【大道塾】津波に襲われながらも生還した石巻支部の鈴木清治が初優勝！

2011/05/22（日）UP
（最終更新：2015/09/07 19:40）

全日本空道連盟/大道塾総本部　北斗旗実行委員会
「3・11東日本大震災チャリティー　2011北斗旗全日本空道体力別選手権大会」
2011年5月22日（日）愛知県武道館
開会式10：30

　 5月22日（日）愛知県武道館にて『3・11東日本大震災チャリティー　2011北斗旗全日本空道体力別選手権大会』が開催された。当初、同大会は5月 15日に仙台市体育館で開催されることが決定していたが、地震の影響で会場が使用できなくなったため、急遽、名古屋に場所を移して行われたもの。

「被災者を元気付けたい」との想いから、被災に遭った東北各支部からも選手が自ら志願して参加し、大きな被害に遭った宮城県石巻市にある石巻支部所属の鈴木清治（右写真）が－250クラス（体力指数＝身長＋体重の数値）で悲願の全日本初優勝！　会場が感動に包まれた。

　鈴木は地震発生時、市内を車で走行中に前方と側面から津波に襲われ、車を降りて津波に流されつつもフェンスにしがみつき、近くの建物の中に避難。完全に冠水した建物1階の中を泳いで移動し、上の階に辿り着いて生き延びたという。

「津波に流される人・車に閉じ込められたまま流される人・電柱にしがみついてる人、周辺では助けを求める悲鳴や叫び声 が聞こえ、どうする事も出来ない自分が悔しかったです。数キロ先では石油コンビナートが燃え、物凄い火柱と黒煙を上げ炎上していました（自分の職場のすぐ 隣です）。この世の終わりかと思う様な光景でした」と、鈴木はその時のことを振り返っている。

　大会前、鈴木は「北斗旗体力別への出場は正直迷いましたが、“今こそ東北、宮城、石巻＆女川の底力を見せる時だ！” と思って出場を決意致しました。支部道場も被害を受け、また交通手段も無いので稽古は困難な状況ですが、東北本部や各支部道場などに出稽古させていただい ております。出場するからにはもちろん勝ちにいきます」とコメントを寄せていた。

　また、同時開催された全日本BC（ビジネスマンクラス）選抜でも、東北本部の佐藤順がBC重量級の部で優勝し、全国からの声援に応えるかたちとなった。

　－230クラスは平安孝行（中四国本部）が3連覇と5度目の優勝を達成、－240クラスは田中俊輔（帯広支部）が2 年ぶり3度目の優勝、－260クラスは阿部和幸（新潟支部）が2連覇、260＋クラスは加藤久輝（安城同好会）が2連覇、女子部は神山喜未（日進支部）が 初優勝している。昨年から大活躍している加藤は最優秀勝利者賞も獲得した。

　なお、今大会の入場収益はすべて義援金として被災した東北各支部の復興支援に充てられる。

RESULT

▼女子
優勝　神山喜未（日進支部） 　
▼－230クラス
優勝　平安孝行（中四国本部）準優勝　草薙一司（秋田支部）
▼－240クラス
優勝　田中俊輔（帯広支部） 準優勝　堀越亮祐（日進支部）
▼－250クラス
優勝　鈴木清治（石巻支部） 準優勝　魚津礼一（八王子支部）
▼-260クラス
優勝　阿部和幸（新潟支部）
▼260+クラス
優勝　加藤久輝（安城同好会） 　
　 　 　
最優秀勝利者　加藤久輝（安城同好会）

■全日本ビジネスマン空道選抜大会

▼BC軽量級
優勝　井之上恭秀（吉祥寺支部）　準優勝　久世直紀（中部本部）
▼BC重量級
優勝　佐藤順（東北本部） 準優勝　笠井良太郎（名張支部）