして相手がタックルに行こうとかがんだ瞬間、アリのかかと落としが炸裂!相手が倒れ、アリはパウンドに行く。

アリはチマエフとは「兄弟」と呼び合うほど中が良い チマエフのイン

 しかしパウンドは中腰からの手打ち気味で、相手も一打ごとにブロックし凌いでいる様子だ。
 相手がどう巻き返すか注目していると、突如レフリーが試合を止めた。

 アリは大喜びでケージへ駆け上がり、リングサイドで観戦していたカディロフ首長も笑顔だ。
 
 しかしこのフィニッシュ映像がネットにアップされると「あまりにもストップが早すぎるのでは」「茶番だ」という声が並んだ。
 確かに映像では、相手はディフェンスしつつ立ち上がる機を狙っており、ダメージもあまりないように見える。
 ”首長の息子”という忖度がなされたと見る向きが多く「私が見た中でもっとも軽いパンチでのKOだ」「こいつとは戦いたくない」というコメントが並ぶ。
 この試合を取り上げた英メディアも「対戦相手が独裁者の息子である場合は、チェチェンで MMA ファイターになりたくありません」と皮肉った。

 もっとも「レフリーからは危ないと見たのかもしれない、妥当な判断だ」という声もあり、レフリーからは、ダウンしたかかと落としのダメージが予想以上に見えたのかもしれない。

 チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長は大の格闘技スポーツファンで知られる。
 昨年3月には、UFCウェルター級で活躍する、チェチェン出身の超新星カムザット・チマエフが新型コロナウイルスの後遺症の影響で引退を宣言したが、その引退を引き留めた”功績”もある。
 また今回の試合が行われた『ACA』も、現在はカディロフ首長が運営している。

 そんな首長の息子であるアリは、チマエフや元UFC王者コーディ・ガーブラントなど超一流のファイターたちとトレーニングを行っている。
 彼が1年前に出場したアマチュアボクシングでも、相手にほぼダメージがないと思われる場面でダウンカウント、そしてストップがなされており、今回も”忖度レフェリング”の疑念が生まれたのかもしれない。

 ファイターとしては幸か不幸か、絶対的な権力者の元へ生まれたアリ。彼がいつか国外のプロモーションへ出て、どのような戦いをし、結果が出るかを見守りたい。

▶次のページ:【動画】首長の息子・アリがパウンドでフィニッシュ!/アマチュアボクシングでも”疑惑”のレフェリングが

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