新王者・堤聖也、井上拓真との”超”激闘中も「ずっと怖かった」支えた気持ちとは
10月13日(日)東京・有明アリーナにて開催されたプロボクシング[WBAバンタム級タイトルマッチ]で王者・井上拓真(大橋)からダウンを奪う判定3-0に下し、新王者となった堤聖也(角海老宝石)が試合後インタビューに答えた。
全ラウンド、フルスロットルの猛打で勝ち取った勝利だが、堤は「ずっと怖かった」「もっと行かないといけないのに」と弱気の自分と戦い続けていたと明かし、それを支えた井上への思い、今回の戦い方について語った。
【フォト・動画】堤がダウンを奪った瞬間!井上拓真が”ガクリ”腰を落とす
試合は序盤は井上が堤の猛攻を巧みなディフェンスでさばくも、堤はギア全開の連打を止めない。4Rからは堤の左がヒットし、井上はロープに腰を落とす痛恨ダウンを喫した。そのまま堤は止まることなく、最終ラウンドまで猛攻を貫いた。
2人は同い年で、約12年前、高校のインターハイ準決勝で2人は対決し、その時は井上が堤に判定勝利を収めている。堤にとっては12年越しのリベンジ成功となった。
試合後インタビューで堤は「高校生の時からずっと拓真のことを考えてて、リベンジしたいって。彼からしたら僕は、インターハイで1回試合した同じ年の奴。でも本当に12年間、ずっと片思いしていて、追いかけて追いついて、今日超えることが出来た」と涙ぐみながら喜ぶ。
試合では「ボディがなかなか当たらず、どうしようかなと思った」と井上のディフェンス技術に舌を巻いたが「肝心のスピードは正直予想範囲内だった。Rごとにちょっとずつ慣れていった」と、井上最大の武器であるスピードは予想を超えることが無かったと言う。
また井上の右アッパーも「彼アッパー好きだから、こういうアッパーだよねってイメージしてた」とイメージ通りだとし、ボディ攻撃も「効かされるものと、覚悟持って行った。良いのもらっても気にしないで戦った」と憧れの井上拓真だからこそ、強さを想定して向かっていったとのこと。
序盤のラウンドは取られているという感覚があったと言うが「正直このR取ったとか取られたとか、ポイントのことは全く考えていなかった。もう本当に1R、1R、全力で戦ったという試合だった」と振り返る。マイクでも「Rごとにトレーナーたちが声をかけてくれて、1R1R心の灯をともすことができて、戦い続けることが出来た」と語っており、1Rごとの勝負だったと言う。
ダウンを取った10Rも「10Rだったんだ」とR数は覚えていないと明かす。
ダウン奪取後は「行けるところで行かないといけない」と攻勢を緩めなかったとし「でも拓真の上手さはあって、もっと行かないといけないのに、 これ以上行かせてくれない。自分の力不足な所も感じた」と井上のディフェンス技術に阻まれ続けていたと言う。
その井上は試合後インタビューで”気持ちの部分で負けた”と語っていたが、堤は「(井上の気持ちが弱いとは)思わなかった。気持ちが強いなと思ったし、僕も自分が弱気になってるんじゃないかって疑心暗鬼で、戦っていてもずっと怖かった。出し切ろう出し切ろうと思ってても、どこかでずっと怖かった」と自分こそ恐怖と戦っていたと言う。
この先については「(バンタム級の王者が)4人とも日本人、誰と見たいとか出て来ると思うので、そういう試合はやっていきたい。やりたくない奴とも僕は別にやるし、やってきてるんで」と統一戦も望む所だとする。
堤は昨年12月、穴口一輝からダウンを4度奪い判定勝ち。しかし試合後穴口は右硬膜下血腫の開頭手術後、意識が戻らず死去した。
この穴口に関する質問に堤は深く間を置き「報告はしたいっすね。別になんか、ここで言うことでも無いかなと思います」と声を震わせつつコメントした。
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