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“和製ドラゴン”倉田保昭、73年公開の貴重な本格フリーファイト作品がついに公開「ブルース・リー超えを意識した」

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2024/08/05(月)UP

倉田さんの代表作が約50年の時を経て2Kリマスターで7月26日より映画館で上映が開始された

 “和製ドラゴン”こと倉田保昭(78)の代表作『帰って来たドラゴン』(73年公開)が、倉田の日本凱旋50周年を記念して、2Kリマスター完全版となって7月26日より東京・新宿武蔵野館で上映が開始、以降、全国で順次上映される。
 この作品の公開にあたり、倉田さんに取材、筆者のリクエストに応え、キレッキレのハイキックを披露してくれた。まだまだ現役だ!
ブルース・リーと交流があり彼を越えようと挑んだアクション映画の真髄を聞いた。

【フォト】倉田さんの78歳のハイキック!鋭い空手の正拳突き、映画の名場面も

 倉田さんは1970年に香港のショウ・ブラザーズのオーディションに合格し香港に移住、ブルース・リーとも交流があった。1971年にブルース・リーの喧嘩友達でもあったロバート・チャンに紹介され意気投合したのだ。撮影所や自宅にも招かれたほど。倉田がブルースリーに贈った樫の木制のヌンチャクが映画関係者の目に止まり、沖縄のヌンチャクの動きとは違う、タスキのように後ろに回転させて回すブルース・リー独自のヌンチャクの動きが出来たという。

左・倉田さん、右・主役のブルース・リャン『帰って来たドラゴン』(73年公開)が2Kリマスターとなって7月26日より映画館で公開された

 2人は映画会社が違い、互いにライバル会社だったため、共演はならなかったがこの『帰って来たドラゴン』は、ブルース・リー作品を上回ろうと、少なからず意識したものになった。

「この作品が制作される前にブルース・リーの作品が3本『ドラゴン危機一発』(71年)、『ドラゴン怒りの鉄拳』(72年)3作目の『ドラゴンへの道』(72年)上映され大成功していた。ブルース・リーの勢いを監督がすごく意識して”ブルース・リーがやらなくて、すごい技っていうのはないのかよ!”とよく現場で言ってましたね」

 撮影は危険との隣り合わせだった。これまで、約100本近くの海外映画に出演してきたが、この映画は、一番撮影が大変でアクションで怪我も絶えなかった。

「作品は今のようにCGは無いし、ワイヤーアクションもなかった。もう本番テストがなくほとんどフリーファイトなんです。口約束でこうしようとか、そんなのは最初に少し話すくらい。約7割はアドリブでアクションをしました。ごまかしは一切きかず大変でした。だからといって当てすぎて相手に怪我させてはダメなので、誤魔化し無しの真剣勝負にみせなくてはいけない。そんな撮影に中でもブルース・リャンとは息はピッタリ合った。後ろ回し蹴りなど回転系の技が多いのはブルース・リャンの得意技だったんです。ジャンプして3回転とかね。悪役の私はそれに合わせました」と倉田さん。

ブルース・リャンのハイキックに倉田さんが飛ばされる!ノンストップアクションシーンが満載!『帰って来たドラゴン』(73年公開)

 映像では見事に吹っ飛び、吹っ飛ばされ地面を転がっている、痛そう!

 また、アクションの中で2人が壁と壁の間をよじ登りながら戦うシーンは大きな見どころで、これもブルース・リーの作品には無いもの。撮影に果敢に挑んだ。下に堕ちたら大怪我も必至、マットもなかったが見事にこなした。

「1カットの為に数十回はざらで。走り続けて、追いかけて、逃げて、また闘って。当時としては珍しい。大変でしたね。この作品があったから他の映画も難なくこなせたというのもある」と過酷を極めた作品を振り返った。


 この作品が香港で上映されたのは1973年、ライバルとして見ていたブルー・スリーが同年7月に香港で亡くなったのは非常に残念だが「きっとこの作品は見てくれたと思います」と倉田さん。生前のブルース・リーをライバル視した貴重な作品。“これでもか”というくらい戦い続ける貴重な本物アクション。格闘技好きにも必見だ。

 なお、同時上映で昨年撮影された短編アクション映画『夢物語』と、週替わりで6月に撮影したばかりの最新作『夢物語・奪還』も併映。78歳の現在も身体を鍛えスクリーンで戦っている。『帰って来たドラゴン』と現在のアクションを見比べるのも面白いと思います。

『帰って来たドラゴン』2024ポスター

【解説】『帰って来たドラゴン』は、ブルース・リーが巻き起こした“ドラゴン・ブーム”に乗り、70 年代に大量に製作され、世界を席巻した香港製クンフー映画の中でもノンストップで繰り広げられる壮絶なアクションで伝説と化した最高傑作の1 本。しかし、この人気作は、マスターネガの損傷により再上映やHD 化が不可能といわれ、長らく幻の作品となっていた。製作・監督・脚本を手掛けたウー・シーユエンが、「倉田保昭日本凱旋50周年」を記念した再上映企画を知り、素材を再度捜索した結果、99 分完全版のマスターが発見され、自らリマスターの監修を行い、現存する最良にして最長版による奇跡の2K リマスター版が完成、日本のスクリーンに奇跡の復活を果たすことになった。これまでビデオやDVD で発売されていたのは92 分短縮版だった。

【映画の主なあらすじ】清朝末期。麻薬や人身売買など、あらゆる犯罪と暴力が渦巻く悪の魔窟にやってきた1 人の男。巷にはびこる悪を懲らしめながら流浪の旅を続けるドラゴン(ブルース・リャン)と2人の弟子が“シルバー・パール”というチベットの寺院から盗まれた秘宝を巡り争奪戦を繰り広げる。その敵役のブラック・ジャガーを倉田が演じる。ブラック・ジャガーは非情な殺人空手の使い手として恐れられる格闘家で、彼が肩に背負い、運んできたものこそ秘宝“シルバー・パール”だった。そしてドラゴンとブラック・ジャガーは果てしない戦いを繰り広げる。

 ♢倉田保昭(くらた・やすあき)
1946年3月20日  茨城県出身 身長:172cm 体重:65kg 
空手:7段 柔道:3段 合気道:2段
1971年、香港ショーブラザーズ社「悪客」で香港映画デビュー、一躍香港映画界でブルース・リーとならぶスーパースターとなる。
これまでの香港映画出演作品は100本を越え、「七福星」ではジャッキー・チェンと、「セブンス・カース」では、チョウ・ユンファと共演。「フィスト・オブ・レジェンド」でジェット・リーと共演している。日本では「闘え!ドラゴン」「Gメン’75」が代表作。
近年では、香港映画だけにとどまらず「サムライ」等のフランス映画にも出演している。
2010年、中国超大作映画「精武風雲」でドニー・イェンと共演。香港映画デビュー54年を迎え、名実共に全世界の映画界を代表するアクションスターである。

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