【フリースタイル空手】キック、MMA、空手王者らが制す
国際武道人育英会(IBMA)
「第2回フリースタイル空手東京オープン」
2014年2月23日(日)東京・代々木オリンピック記念青少年スポーツセンター
フリースタイルカラテとは、極真空手第22回全日本王者の増田章が考案した、従来の突き・蹴りに加えてつかみ、引っ掛け、首相撲、投げなどの組み技が認められ、有効な技が決まればポイントが与えられるというルール。相手の道衣をつかんでの打撃や、蹴り技をキャッチして転倒させるなど多くの技が使えることからフリースタイル(自由な形)と命名された。
前回2012年10月に開催された第1回大会では、“サバキ”という崩し技が特色の円心会館の元世界王者、アマチュア総合格闘技の全日本王者、元キックボクシング王者などが出場して話題を呼んだが、今大会にも様々な流派・格闘技から選手がエントリー。
その中で一般部各階級の優勝を勝ち取ったのは、元キックボクシング2冠王の青木亮(龍道場)、前回の中量級優勝者で第1回全日本パンクラスゲートオープントーナメントライト級優勝・菅原和政(マスタージャパン)、国際大山空手全米軽量級・重量級優勝の実績を持つ中川賢一郎(リバーサルジム)。主催であるIBMA極真会館所属の木村旬志も-60kg級を制した。
増田代表は「選手はみんな良かった。前回よりも戦い方がきれいになっていましたね。特に青木、中川選手が良かったです。打撃から崩し(投げ・倒し技)、そして決め(倒した相手に突きを寸止めで決める)の流れがスムーズでした」と、フリースタイル空手の戦い方が浸透してきたと総括。「しかし、もっと良くなるはずです。ルールを理解していただければもっともっと技が出てきます」と、さらなる進化に期待していた。
また、前大会では投げや崩し技に苦しめられたIBMA極真会館勢だったが、その後は投げや崩し技を強化し、今大会では攻守ともに向上したところを発揮した。
▼一般 -81kg級決勝戦
○中川賢一郎(リバーサルジム)
合わせ一本勝ち
●坡場一記(はば・かずき/IBMA極真会館)
中川は国際大山空手全日本優勝、国際大山空手全米軽量級・重量級優勝、新極真空手北米選手権中量級優勝と空手で数々の実績を持つ。対する坡場は身長で184cmと中川を大きく上回る(中川は176cm)。
中川は、坡場の蹴り足をキャッチして倒しての決めで有効を奪うと、足払いからの決め、押し出しなどで次々とポイントを加算していき、最後は足払いからの決めで有効を奪い、12-0で合わせ一本勝ち(先に12点に到達した方が合わせ一本勝ちとなる)。圧倒的な差を見せ付けた。
増田代表は「打撃から引っ掛け、足払いで崩して決める。本来の空手はああいうスタイルだったはずです。素晴らしい戦いぶりでした」と、中川を高評価した。
▼一般 -74kg級決勝戦
○菅原和政(マスタージャパン)
ポイント8-3
●竹井 慎(スーパータイガージム田中塾)
菅原は昨年の中量級優勝者で、第1回全日本パンクラスゲートオープントーナメントライト級優勝の実績を持つプロ総合格闘家。対する竹井は42歳と高齢だが、総合格闘技ジムのスーパータイガージム田中塾所属で、総合格闘家同士の決勝戦となった。
竹井が足を取っての崩しと押し出しで効果2つを奪い2点を先行するが、菅原が後ろ廻し蹴りをクリーンヒットさせてテクニカルハイキックポイント有効3点を奪い返す。その後は菅原がハイキックとタックルでポイントを重ね、8-3で2連覇を達成した。
菅原は「みんな対策をしてきて、それをさらに上回る動きを求められていたので大変だった」と試合を振り返り、「自分のタックル対策をしていることが雰囲気で分かったので、それを逆に利用してハイキックを当てました。加えて狙ったタックルは成功したので良かったです」と、考えて戦ったことが勝因だと語った。
また、21歳の菅原を相手に健闘した竹井は「手技による顔面攻撃と関節技がないので、安心して試合が出来ました」と、フリースタイル空手ルールの良さを振り返った。
▼一般 -67kg級
○青木 亮(龍道場)
合わせ一本勝ち
●秋葉和宏(帝京平成大学)
青木は元J-NETWORKフェザー級&M-1スーパーフェザー級王者のキックボクシング二冠王。対する秋葉もキックボクシングで1勝の戦績があり、キックボクサー対決の決勝となった。
青木は投げにいったところで逆に投げられて先制点を奪われたが、以後は蹴り足をキャッチして足を払う倒し技を連発。10ポイントを獲得したところでタックルを決められて有効を奪われるが、さらにサバ折りによる効果、蹴り足をキャッチしての倒し技で有効を追加し、12-4で合わせ一本勝ちとなった。
昨年は菅原に敗れて優勝を逃し、今回が初優勝となった青木は「もちろん嬉しいですが、反省点もたくさんあるので悔しさの方が上です。でも、反省点があるからまた練習するのが武道スポーツ。満足して終わらないからこそ、次の山を登ろうとするのだと思います」と、さらなる向上を口にした。
また、今回から試合時間が3分から5分に変わったことについて「立ち技系の選手にとっては凄くいいです。最初の2~3分でどう戦うかを考えて、点を見つけてそこを攻めていくことが出来ます」と、ポイントになりやすい組み技に立ち技の選手が対抗できる時間だと評した。
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