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【UFC】最恐女王サイボーグが苦戦の末にホルム破って初防衛

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2017/12/30(土)UP

王者サイボーグ(左)の圧倒的なパワーと破壊力が、ホルム(右)のテクニックと闘志を凌駕した

Ultimate Fighting Championship
「UFC 219」
2017年12月30日(土・現地時間)アメリカ・ネバダ州ラスベガス T-モバイル・アリーナ

▼女子フェザー級タイトルマッチ 5分5R
○クリスチャン・サイボーグ(32=ブラジル/元Strikeforce女子フェザー級王者、元Invicta FCフェザー級王者、UFC女子フェザー級王者)
判定3-0 ※49-47、48-47、48-47
●ホリー・ホルム(36=アメリカ/元UFC女子バンタム級王者、UFC女子フェザー級2位、挑戦者)
※サイボーグが初防衛に成功。

今年7月のUFC初代女子フェザー級王座決定戦で圧勝したサイボーグ(左)

 2017年のUFC最終戦は女子フェザー級タイトルマッチ。王者サイボーグが元女子バンタム級王者ホルムの挑戦を受けて初防衛戦に臨んだ。

 サイボーグは18勝1敗1ノーコンテストの戦績を誇り、このうち実に16試合がKO勝ち。まさに“世界最恐女子”の名に相応しい圧倒的な強打の持ち主だ。Strikeforce(現在はUFCに統合)とInvicta FCの北米メジャー2団体で戴冠を果たし、昨年5月に世界最高峰のUFCに参戦。今年7月のUFC女子フェザー級王座決定戦をTKOで制して王座に就いた。今回が初防衛戦となる。

女子バンタム級の最強女王ラウジー(左)を破ったホルム(右)のハードパンチ

 挑戦者のホルムは女子プロボクシングで世界3階級制覇した実績を持ち、2015年11月に当時UFC女子バンタム級の絶対女王に君臨したロンダ・ラウジーを左ハイ一撃で2RKOし王座奪取を果たすと共に、世界に衝撃を与えた。同王座は昨年3月の初防衛戦に敗れて失い、今年2月には階級を上げて初代UFC女子フェザー級王座決定戦に臨むも判定負け。今回が2度目の女子フェザー級タイトルマッチとなる。

 会場から割れんばかりの“ホリー”コールが起こる中、試合は開始された。

 1R、サウスポーに構えたホルムはサイボーグの右ミドルをキャッチし、細かい右ジャブを入れながら押し倒す。サイボーグがすぐに立ち上がるとホルムはそのまま組みついてケージに押し込むが、しばらくすると自ら離れる。

 上体を小刻みに揺らしながら迫ってくるサイボーグに対し、ホルムはケージ内をサークリングしながら一発一発に「ハッ!」と気合いの声を上げながらワンツー。サイボーグが連打で仕掛けると、ホルムは組みついて潰すことを徹底する。

 2R、パンチを打ち込んでは離れるホルム。サイボーグは回転の速い左右フックを連打して捕らえようとするが、ホルムはこれもしっかりと組みついて潰す。攻めあぐねるサイボーグは右ミドルを飛ばすが、ホルムの左ストレートを被弾して鼻から出血する。

サイボーグの強烈な右カウンター

 3R、ホルムが右ジャブを放ちながら前進してきたところで、今度はサイボーグが組みつき、ケージに押し込みながらヒザ蹴りを突き刺す。いったん離れると、ワンツーから左ハイ&ミドルに繋げるホルムに対し、サイボーグは右フックとヒザ蹴りをヒットさせる。終了間際にはサイボーグがスーパーマンパンチを叩き込み、そこからパンチをラッシュ。ホルムの左目が大きく腫れ上がった。

 4R、なおも打撃戦を展開する両者。ホルムは足を使って横へ動きながら鋭い左ストレートを突き刺し、左ハイも積極的に放つ。これに対し、サイボーグもホルムの打ち終わりを右フックカウンターで狙い、蹴りも多用し始める。接近戦から組みの攻防になると、サイボーグはヒザ蹴りを入れてホルムに勝負させない。終了間際にはサイボーグの左ジャブでホルムの顎が跳ね上がる場面も。

 5R、手数を増して果敢に向かっていくホルムは、パンチ連打から左ハイ&ミドルを蹴り、スーパーマンエルボーも繰り出す。サイボーグはここで組みついてヒザ蹴り連打を入れ、離れ際に右エルボー、さらに追い掛けて右ミドルを叩き込む。

 サイボーグは右フックと再びスーパーマンパンチをヒットさせるが、終盤にホルムも左右フックを叩き込んで反撃。サイボーグは鼻から大量に血を流しながら一瞬面食らった表情も浮べたが、すぐに首相撲に捕らえてヒザ蹴りを連打。両者が離れたところで試合終了となった。

 勝敗の行方は判定に持ち込まれ、有効打で勝ったサイボーグがホルムの挑戦を退けて初防衛に成功した。これまで早いラウンドで試合を決着させることが多かったサイボーグにとっては、初めて強いられた5Rまでの戦い。それだけにホルムのテクニックと闘志も光った。今年最後のUFC大会を白熱の攻防で締め括った両者に、会場からは大きな拍手が送られた。

 試合後、マイクを向けられたサイボーグは「ホリー・ホルムに感謝している。彼女は最高のファイター。彼女のおかげで今日は最高の時間を過ごすことができた」とホルムを称えた。そして、「次はミーガン・アンダーソンとオーストラリアで戦いたい」と、現Invicta FCフェザー級王者を次の相手に指名した。

●次ページ:ライト級最強の呼び声高いヌルマゴメドフが約1年ぶり復帰戦

Photo by Brandon Magnus/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images

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