【RISE】原口健飛、志朗らと再起の鴨川合宿「何かを変えたかった」
11月2日(日)、東京・両国国技館で開催される『RISE WORLD SERIES 2025 FINAL』を前に、原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)と志朗(BeWELLキックボクシングジム)が参加した永末“ニック”貴之トレーナー主宰の鴨川合宿の様子が、主催者から届いた。
9月某日、永末“ニック”貴之トレーナーが主宰する2泊3日の鴨川合宿が行われた。永末トレーナー主宰の合宿は定期的に行われ、RISE世界バンタム級王者・志朗を筆頭にRIZINバンタム級王者・井上直樹ら各競技のトップファイターたちが参加。今回は原口も加わった。
今年8月のRISE大田区大会でチャド・コリンズの持つRISE世界スーパーライト級王座に挑んだ原口。1Rに左ハイキックでダウンを奪ったものの、2R以降はチャドの猛攻を受け、判定負けという結果に終わっていた。この一年で原口はペットパノムルン・キャットムーカオ 、ミゲール・トリンダーデ、チャドと65kgの世界トップ3にいずれも敗北。シード枠での登場となるGLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENTに向けて、トップ3の壁を打破すべく、原口が着手したのが今まで経験しなかった練習をすること。その一貫が今回の合宿への参加であり、合宿直前には韓国に渡り、同トーナメントにシード参戦するイ・ソンヒョンのもとでもトレーニングキャンプを張っている。
原口は「もともと11月にトーナメントが決まっていたので、いつまでもクヨクヨしてられへんなと思ったんですよ。もちろんチャドに負けて悔しかったですけど、この悔しさをどう生かすかをチームで話し合いながら、今まで話したことないぐらい深い話もして、何かを変えてみようっていう結論になりました。今までやってこなかったことをやってみて、それをやったあとにシンプルに自分自身がどう変わるのかを見てみたい、感じてみたいと思いました」と、合宿に参加した理由を語った。
一般的に、合宿というと年に一回、もしくは夏合宿や冬合宿という形で行われるものだが、永末トレーナー主宰の合宿は隔月ペースで行われ、試合スケジュールに合わせて上乗せされることもあるという。志朗曰く「日本の選手は3~4カ月に1回や半年に1回ペースで合宿をやることが多いと思うんですけど、僕はそれでは世界のトップ選手や海外の選手には勝てないと思っているんですよ。だから基本的に合宿は2カ月に1回、大きな試合が決まればさらに追加する形でやっています」と、まさに世界で勝つことを目的にした合宿だ。
取材日は早朝からの階段ダッシュに始まり、午後と夜にフィジカルトレーニングとジムワークを行う三部構成。体を追い込むことはもちろん、普段は顔を合わせない選手たちとのジムワークは刺激にもつながっている。
原口は「僕は定期的に参加できるわけじゃないんで、シンプルにきつかったですね。でも刺激を入れたいという思いで、歯を食いしばりながらやってました。しんどい練習そのものは普段からやってるんですけど、合宿という形式で高負荷のトレーニングを連続でまとめてやることはあまりないので、いい経験になりました。技術練習では普段は手を合わせない選手たちばかりなので、色んなパターンを知ることができて楽しいですね」と合宿でさまざまな刺激を得たようだ。
「練習メニューはニックさんが考えてくれて、今回は階段ダッシュ、フィジカル、技術練習という感じですね。初めてやる相手にはこういう技が決まるんだとか、色んな発見があるのもいいですよね」と新たな発見もあったという。
一度の合宿参加で選手が劇的に強くなることはないが、変わるきっかけを掴むことは出来る。原口は合宿の成果は自分次第だとし、志朗も「普段やらない合宿に参加するという時点で何かを変えたいという気持ちが伝わってきた」と話す。
原口は「この合宿で何を得られたかは分からないし、得られたものがどこで出るかも分からない。あの合宿に行って良かったなとか、もし行ってなかったら負けてたかもしれないと思うのは自分次第。合宿が終わったあとに行って良かったと思える気持ちになればいいなと思います」とコメント。
志朗は「最初は『本当に(原口が)合宿に来るのかな?』と思ったんですけど(笑)、普段やらない合宿に参加するという時点で何かを変えたいという気持ちが伝わってきました。僕も『THE MATCH 2022』で負けた時はすぐ合宿に行って、それから新しいスタイルを作ろうと思って練習を続けていました。この合宿に参加したからと言って急激に変わることはないと思うし、地道に積み重ねていくことが必要で、何かを変えようと思ったら継続して続けなければいけない。原口くんにとってこの合宿が変わるきっかけになったらいいなと思います」と言う。
11月2日のRISE両国大会では、原口はGLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT2回戦でペトル・モラリ(モルドバ/Kickboxing fearless)と対戦する。再び世界のトップ3にチャレンジするためにも落とせない一戦だ。
この試合に向けて、原口は「ペトルに勝ちたいのはもちろんですが、これから先自分がどうなりたいかを一番の重きにおいている感じですね。トーナメントを勝ち上がれば自ずとペッチ、ミゲール、チャドたちとやることになると思うし、自分はあの3人に負けてはいるけど、何かがバーン!と変われば、一気に喰えるんじゃないかなという自信もあるんですよ。これから先あいつら3人を喰うまでは、変わらず自分がどうなりたいかを意識しながら過ごしていくと思います」と語る。
さらに「これからは自分自身のために戦いたいなというのがすごいありますね。自分が戦いたいスタイルでしっかり勝った姿を見せたいです。自分はもともと神経を張り巡らせて、一発ももらわず勝つファイトスタイルで戦ってきてたんですけど、最近はわざとそれを殺していたり、とにかく倒したい・KOしたいみたいな感じに変わっちゃって。もちろんそれはそれで大事やったんですけど、自分ができる本来のスタイルはおそらくそうじゃないと思うんで、自分らしさ全開で戦いたいですね」と意気込んだ。
そして志朗は、スーパーファイトでタイのペットサンコム・ソー・ソンマイ(ソー・ソンマイ)と対戦する。今年8月の大田区大会で玖村将史へのリベンジを果たして、世界王座を防衛した志朗は「次は勝ち方も求められてると思う」と語る。
「玖村戦では久々に万全の状態で試合ができて、パンチの種類も含めて色んな技を見せられたと思います。これから自分には戦っていかないといけない相手がいると思うので、その選手たちを見据えてもコケちゃいけない。次は勝ち方も求められると思うので、そこも見せたいです。最近は人体のここが弱点だなとか、ここに打撃を当てると効くなということをすごく考えてていて、倒すパターンを色々と増やすことを意識しているので、今までにない勝ち方・倒し方が出来ると思っています。ただ勝つだけじゃなくて『志朗また強くなっているな』と思わせて勝つのが世界チャンピオンだと思います」と世界王者としての決意を新たにした。
また志朗は「今のRISEは60kgより上の階級が盛り上がっていますが、軽量級のトップは自分なので、自分がいい試合を見せれば、来年は軽量級でも熱くなれる時代が来ると思っていますね」と軽量級そのものを盛り上げたいと続け、対戦が熱望される大﨑孔稀については「僕は彼みたいに絶対KOするとは言わないですけど(笑)、そこ(試合内容と結果)は比べられますよね。ファンも関係者も『志朗と大﨑はどっちが強いんだ?』と競わせて見ていると思うので、そこは自分も少しは意識しています。ただ自分は自分の試合をきっちりやろうと思います」と王者らしい言葉を残している。
2025年、RISE年内最後のビッグマッチ。原口と志朗はそれぞれの形で世界への戦いに挑む。
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