【DEEP】“PRIDEの遺伝子”芦田が上迫を破り新王者に、RIZIN参戦をアピール
DEEP事務局
「DEEP 81 IMPACT」
2017年12月23日(土)東京・ディファ有明
▼メインイベント DEEPフェザー級タイトルマッチ 5分3R
〇芦田崇宏(BRAVE/挑戦者)
判定4-1 ※29-28、28-29、29-28、29-28、29-28
●上迫博仁(チーム クラウド/和術慧舟會HEARTS/DEEPフェザー級王者)
※芦田が第8代王座に就く。上迫は初防衛に失敗。
上迫は7月に石司晃一をサッカーボールキックで壮絶KOしてDEEPフェザー級王座を獲得。王者第一戦となった10月大会でも岩瀬茂俊をサッカーボールキックでKOした。王座獲得から5カ月での防衛戦は異例の早さでもある。
挑戦者の芦田は打撃・寝技とも得意にする選手。宮田和幸の愛弟子として2010年10月にDEEPに初参戦。以降DEEPとBRAVE FIGHTを主戦場にし勝ちを積み重ねた。2014年8月にシンガポールで開催された『REBEL FC』ではWECとUFCで活躍していたミゲール・トーレス相手に互角に戦うなど一気にその名を轟かせ、9月のDEEPではDJ.taikiを僅差の判定で破っている。
1R、上迫は左右にステップを踏みながら右ミドルを蹴っていく。芦田はフェイントをかけて前足へのローキック。ローの蹴り合いがあり、お互いにパンチと蹴りを単発で交換する。蹴りからパンチにつなぐ芦田と、蹴りでボディを攻めていく上迫。
2R、より手数を増やしてパンチと蹴りで攻める芦田。芦田の左ストレートに上迫が右フックを返してヒットさせた直後、芦田の返しの右フックで上迫が後方へ吹っ飛ぶようにダウン。上に乗って攻める芦田だが、上迫はこのピンチを逃れた。終盤、上迫が上になってパンチを入れるが、ダウンを挽回できるほどは攻めきれず。
3R、ワンツーを何度も放つ芦田を押し倒すようにしてテイクダウンした上迫。しばらく上をキープした状態が続き、バックも奪う。しかし、残り1分で芦田がブリッジで体勢をひっくり返して上になることに成功し、ガムシャラにパウンドを打っていく。
5名のジャッジによる判定はいずれも1ポイント差、4-1で芦田が勝利して悲願の王座に就いた。
芦田は号泣しながら「どうしても欲しかったです。僕がデビューして30戦目の節目の試合で、憧れのDEEPのベルトが獲れて嬉しくてたまらないです。僕は一人ではこんな怖いケージの中では戦えません、みんなの応援があるからです」と、応援に駆け付けた大応援団へお礼を言う。
続けて「このベルトを一番あげたい人がいます。宮田さん、19歳からこんな年(28歳)になるまでありがとうございました。これからもよろしくお願いします。このベルトを贈るって毎日思っていました。その夢がかなって嬉しいです」と、師匠である宮田和幸にベルトを渡してまたも号泣。
最後には「僕はPRIDEの遺伝子を継いだ選手です。いま日本最高峰のRIZINに絶対に出させてもらいます」とRIZIN参戦をアピールした。
試合後のインタビューでは「応援が聞こえたからしんどい試合が出来ました。気持ちでは負けないように勇気を持って挑んだ。それが勝因です。最後、上を取れたのは“ここで頑張れ”と自分に言い聞かせて死にもの狂いで力を込めたブリッジです」と試合を振り返った芦田。
多用した前足へのローキックについては「三崎和雄さん(PRIDEウェルター級グランプリ2006王者)にダン・ヘンダーソン戦で前足へのインローを狙ったと聞いてビビッときて、一人で映像を見て研究したものです」と明かした。
そして「PRIDEを見て育って格闘技を始めたので、PRIDEの遺伝子を継いだ選手だと僕は思っています。RIZINが昔のように盛り上がる団体になって欲しいので、僕らが盛り上げないといけないと思っています」とRIZINへの想いを語った。
▼セミファイナル DEEPライト級 5分3R
〇横田一則(K-Clann)
一本 2R 4分20秒 ※アームロック
●ユン・ダウォン(韓国/MMA STORY GYM)
柔道をバックボーンに持つ横田は2007年2月に第3代DEEPライト級王者となり、2012年2月にはDEEPフェザー級王座も獲得して二階級制覇を達成。ISAO、今成正和といった実力者たちを相手に5年間負けなしという記録を打ち立て、2016年5月からはシンガポールを拠点とするビッグプロモーション『ONE FC』に参戦。連敗を喫して2017年1月からリングを離れていた。今回が約2年ぶりのDEEP復帰。ROAD FCからの刺客であるダウォンと対戦した。
1R、ローから鋭いフックを見せるダウォンに、横田は長い距離でのジャブ。ローでダウォンのバランスを崩すと一気に組み付く。一度離れるとパンチの打ち合いになり、ダウォンがタックルを仕掛けてくるが横田が寝技でしっかりと上を奪う。横田はアームロックから腕十字を仕掛けていったが、これはダウォンが防いだ。
2R、序盤は打撃戦となり、お互いにパンチとローを放つ。パンチが交錯したかと思えば横田が浴びせ倒すようにしてテイクダウン。しっかりと抑え込む横田はパンチも落としていく。ダウォンは立ち上がって打撃からのタックル。横田はこれを首投げで切り返し、けさ固めになると一気にアームロックで仕留めた。
横田はマイクを持つと、「2年ぶりです。お久しぶりです。2年間でますますハゲました。9月に自分のジムをオープンしました。ずっとチャンピオンとしてやってきましたが若い子にチャンピオンになってもらった方が嬉しいと考えるようになりました。
また、今日も試合をして自分が弱くなっているのが分かりました。一線級でやっていくのは難しいなって感じました。昔の俺ならしっかり勝てていたって考えさせられました。自分は40歳になります。引き際を考えて、あとは引退試合で当然勝ちを狙いますが、やってきた集大成を見せられたらと思います。ぜひもう1試合、日本でやりたいと思います」と、ラスト1試合と公言した。
試合後のインタビューでは、得意の前蹴りを一切使わなかったのは「ヒザがもうダメなので、蹴ったらヒザが抜けて自分がダウンしてしまうから蹴れなかった」からだと明かした。
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