【ROAD FC】前王者・福田力が復活勝利、世志琥はMMA初陣でTKO勝ち
ROAD FC
「ROAD FC 036」
2017年2月11日(土・現地時間)韓国・ソウル 奨忠体育館
▼メインイベント(第12試合) ミドル級 5分3R
○福田 力(GRABAKA/元DEEPミドル級王者、元ROAD FC同級王者)
判定3-0
●キム・ネチョル(韓国)
昨年1月の初防衛戦でTKO負けを喫して王座から陥落した福田が、約1年ぶりとなる再起戦を迎えた。
福田は2009年6月にDEEPミドル級王座を獲得した実績を持ち、2011年2月から2013年3月までUFCも経験した36歳。レスリング仕込みの組みの強さとハードパンチを武器としている。ROAD FCには2014年1月から参戦し、2015年7月にミドル級王座を獲得。初防衛戦ではチョ・ジョンファンに敗れている。対するネチョルはキックボクシング仕込みの強打を武器とする31歳。2011年12月のプロデビューから9戦6勝3敗の戦績を収め、ここ最近は4連勝中と好調を維持する。
なお、この試合の勝者は現王者ジョンファンへの事実上の挑戦者決定戦と見られており、福田としては勝利してリベンジ&王座奪回のチャンスを手にしたいところ。
1R、ネチョルがパンチを放ったところに、福田は鋭いタックルから片足を捕らえてテイクダウンを試みる。腰が強いネチョルを倒せず、逆にバランスを崩して上を取られるが、ここは落ち着いて対応。上手く立ち上がると再び組みつき、今度は足を払ってテイクダウンに成功する。下から腕十字や三角絞めを狙うネチョルに対し、福田は上からパンチを顔面と脇腹に打ち込む。
2R、打ち合いから距離を詰めて組みつく福田。ネチョルをケージに押し込み、ボディにコツコツとパンチとヒザ蹴りを入れる。福田が組みの攻防で主導権を握り始めるが、ネチョルは離れ際に鋭い左フック。さらに、福田のローに右フックを合わせるなど、徐々に持ち味を発揮。しかし、福田はしつこく組みつき、ラウンド終盤には足を掛けてテイクダウンに成功。そのままケージに押し込んで頭を上げさせると、終了間際にパンチを上から連打。試合巧者ぶりを見せる。
3R、福田のローブローで一時中断。再開後、前に出て来るネチョルと打ち合うが、右アッパーを被弾。すかさず組みついてタックルに入るが、ネチョルはこれを堪えると、逆に足を掛けて投げを見舞った。しかし、福田はすぐに立ち上がると、パンチから距離を詰めて組みつく。離れようとするネチョルにしつこく組みつき、終盤には再びテイクダウンに成功。肩固めを仕掛けながら、マウントを奪取したところで試合終了を迎えた。
組みの強さを発揮して試合をコントロールした福田。再起戦を判定勝ちで飾り、ミドル級王座奪回に向けて前進することとなった。試合後、マイクを向けられると、「今日、本当に試合をするのが怖かったです。怪我もあったりして、練習も上手くできなかったですが、みんなの応援があったので自分を奮い立たせて戦うことができました」と喜びのコメント。続けて、現王者に向けたメッセージを求められると、「この前の試合も、(ジョンファンは)素晴らしいKO勝ちだったと思います。僕もまたタイトルマッチができるように、強くなって戻って来ます」との言葉を送った。
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▼第8試合 女子無差別級 5分2R
○世志琥(よしこ/フリー)
TKO 1R 2分01秒
●チュン・ソンユ(韓国)
1月24日にMMA初挑戦が電撃発表されて話題となった“極悪女子プロレスラー”の世志琥(よしこ)が、ついにそのデビュー戦を迎えた。
現在23歳の世志琥。2011年1月に17歳でプロレスラーとしてデビューし、2014年8月に第4代ワールド・オブ・スターダム王座を獲得。2015年2月の防衛戦で相手選手に顔面攻撃を繰り返して重傷を負わせたことが問題となり、同年5月に一度引退を表明したが、昨年に日本の女子プロレス団体「SEAdLINNNG」(シードリング)で現役復帰した。その強面、ガン飛ばし、口の悪さなど、ヤンキーのようなヒールぶりは韓国でも話題となっているという。
対するソンユは2年前からMMAの練習を始め、ROAD FCアマチュアセントラルリーグなどに出場。プロデビューは2016年11月に行い、その試合ではベテラン選手に打撃で敗れている。今回が2戦目だ。
そんな両者は今回、無差別級ワンマッチで対戦。身長とリーチはソンユが世志琥を大きく上回っているが、体重は前日計量で世志琥(77.85kg)がソンユ(67.6kg)を10.25kg上回ることとなった。世志琥はこの体重差を活かせるか。
試合は、1R開始のゴングと同時に世志琥が突進して右ストレート。ソンユもすかさずパンチで応戦し、両者はいきなり激しい打ち合いに。いったん落ち着くと、ソンユがリーチを活かしてジャブとローを的確に当てる。
顔面にパンチを被弾しながらも、世志琥は再びパンチを繰り出しながら突進。ソンユをケージに押し込むが、ここで髪の毛をつかんでパンチを打ち込むという反則行為を犯して減点に。韓国人審判の注意を受けると、セコンドに向かって「何言ってるか分からねえよ」と一吠え。この間にソンユはサミングをアピールしてドクターチェックを受ける。
試合再開となると、ソンユがパンチで攻勢に。一瞬、嫌がり後ろを向いてしまう世志琥であったが、左手を前方にかざすと、すかさず渾身の右ストレートを振り抜いた。この一撃でソンユが後ろに吹っ飛び、うつ伏せの状態になったところへ、世志琥はバックマウントからパウンド連打。レフェリーが試合を止めた。
MMAデビュー戦をTKO勝利で飾った世志琥。試合後のフォトセッションでは、カメラに向かってガンを飛ばしながらも、思わず笑顔をこぼす。マイクを向けられると、「SEAdLINNNGの世志琥です。まずはROAD FCの関係者の皆様、対戦相手、そしてセコンドのみんな、本当にありがとうございました! 今はその言葉しか出てきません」と感謝の言葉を述べるとともに深々と頭を下げた。また、今後もMMAを続けるかとの質問に対しては「今は何も考えていません」と答えた。
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